預金がある程度溜まった所で誰もが手を出すのは資産運用ですが、その運用の方法について今日は日本と中国の違いを簡単に説明します。
まず資産運用の仕方は大別すると4種類に分類され、日本で人気だと思われる順番で列記すると下記の通りとなります。
<日本で人気な資産運用順位>
1位、積み立て型保険
2位、銀行の定期預金(金融商品)
3位、株式投資
4位、住宅運用
私の視点ですが、日本で最も運用される方が多いのはやはり積み立て型保険ではないかと思います。代表格は生命保険で、一定の収入がある成人であれば多くの人間が加入しており、これに付随する形で損害保険や重大疾病保険の加入率も低くはないでしょう。次いで2位の定期預金もそこそこやっている人は多いですがデフレ傾向が続いてきたため保険と比べるとやや頼りなく、3位の株式投資は以前に比べれば個人トレーダーは増えつつあるものまだまだ一般的であるかというとそこまでには至っていないというのが実情でしょう。私自身は株取引をしておりますが、やはりこの事実を告げると周りから珍しがられるし。
4位の住宅運用に至っては、まず持ち家率もそれほど高くはない上に、住宅を購入すると言っても大抵は自分が住むために買うもので資産運用として使うことはほとんどないように思えます。ましてや日本市場では住宅価格が経年と共に急激に下落し、新築の場合だと購入した直後に評価額が半値となるため転売して利ザヤを稼ぐことは並大抵じゃありません。そういうことから資産運用としてはこれが一番マイナーではないかと思われます。
こうした日本の状況に対し中国ではどうか。もう一気に書きたいので私の視点で見る人気な資産運用の順番を下記に列記します。
<中国で人気な資産運用順位>
1位、住宅運用
2位、株式投資
3位、銀行の定期預金
4位、積み立て型保険
2位と3位はともかく、1位と4位は見事なまで日本と逆転しております。こうした逆転が起こる背景としては、日中で真逆と言っていいほど異なる住宅市場の様相が原因です。
中国はよく住宅バブルだと言われますが、実際にその指摘は正しいと思われます。住宅の値段はこのところ5年ごとに2倍くらいまで高騰しているように思え、早く住宅を買って、寝かして、売り抜けることが億万長者への最大の近道だと考えられ、事実その通りとなっています。現時点でも住宅価格は政府の様々な抑制策を跳ね除けつつ高騰を続けており、もし住宅を購入できるだけの資金があるのであれば誰もが住宅を資産運用に用いていることでしょう。
2位の株式投資に関しては中国では成人の90%が手を出していると言われ、そのうち8割方が損をしながらも取引を続けていると以前に読んだ記事で書かれてありました。何故中国人がそれほどまでに株に手を出すのかというと単純にこれまでの好景気で割と儲けやすかった(以前は)のと、即日で値段が変わってキャッシュに買えられるという形態がせっかちな中国人の気質に合ったんだと思います。
では3位と4位について。3位の定期預金に関しては街を歩いていると銀行の支店などが店頭で6ヶ月定期の広告をボンと出していることが多いですが、周りに話を聞いてみるとあまり人気は内容です。何故人気がないのかというと多分中国人としては6ヶ月も待っていられるほど気がなくないのと、利幅が株式投資の利益と比べると小さく見え、あとインフレ傾向が続いているためそれほど得したと感じられないためではないかと勝手に分析しています。
そして4位ですが、これがある意味今日の記事の肝です。結論から言うと中国人は保険というものを全く信用しておりません。気持ちはよくわかるが。
一応中国にも生命保険や疾病保険などはありますが、生命保険に関してはそんなに長期でお金を預けて運用するというのが性に合わないのと、果たして満期時に本当にお金が返ってくるのか疑問視しているようにも感じられます。ましてや死亡時に支払いがあると言われても中国人としては「死に金よりも生き金」という感覚が強く、遺族にお金を残すくらいなら自分が根こそぎ使った方がいいと間違いなく考えるでしょう。ある意味健全な精神なようにも見えますが。
そして疾病保険に関しても、日本でも以前あったように中国でもいざ病気になった所で特約が不払いとなるケースがあるらしく、ちゃんともらえるのかという点で全く信用がありません。中国人の同僚に聞いたら親族がまさにこれだったらしく、一応掛け金は返ってきたそうですが疾病時に支払うと約束された特約のお金は支払われず、それだったら他のに投資しておけばよかったなどと話していました。
このように考えると中国の保険市場は、一応大手保険会社とかはきちんと存在していますが、今後発展していくかという点では信用を勝ち得るかどうかというところにかかってくるでしょう。また逆を言えば、日本人は保険会社に対する信用が明らかに強いように思え、米国の保険会社がTPPによって日本市場への進出を狙うというのもわからなくはありません。
おまけ
新しいロジクール製のキーボードとマウスを一緒に購入してきました。キーボードは以前のと比べるとクリック感がやや軟らかいですがこれはこれでありです。マウスは結局元々使っていた「M185」というマウスとなり、結局これ使うのが一番でした。
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