今日は昼間に冬用の布団を新たに買ってきた(今まで持ってなかった)のですが、あまりのふかふかぶりに「気持ちいい、チョー気持ちいい」なんて在りし日の頃の北島選手みたいなこと言いながら昼寝して、なかなかベッドから起き上がることが出来ませんでした。いや、もちろん北島選手は今でも存命ですが。
話は本題に入りますが、先日の記事では中国の大手ビジネスホテルチェーンを二系列も創業した季琦氏を取り上げましたが、改めて見てみると中国のビジネスホテル市場は案外面白いなと思えてきて、物のついでだし現在の市場状況はどうなのかと調べてみました。調べてみたのは大手ホテルチェーン各社の店舗数などですが、恐らくよそではまず見かけないというかこんなのに手を出すのは確実に私だけなので、日本語では本邦初公開とばかりに中国の大手ビジネスホテルチェーン各社の説明と現況を一気にまとめます。
なお各欄に書いてある店舗数はすべて各社のホームページで公開されている情報を基にしておりますが、どこも凄い勢いで店舗を作りまくっているので実態はこれよりやや多いと見た方が良いかもしれません。
如家連鎖酒店集団(Home Inn)
店舗数:約2200軒(自称では2500軒強)
設立年度:2002年の設立で2006年には米ナスダックに上場
概要:中国の旅行予約サイト大手の携程旅行網(シートリップ)と首都旅遊集団の合弁によって設立され、1号店は上海市の世紀公園前店。元々のCEOは現在「漢庭酒店」を引っ張る季琦だが今のCEOは孫堅(マジ)。中国におけるビジネスホテルチェーンの先駆者でもあり最大手。
傘下ブランド
1、如家酒店:1800軒。何故か今まで一度も泊まったことないから今度泊まってレビュー書こ。
2、和颐酒店(Yitel):18軒。ハイローエンドクラスブランド。名前はソフィテルをパクったと見える。
3、莫泰168(Motel 168):380軒強。ここだけ詳しくは下記に。
4、雲上四季酒店(Fairy land):35軒。2008年発の雲南省内のビジネスホテルで2014年5月に如家が2.3億元で買収。名前は国際高級ホテル大手の「フォーシーズンズ」をパクったのだろう。
莫泰168(Motel168)
店舗数:380多家
設立年度:2003年
概要:上海の老舗ホテル「上海美林阁酒店」が別ブランドとして2003年に設立、2006年にはモルガンスタンレーが出資。破竹の勢いで店舗数を伸ばしていたが2011年に上記の如家連鎖酒店集団に買収され傘下ブランドとなる。
元々は名前の通りに一泊168元という価格で提供していたが現在はどこも一泊200元前後していてなんだかなって気がする。親会社の如家酒店どうよう低価格路線のビジネスホテルで、私も何度か泊まったことがありますが布団はややしっとりしていて、WIFIが繋がり辛くてパズドラが遊べなかった。
なお、上海浦東空港に隣接されている「大衆空港賓館」もここの系列。このホテルには二度泊まったことがありますが、空港とはエレベーターで直結されており、朝ホテルをチェックアウトして即空港でチェックインできる利便性でなんとなく重役出勤をした気分になれます。一泊200元台なので使う機会がある人には是非お勧めします。ちなみにここの布団はしっとりしてません。
華住酒店集団(以前は漢庭集団)
店舗数:約1900軒(別ページだと1600軒)
設立年度:2005年で2010年には米ナスダック上場
概要:如家酒店の創業者の一人である李琦によって設立。数年のハンデこそあれ元々の如家酒店と互す勢力にまで成長している。一回だけ泊まったことがあるけど可もなく不可もなく値段相応のビジネスホテル。WIFIは繋がりやすくパズドラで遊べた。
傘下ブランド
1、漢庭酒店(Hanting Hotel):1400軒
2、禧玥酒店:ハイクラス
3、漫心度暇酒店:リゾートホテルっぽい。
4、全季酒店(All Seasons):約100軒、ここもフォーシーズンズホテルから名前パクッたと思うがそろそろいい加減にしろ。
5、星程酒店:約100軒、2008年設立のミドルクラスホテルチェーンだが2012年に華住酒店集団によって買収された。
6、怡莱(elan):ビジネスホテル
7、海友酒店:ビジネスホテル
7天连連鎖酒店集团(7 days Inn)
店舗数:2000軒強
設立年度:2005年で、2009年にニューヨーク証券取引所に中国のビジネスホテルとしては初めて上場。
概要:創業者は鄭南雁という人物で、電算科出身でも元々はホテル管理ソフト開発会社の社長でシートリップとも縁があった模様。グループの店舗数では如家集団に次ぐ勢力で、近年は安かろう悪かろうからミドルクラスのホテルへと脱却を図ってるようだ。生憎私は一度も泊まったことがない。
錦江之星
店舗数:1000軒くらい
設立年度:1996年
概要:物流、レンタカー、旅行事業を行う上海錦江国際実業投資股份有限公司の傘下ホテルチェーン。中国としては比較的高級なホテルの「錦江飯店」もここの系列化で、錦江之星もどっちかっていうとハイミドルな部類に見える。ビジネスホテルチェーンとしては老舗に当たるが新興勢力と比べ展開はややゆったり。まぁクラスも多少違うってのはあるけど。
格林豪泰(GreenTree Inn)
店舗数:1000軒くらいかな、はっきりしない
設立年度:2004年設立
概要:米系George realty系列のビジネスホテルチェーン。差異との説明を見る限りだとホテルなのフィットネス施設に力入れてる模様。
傘下ブランド
1、格林東方酒店:一泊300~600元のミドルクラスホテル
2、格林豪泰酒店:一泊150~320元のビジネスホテル
3、青皮樹酒店:一泊150~300元のビジネスホテル
4、格林聯盟酒店:一泊150~400元の似たようなもん
速8(Super 8 Hotel)
店舗数:約500軒
設立年:2004年
概要:米系ホテル大手ウィンダムワールドワイド傘下のビジネスホテルチェーン。海外では「Super 8 Hotels」という名称だが、「速8」を中国語で読むと「スーパー(Suba)」と聞こえるのでこういう名称にしたのだろう。泊まったことないけど今度パジャマパーティをするのに使おうかな、一緒にやる人がいないってのが最大の問題だけど。
まとめ
以上が私がばっと調べた限りの中国の大手ビジネスホテルチェーン概要です。注目すべき点は二つあり、上位三社がどれも旅行予約に関連するIT企業を母体にして発足している点なのですがこの点について勝手な推測を述べると、中国はやっぱ国土が半端なく広くて日本みたいに駅前の土地をどうこうするかとかではなく、予約や会員割引といったネットワークの充実さがこの業界の競争点になっているような気がします。言ってはなんですが、アメリカ的です。
もう一点の注目点は、各ホテルチェーンの設立年度が2005年前後に集中しているという点です。ちょうどこのころが中国経済が最も成長していた頃でそうした景気の追い風を受けたと共に、中国でビジネスホテル市場がこの時期に花開き、その後定着していったと考えるべきでしょう。
個人的な所感ですが私が北京に留学していた2005年は街中のあちこちに「招待所」と書かれた北朝鮮を連想させる簡易宿泊所が見られたのですが、近年の中国ではこのような宿泊所はとんと見かけず、本当に少なくなったと感じます。恐らくビジネスホテルチェーンに取って代わられて消えていったのだと思いますが、なんだかんだ言いつつこうしたサービス産業の質がこの十年で底上げされたのだなとしみじみ感じる次第です。
非常に素晴らしいレポートです。かなり評価しますわ。
返信削除因みに、このようなビジネスホテルを日本に進出させたら如何でしょうか?
この記事は中国で働く人間からすれば一級品の価値があると俺も思っている。で、この記事を書きながらわかったことだが、やっぱり日本と中国でビジネスホテルの展開の仕方はまるで違う。日本の場合は如何に駅前を抑えるかって点が重要だけど、中国の場合はネットワークが大事で、中国系が日本に進出してもちょっと厳しいかもしれない。
削除初めて投稿します。日本から良く拝見させていただいております。今回のレポートも興味深く読ませていただきました。
返信削除以前、如家酒店の上海店では日本人も宿泊できましたが、カシュガルでは外人の宿泊は出来ないと断られました。同じチェーンで対応の違いが有ることについてご存知であれば教えてください。
ひでぞう様、コメントありがとうございます。そこそこ気合と労力の入った記事なため、こうして身内以外からコメントを受けるとス小名にうれしいです。
削除カシュガルの如家酒店のお話ですが、自分も昔に中国郵政が運営する宿泊所で外国人という理由から断られたことがあります。中国人の同僚に聞いたらそういう公的団体が運営するホテルではそういう外国人お断りがままあるそうなのですが、如家酒店は一般企業であるし、先ほどネットでも簡単に見てみましたがカシュガル店がそういう断りがあるとは書いてもなく、いまいち決め手に欠けます。断言はできませんが、もしかしたら外国人だと面倒くさそうと現場の人間が判断して勝手に断ってきたのかもしれません。
早々のご回答ありがとうございます。中国で旅行の際、ほとんど予約無しで宿泊をします。その際に結構外人は宿泊できないと断られるケースが有ります。地方都市のそこそこの規模のホテルで断られたり、観光地の客栈では宿泊出来たりします。この基準が良く分かりません。今後、中国の宿状況について書いていただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
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