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2015年5月18日月曜日

これからのシャープはどうなるのか

「資本金がシャープでしょ」

 上記の言葉は資本金額を一億円にまで減資するとシャープが発表した直後にネットで書かれた一言ですが、個人的にツボにはまったのと同時に今は何をしてもシャープは皮肉られるものかと当時思いました。
 この資本金を減資して負債返済に回す案など、シャープは先日支援を行う銀行団と共に中期再建計画を発表しました。しかしこの再建計画に対する市場の反応はというと 芳しいものではなく、計画発表直後は不正経理が発覚した東芝(何気にこっちの方が闇が深い)と仲良くダブルストップ安を決め、シャープに至ってはここ数日も株価が下落し続けるなどなかなか底が見えない状況となっております。

 こうした経緯も相まってかこのところ誰かと会うと「これからシャープはどうなるんだろうね」という話題を話す機会が多く、先日もリアルマッドシティ市民の友人、そして左遷先の名古屋での生活がオーバー10年の親父とともに「レッドロブスター新松戸店」でタラバガニを食ってた際もこの話題が盛り上がりました。なおこの時の食事代は全部親父の負担です。
 そこで今日はこの時に話したシャープの今後の予想について書こうと思うのですが、結論から述べると、あくまで私の目から見た予想ですが現時点で既に身売りこと会社ごと売却されることを前提にして物事を進めているのではないかという疑念があります。それを主導しているのは誰か、どこがシャープを買うのか、これが真に大きな論点でしょう。

 私が何故このように思うのかというと、シャープと銀行団が発表した再建計画の中身に実効性があるとは全く感じられないからです。最初に断っておくと別に私は経済アナリストでもなければ電機産業に詳しい専門家でもないただの元経済ライターでしかありませんが、そんな拙い私の目から見て再建計画におけるシャープの太陽電池事業の扱いはやや目を疑いました。
 再建計画の中では太陽電池事業を将来の成長部門として今後も強化していく方針が謳われていましたが、太陽電池は現在世界中で大不況もいいところで、中国最大手だったサンテックパワーが破綻したことといい今後も需要が伸びるかどうかといったら正直言って非常に怪しい分野です。私はシャープが経営再建を手掛けると聞いて真っ先にこの太陽電池部門が切り離されるだろうと予想していたのですが実際はむしろ逆で、再建の柱とするなどと聞いてなんだそれはと正直思いました。

 太陽電池部門と同じく再建の柱として強化が掲げられたのはシャープの顔とも言うべき液晶部門です。はっきり言えばこの液晶も再建どころかとっとと切り離した方が良いとは思うものの、シャープのお家芸ともいうべき部門であることからここはまだ太陽電池と比べれば多少はしょうがないかという気はします。
 しかし以前にも記事を書きましたが既に競合先となるジャパンディスプレイが従来型と比べて極端に消費電力を減らした液晶パネルの量産を準備していると発表しているだけに、シャープの液晶部門が今後収益構造を改善できるかといったら果たして疑問です。あまり書いているメディアはありませんが、既に中国の家電量販店へ行くとシャープ製のテレビと、スカイワースなど中国ローカルメーカー製のテレビには価格に差が全くなく、サイズ別による価格差しかありません。

 ではどうすればシャープは再建できるのか。もはや再建とは呼べないかもしれませんが私は太陽電池や液晶といった部門は丸ごと他社に売却して、まだ収益を稼いでいる複合機部門などを残してシャープの看板を守るしかないと考えていました。ただ再建計画ではリストラ策は盛り込まれたもののこうした不採算部門の切り離しは明言されず、むしろやる価値あるのかと疑問に思う資本金を1億円とする減資が大々的に発表されましたがこっちは政府から突っ込まれると5億円に金額を変更するなど一貫した態度もみられません。

 こうした点を見るにつけ、もしかしたら銀行団はシャープを別の企業に売却することを前提でこういったわけのわからない再建策を作ってきているのでは、そのような疑いが私の中でもたげてきました。特に減資とそれに伴う負債の償却などは売り飛ばす前の露払いにしか見えず、太陽電池部門を切り離さないのも何らかの思惑があっての様に見えます。
 ただ売却すると言っても、有名なコピペが作られている程シャープは国内の同業他社とは明らかに関係が悪く、三洋電機の様にパナソニックなど国内企業が買収に名乗り出る可能性は少ないでしょう。買収するほど魅力的な技術や部門もあるか怪しいし。
 となると可能性があるとすれば外資系企業で、最有力候補はやはりフォックスコンことホンハイ精密です。彼らは既にシャープの堺工場で業務提携しており、シャープのブランドも彼らからすればまだ利用価値があるでしょう。ホンハイ以外となると同じく中国系企業が候補で、携帯電話の小米精密はないと思うけど美的、ギャランツ、ファーウェイ辺りは資金力に物言わせて買いそうな気がします。

  最後に、もし日系企業でシャープを買うとしたらと考えた際に唯一出てきた候補を挙げると、ズバリ日本電産です。元々意欲的に買収を繰り返す会社ですしシャープと同じく関西圏にあるので、もし日系の中でシャープを買収するとなるとこの会社はやりかねないのではと思います。もっとも、仮にそうなったらシャープの社員はきついだろうなって気がするけど。

6 件のコメント:

  1. 花園さんのおっしゃるとおり、かの三洋よりも悲惨な光景が見えてきますね・・・
    個人的にシャープ製の複合機はいまいちな印象があります。ほんと強い分野がないですね。

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    1.  ぶっちゃけた話、私も複合機はシャープより他社製のが使い勝手いいです。ただシャープ社内では複合機部門は着実に利益上げていると聞くので、他部門との比較にこの部門を使いました。
       あといいところを突いてもらったというか、私もシャープのケースは三洋とは大きく異なると考えています。三洋は経営がめちゃくちゃでしたがゴパンとかエネループなど競争力の高い商品は保有していたのに対し、今のシャープは技術も製品も本当になくて、そもそも買収される価値もあるのかという点で厳しい状況です。頑張ってほしいという気持ちはあるのですが。

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  2. 家畜にはなりたくない2015年5月20日 14:43

     個人的な話なのですが、諸事情で携帯を買うときは親から必ずSHARP製のを買わされていました。しかし、携帯にこだわりのない僕からしても今まで買った携帯二つとも正常に作動しないことが多く(他人から今すぐ機種変したほうがいいと言われるくらい)SHARPの携帯には嫌な思いしかありません。
    僕が買った携帯がたまたまハズレだったのかはわかりませんが・・・。なので3台目は違う会社のにしました。
     いずれにせよ頑張ってもらいたいですね

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    1.  実は私が日本で使っているPHSもシャープ製ですが、文字入力とか地味に使い勝手悪くて「ファッキン中日」などと何故か中日球団に八つ当たりしています。ガラケーでの比較ですが、今まで使ったのだとパナソニック製が安定して使いやすかったですね。
       これは知ってる人には早いですが、電機業界関係者からするとシャープの技術への評価は非常に低いです。その辺をシャープは自覚しているのか、この点が今試されているでしょう。

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  3. アップル社はSHARP社を買収することも可能ですわ。

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    1.  アップルが買えない会社の方が珍しいって。でもシャープに限っては、買収された方が彼らも幸せだろうな。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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