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2015年8月23日日曜日

北朝鮮の動向と安保関連法案

 ここ数日、日本のニュースを見ていてつくづく感じることですが、何で北朝鮮の動向と安保関連法案を同時に語らないのか、ここまで来ると一種のギャグのつもりなのかと疑ってみています。
 北朝鮮はここ数日、停戦領域内で地雷を仕掛けたり韓国国内へ砲撃を刷るなど過激な挑発行動を繰り返し、これに対し韓国側も海岸部や島しょ部ではなく内陸部への砲撃を受けたことによって態度を厳しくしており、北朝鮮側に対して24時間の宣伝工作を続けこれに対して北朝鮮もやめるよう要求するなど一種のにらみ合いが続いています。

 さすがに北朝鮮事情は専門外なので素人的な意見となりますが、今回の一件でも軍事的衝突に至ることはさすがにないとは思います。そう思う根拠として二つあり、一つはただでさえ食糧事情の悪い北朝鮮が収穫前の8月のこの時期に戦闘行動には出るに出られないということ、もう一つは韓国側は朴大統領の支持率が低下している中で今回の事件は支持率回復の好機にほかならず、実態以上に事態を深刻化させてみせようと動いているように思えるからです。

 ただこの事件、というよりもし北朝鮮有事が起こった場合についてですが、日本はどのように行動するべきなのか。またそのような自体に対して指針なり対策は既にとられているのでしょうか。

 安倍首相を持ち上げるつもりはありませんが、現在参議院入りしている安保関連法案の意義はやはりこういうところにあると思います。この法案について反対している人たちはホルムズ海峡とかイラクとかやたら遠い地域ばかりを想定した批判を繰り返し、最も近くても中国という現実には経済関係的にも交戦できるはずのない国ばかり取り上げられます。これらの国や地域と比べると北朝鮮の方が遥かに実戦が起こりうる可能性が高い国で、またその際には韓国と在日米軍が交戦すると思われることから、安保関連法案が実際に運用される可能性が高い相手だと私は考えています。

 その場合の想定をいくらかここで書くと、まず北朝鮮有事が起こった場合は在日米軍は確実に朝鮮半島へ出兵するでしょうし日本からも爆撃機などが出動するでしょう。これに対して北朝鮮はどう反応するか。多分奇襲でもない限りは一瞬のうちにミサイル発射基地などは潰されて反撃できないと思いますが、もし仮に反撃余力を残していた場合だと日本の米軍基地などへ向けてミサイルを発射してくる可能性があります。その場合、日本はどうするべきでしょうか。そもそも米軍が北朝鮮を攻撃することが決めた際、日本としては米軍への支援を行うべきか否かでしょうか。

 ある評論家の意見に、日本人というのは一番起こってほしくない事態は起こらないという前提で予想を立てる癖があるという指摘がありますが、この北朝鮮有事についても同じことが言えるでしょう。日本から米軍が確実に出動すること考えれば日本の領土が攻撃される可能性を含んでいるということで、それを見越した上でいざとなったらどう対処するべきか、何も起きていない今の段階で考えなければなりません。
 私としては北朝鮮は初めから話が通じる相手ではないと思うので、だったら最初から米軍に協力して可能な限りの支援を行うことでなるべく早いうちに叩き潰すべき相手ではないかと思います。問題はその支援の幅で、物資の提供までか、兵員や物資の輸送までか、自衛隊員の朝鮮半島出兵まで含むか、ここが論点となります。ただ物資の提供や輸送に当たっては現行法では整理されておらずやるとなったら内閣決断の超法規的処置に頼らざるを得ず、だからこそ安保関連法案が必要なのだというのが安倍首相の主張です。

 実際のところ安保関連法案にはこれ以外の内容も含んでいるし私も完全賛成ではありませんが、こと北朝鮮有事に対する必要な準備であるならそれ単独であれば賛成の立場を取ります。少なくとも今の状態で北朝鮮有事が起きれば、日本は何の準備も覚悟もない中で北朝鮮のミサイルの標的となる可能性があるだけに、もうちょっとこの辺の議論を折角のいい機会なんだからやっておくべきではないかとこのブログで主張するわけです。

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