・<長期金利>初めてマイナスに 一時-0.010%(毎日新聞)
今日も日経平均が900円超も下がるなど大幅下落となりましたが、なんかこのところこういう乱高下が普通に多いからもうなんか慌てる気持ちにすらならなくなりました。一応今日の下ぶれについて理由を追うと上記リンク先記事に書いている通りに長期金利、言い換えれば日本国債の金利が史上初めてマイナスに突入したことが主因で、後は欧州の株安と北朝鮮のミサイル発射が副因ではないかとみています。
ほかの記事にも書いていますが長期金利がマイナスになるとはどういう事なのかというと、日本政府が発行している国債を投資目的で1万円で購入したところ償還期限を迎えると9900円になって、増えるどころか減ってしまう金利状況の事を指します。実際にはそうはならないでしょうが短期で取引している分には買えば買うだけお金が目減りする状態なのでまぁ異次元っちゃ異次元です。
今回何故長期金利がマイナスへと突入したのかというと、その背景は間違いなく日銀が先週にマイナス金利政策を導入すると発表したことにあるでしょう。日銀がマイナス金利を導入する先は政策金利(公定歩合)で、これは「民間銀行が日銀から日本円を借りる際の金利」を指しています。ほかにもっといい解説サイトがあるでしょうが一応簡単に説明すると、UFJとかみずほなどみんなにお馴染みの民間銀行はどこも日銀から日本円を借りて、借りた日本円を民間に貸すことで業務を回しています。そのため民間銀行は日銀からお金を借りるかわりに日銀へ金利分の利息を支払わなくてはならず、この民間銀行から日銀への金利のことを政策金利と呼びます。
仮に政策金利が5%だったら、民間銀行は5%より高い利率で他の人に日本円を課さないと儲からなくて潰れてしまいます。しかし政策金利が1%だったら民間銀行は利率が2%でも3%でも儲かるため、実質この政策金利が動くことによって民間銀行のローン利率も変動してくわけです。
これまで日本はゼロ金利政策と言ってこの政策金利が、0.5%とか0.25%に設定されており、民間銀行からしたらタダでお金が借りられるので低い金利で他の人にも貸せて利ざやを得ることが出来ました。しかしこの政策金利が仮にマイナス、それこそマイナス0.5%にでも設定されたら、民間銀行としては日銀からお金を借りれば借りるほどお金(資産)が増えていくことになりますし、その上で他の人に貸す際に金利を取ればさらに儲けられることになります。
道義的な問題は置いといて日銀は何故マイナス金利にしてまで民間銀行に日本円を借りさせようとするのかというと、市場にお金を流通させ、だぶつかせ、デフレ(物価が下がる状態)から脱却してインフレ(物価が上がる状態)に持ち込みたいからです。人間お金が有り余ると必要のない物でも高くで買っちゃうみたいに、流通するお金の量を増やすことでバナナの値段もプレイステーションの値段も給料の値段も揃って引き上げたいというのが日銀の狙いです。
とはいえ、政策金利にマイナス金利を入れるというのはG8の先進国では日本が初めてで、他にやっている国と言ったらスイスくらいしかありません。そのスイスは日本より先にマイナス金利を導入していますが導入してからどうなったのかという報道が日本でなされないのが非常に不満ですが、どちらにしろ前例のない世界なので前例を捜したり、セオリーを無理に適用しようとすること自体がナンセンスでしょう。
私としては現在の日銀の姿勢を支持する立場にあり、そもそも今の世界金融を取り巻く状況は過去に例のない事態と言ってもよく、従来の方法を適用するのではなく手探りで新しい手段を対症療法的にぶつけていくしかない状態です。そういう意味ではこのマイナス金利導入も思い切った手段であるものの何もしないよりかはやってみる価値があると思うだけに、たとえ株価が乱高下しようとも私が日銀を支持する立場を変えることはありません。
ほんとは今日の株価についてだけ書こうかなと思ったら、随分とまた変な方向に記事が流れていきました。ま、でも、たまにこういうどうでもいい金融記事書いてみたくなるのですが。
人民元建て貯金しましょう。そうしないと、キミの資産がどんどん縮小してくる可能性が高いと考えられます。
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