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2015年2月13日金曜日

中国の空母プラモを見て

 先週末、日本語を教えている中国人労働者を連れて上海に行っていました。なんでこんなことをしたのかというとその中国人労働者が一度も上海に行ったことがないマジモンの田舎者だったので、一つ都会を見せてやる方が良いと思ったからです。
 もっともこの中国人労働者、あらかじめ高速鉄道のチケットを買って駅で待ち合わせだったのに見事に寝坊してきやがって、土曜日は電話口で激しく怒鳴り続けたので非常に疲れました。なんかこう書くと自分が如何にもな性格をしているように見えますが、そいつはその前週に昆山市内の観光地に行く際も寝坊で遅刻しており、またこっちの指示を待たずに長距離バスに乗ったり降りたりを繰り返したりもしたのでかなり全力で怒鳴り続けました。ちなみに私は駅のど真ん中で怒鳴り続けましたが、中国ではよくある風景なのか周りの人は自分に対して全く無関心でした。日本じゃこうもいかんな。

 話は戻りますが日曜日にそいつを連れて市内をぶらぶら歩いていると日本の模型メーカー大手のタミヤの看板を掲げたプラモ屋が見つかり、折角だからと入ってみたらこっちの想像以上の品々を集めていてびっくりしました。一番最初に目に入ったのはミニ四駆で、「ダッシュ!四駆郎」に出てきた「エンペラー」というミニ四駆が置いてあり、そのほか大和とか武蔵といった戦艦はないのになぜか空母の瑞鶴、翔鶴のプラモは置いてあって、瑞鶴は日本の軍艦の中で私が一番好きな船なだけに買って帰るか非常に悩みました。なお中国人労働者は以前に私も作ったことのある「インプレッサWRX STI 99ver」を買って帰りました。

 そのような豊富な品々の中でふと隅っこに目を遣ると、なんかやたらと大きなサイズの箱がありました。見てみると「遼寧」と書かれてあり、知る人ぞ知る2012年に就航した中国初の空母のプラモでした。
 ちゃんと自国の艦船のプラモもあるんだなーという具合で感心するとともに、こんだけ大きなサイズ(箱の横幅が1mくらいあった)のプラモしか置いていないってことはもしかしたら小型サイズで作れないってことではとも思え、またそもそも寸法とかちゃんとあってるのかと本体もプラモもどちらもメイドインチャイナなだけに疑いを覚えてきました。もっともこれは中国の模型メーカーがどうこうというよりも、日本の模型メーカーが異常なまでに精密に作ってしまっていると考えるべきなのかもしれません。

 ここでその日本の模型メーカーについて話が移りますが、王者なのは言うまでもなくミニ四駆も作っているタミヤです。私も自動車プラモをいくつか作りましたがほかの日系メーカーと比べてもここは作りや構造がしっかりしていて、よくもこれだけ精密に金型作れるなと感心させられます。軍艦に関しても旧日本軍は本気でアホだから、アメリカは同じ設計の艦船を次々と量産していったのに対し日本は一艦一艦別々に設計をして無駄に多種多様な艦船を造り、あらゆる方面で効率を悪くさせましたが、そうした土壌の下でタミヤは多数ある艦船を次々と模型化していきました。真面目に誇張ではなく、日系模型メーカーの隆盛の陰には旧日本軍の無駄遣いが背景にある気がします。

 そのタミヤですが、知ってる人には有名ですがその製品の正確さ、精密さについて気違いじみたエピソードが多数あります。開発中の車をチラ見しただけで外観から内部構造まできっかり再現してみせたなんて序の口で、海外自動車メーカーがどうしても内部構造を見せてくれないから推定で作って売り出したところそのメーカーから、「お前ら、技術情報を盗んだな」などと言われ、ほぼ実物そのものに作ってしまっていたことからあらぬ誤解を受けたなんて話も多々あります。

 話しを再び中国の初代空母、遼寧に戻しますが、この艦船は元々旧ソ連で建造が始まったものの予算不足で中断され、その建造途中の船を回り回って中国が購入して空母に仕上げたという経緯があります。実に建造開始から二十年近く経っての就航したという曰くつきなのですが、建造に関わった中国人民解放軍関係者は、建造開始当初の設計図は既に紛失されていたことから設計が近いほかのソ連の艦船を元に見よう見真似で作ったことを明かしています。恐らくそれでもきちんと作れたということを自慢しているのだと思いますがこれを聞いて、「中国人の言う見よう見真似ほど恐ろしいものはない」という言葉を私以外、下手すりゃ中国人ですら頭に思い浮かべるのではないかと思います。
 日本のネット上の掲示板でもこの話題が持ち上がり、中国に軍艦の設計なんて危なっかしい、むしろタミヤの方がまともな設計をするのではなんていう意見があって見ていてなかなか楽しめました。ただ「タミヤの方がまともな設計をする」という意見ですが、これはあながち冗談っぽい意見ではなく、本気でそうなのではないかとちょっと思っています。というのもタミヤは旧日本軍の軍艦はもとより世界各国の戦闘機から戦車、銃火器まで模型化しており、下手な軍事専門家よりこの手の構造に詳しいのではないかと思えるからです。

 さすがに主機などの設備を含めた設計となると話は別ですが、アウトラインだけの設計であればタミヤの設計部なら本気でいいの作ってくれるんじゃないかと思います。折角だから日本政府も今後自衛隊で新しいイージス艦とか掃海艇作るんだったらタミヤに外注した方が安くていいのが出来上がるのではなんていう風にも思え、このところ周りの人間にも話しています。タミヤも自社の設計を元にプラモも作れるんだから一石二鳥じゃないかな。

  おまけ
 中国に出稼ぎに来る前、何故かスポーツカーのプラモにはまって何体か作っていました。けど部屋に一台だけ作って置いておくとなかなか洒落ててインテリア的にグッドでしたが、二体、三体と増えていくにつれてなんかよくなくなるというか、部屋がマニアっぽくなって失敗したと思いました(´・ω・`)ガッカリ…

2 件のコメント:

  1. この労働者に怒ったことに対し、非常に理解しております。
    また、日本と中国が共同出資で空母を作ったらどう思いますか?

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    1.  一応、この日の晩飯代、ホテル代、次の日の昼飯代は払ってフォローはしてやったよ。向こうが払おうとしていたが「別説(黙れ)」といって引き下げさせた。
       日中で空母作るのはいいけど、中国が担当する部分が非常に不安なだけにあんまいいのが出来ないかもしれない。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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