先日、潮風大使さんより「中国のファーストフード業界について紹介してほしい」というリクエストを受けたのですが、このリクエストには素直に魂が震えました。というのもこれまであまり中国のフラーストフード業界をテーマにした記事を見ておらず、成長が見込める市場なのにやけに解説が少ないので自分が手掛けてみたら意外と面白いかもしれないという妙なジャーナリズム魂が動きました。
そんなわけで密かに下調べを進めておりましたがなんにせよこのところほかにも書きたい記事ネタがやたら集中しており、先週土曜もなるべく消化するため一挙に4本も記事をアップしましたがそれでも他に優先する記事が多かったため、今回のこのテーマでの出稿が遅れに遅れました。当初は先々週にもアップしようと思ってたのに。
そうした事情は置いといて、このテーマは分野別に攻めていった方が面白いのでしばらく連載形式で取り上げていきます。一発目の今日は見出しにもある通りに概要で、中国のファーストフード業界を取り巻く各種のマクロデータを紹介します。
1、飲食業界の市場規模
・盘点:2015年快餐行业发展现状和趋势(天財商龍)
データの引用元は上記リンク先の記事です。と言っても中国語ですので、閲覧する際は中国語使いをつけて読んでください。
まず中国のファーストフード業界を含む総合的な飲食業界の市場規模の解説から入りますが、率直に言って大幅な成長を続けています。同業界は2008年の年間市場規模が1兆2650億元だったのに対し2014年は2兆7860億元と、6年間で倍以上の成長を見せ、この間の複合年成長率も15.1%に達しています。今年2015年の中国経済は製造業がどこもガタ落ちしていますがサービス業は全体的に好調を維持しており、ファーストフード業界も1~9月の市場規模が前年同期比11.7%増の2兆3071億元となって二桁の高成長を保ちました。
雇用面でも飲食業界は経済に対して非常に大きな貢献をしており、関連企業は300万社以上にも上り従事者数も1億人を超えるとされ、この雇用数は不動産、自動車業界に次ぐ水準とされています。仮に中国の人口を13億人と見積もるならば、8%前後が飲食関連業界で働いているってことになるのかな。
2、ファーストフード業界の各種データ
成長著しい飲食業界の中でも、ファーストフード業界の成長は特に著しいと上記記事では指摘しており、ここ数年の複合年成長率は17.5%に達したと紹介されています。成長が著しいだけでなく潜在的な成長性はまだまだ高いと見られ、その根拠として中国における一人当たりのファーストフードへの年間消費額は63.7米ドルで、欧米が600米ドル以上であることを考えるとまだまだ低い水準としています。もっとも年間消費額についてはほかの項目でも欧米と比べて大幅に低いだろうから、ファーストフード業界に限るわけじゃないけど。
3、中華系ファーストフード
日本でファーストフードと言ったらマクドナルドやケンタッキーに代表される洋食系のチェーンが思い浮かび、和食のファーストフードと言っても牛丼がギリギリ入るくらいでしょう。もっとも市場的に前者がファーストフード業界、後者は牛丼業界って感じで分けられることのが多いですが。
中国では事情が日本とは異なっており、中華料理を中心としたチェーン店もファーストフード業界に加えられております。こうした中華系ファーストフード店は私もたまに利用しますがお店はマクドナルドみたいにカウンターで注文して料理が出される形式で、メニューは餃子や点心、丼物などそこそこバラエティに富んでいます。
では中華系と洋食系ではどっちが多いのかですが、これは中華系の方が軒数で言って圧倒的に多いのではないかと示唆するデータがあります。中国はマクドナルドもケンタッキーも電話一本でどこでも配達してくれるほど何故だかケータリングがやけに普及しており、中華系ファーストフード店も洩れなく電話一本出前一丁で持ってきてくれるのですが、中華系シンクタンクの調査によるとこのケータリング件数を比較すると中華系が63.4%、洋食系は17.5%だったとのことです。売上げ比較ではないので一概にこのデータだけで判断できませんが、街中を歩いていても店舗数、特に地方を含めると洋食系よりは中華系の方が多いという気がします。まぁ運営企業別の売上げなら洋食系チェーンの方が圧倒的に大きくはなりますが。
以上が元記事データを丸々引用した内容となります。もう少し続けたいけど昨日から風邪気味でめっちゃ体だるいので続きはまた次回に回します。次回では中国の各飲食チェーンブランド別の人気度というかファーストフードトップテンを取り上げる予定です。まだ今日よりはオリジナリティが含められる記事になると信じてます。
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