土日に大雨が降ってからこちらは随分と涼しくなって過ごしやすいのですが、なんか逆に暑さがなくなったことによって気が抜けちゃったのか、このところは家帰ってパワプロで延々とバッティングし続ける日々が続いています。ちなみに打率は5割4分くらいです。
なわけで今日はブログ休もうかなとも思ってましたがさすがにほっとけないニュースというか、中国が昨日に引き続き今日も人民元の強引な切り下げをやってきたので、いくらか解説文を載せます。
まず人民元の切り下げとはどういう事か。これは簡単に言えば通貨としての価値を安くするという方法で日本円と比べるなら仮に以前は1元=20円だったとすると、この二日間で3%程度下がったということから「20×0.03=0.6」となるため、現在は1元=19.4円になる計算です。
こうなるとどうなるかですが、国外に製品を輸出すると以前は20円で売っていたものが19.4円に値下げしても中国側は同じ利益を受け取れるようになるので、輸出競争力が増します。まぁこの辺はほかの解説でも読んで納得してください。
それで話は人民元に移りますが、そもそも人民元の為替相場はどのように運営しているのか。私がざっとこの二日間で切り下げ関連のニュースを見ている限りだとどこも人民元レートの決定システムを理解していない人間が記事書いてるなという印象を覚えましたが、これに関しては内心しょうがない気がします。実際、人民元レートは日本円や米ドルの変動相場制と違って「管理フロート制」という妙なシステムで、私も十分に理解している状態だとは言えません。
理解が間違っているかもしれないという前提で簡単にこの管理フロート制システムを私なりに説明すると、これは人民元の変動幅を前日の終値を基準値として上下2%に固定するというシステムで、たとえば前日終値が1元=20円だったとすると、翌日の変動幅は20×0.02=0.4となるので、19.6~20.4円の間でしか変動しないということとなります。この方法だったら終値付近で中国の政府系金融機関が介入すればいくらでも為替レートをコントロールできるので、まぁ中国にとっては都合のいい手段でしょう。
では今回の切り下げはどういう風に行われたのでしょうか。通常、人民元の為替レートは前日の終値を基準としてそこから上下2%を変動幅とするのですが、今回の切り下げは前日の終値に対して11日は1.9%、12日は1.6%切り下げた値を基準値として、そこからいつものように2%の変動幅で取引させました。
要するに今回のは中国政府が前日の終値なんて関係なくいきなり人民元のレートを変更したようなもので、誰の目から見てもかなり強引な手段を採ったと言える行動でしょう。仮にこれがまかり通るなら、人民元のレートはいつでも自由に中国政府が決められると言っても過言ではありません。
では何故中国政府は今回このような強引な手法に打って出たのでしょうか。理由はほかの記事などでも言われている通りに各種の経済統計で景気の衰えを示すような悪い数値が相次いでおり、景気後退を懸念した中国政府が輸出のテコ入れとして為替に手をかけたというのが実情だと私も思います。今日発表された統計でも不動産投資の伸びに明らかな鈍化が見られ、一番最後の砦ともいうべき不動産業界すら振るわない状態になって当局も危機感を持ったのかもしれません。
ただ今回の為替操作についてもう少し深く述べると、中国としても苦渋の決断だったのではと思う節があります。というのも中国はかねてから人民元を国際通貨として世界に認めてもらうために様々な努力を続けてきましたが、今回のこの為替操作によって明らかに世界通貨への道は後退しました。逆を言えば世界通貨化を一時諦めなければならないほど景気に対して危機感を持っているとの証左でもあり、今後発表される他の経済指標を注意深く見ていく必要があるでしょう。
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