先日近くのスーパーに買い物へ訪れた所、何故かチョコレート菓子の「メルティキッス」が中国語パッケージでなおかつ10元(約180円)で売っていたので、「これはマルクス主義的に買うべきだろう」と判断してそのまま購入しました。どうでもいいですが、「ギルティキッス」ってのはないのかな。
書いててどっちが本題かわからなくなりますがこの時に使った「マルクス主義的には」という言い回しは、実は普段からも理由のない行為や事柄に対して私がしょっちゅう使う言い回しだったりします。具体的には、
「東芝の不正会計ってマルクス主義的にどんなもんかね?」
「巨人の野球賭博はマルクス主義的にいけない行為だと思う」
「マルクス主義的には今日はうどんを食べる気分じゃない」
などと、先ほどにも書いた通りに理由のない行為や事柄に対して無駄に理由をつける言い回しとして定型句となっております。自分でも一体いつから、でもって何故こんな言い回しをし始めたのか全く分からなかったのですが、先日とあることをきっかけにすべての謎が解けました。真犯人は永田洋子でした。
・永田弘子(Wikipedia)
永田弘子について知っている方はそのまま、知らない方はいったんウィキペディアの記事を読んでから続きを読んでください。
一体なんでこんな私の言い回しに永田弘子が関係してくるのかというと、彼女がまさに理由のない事柄に対して「共産主義的に正しいから」というセリフとともに無理矢理こじつけて押し切ったことがあり、それを見て「なにゆうてんねん」と思って、理由のない事柄への理由づけに皮肉を込めて敢えて「マルクス主義的には……」なんて言い回しを使い始めたことを思い出しました。
では具体的に永田弘子はどのような場面で上記の言葉を使ったのかというと、ちょうど山岳ベースで総括リンチで仲間を次々と殺害している最中、赤軍派の森恒夫と一緒に活動資金を受け取るために山を下りて、後から合流した事実婚の旦那である坂口弘氏に対しこう言いました。
「私、森さんのことが好きになっちゃったからあんたと別れて森さんと結婚するわ。これは共産主義的にも正しいことなの」
細部は間違っているかもしれませんが大まかなレベルで上記のようなセリフを言ってのけたのは多数の証言者からもほぼ間違いないと伝えられています。でもってこう言われた坂口氏も、「うん、わかった」と返答した当たり只者ではありません……ってか、内心距離置きたかったのかもしれませんが。
話は戻りますが、恐らく永田弘子は組織を率いる幹部同士は結婚した方が指導的にも運営的にも都合がよく正しいと言いたかったのかもしれません。もっともそれ言ったら坂口氏もナンバー3なんだから立派な幹部なんですけど。
しかしまさかマルクスさんも、不倫について正しいか正しくないかまで細かく主張したり指導したりしたわけではないでしょう。もっともマルクスさんも奥さんに内緒で隠し子まで作ってましたがそういう風に考えると共産主義的には「不倫は文化」なのかもしれず、だったら永田弘子の主張も一理あるかも。
ただ、永田に限らずとも当時の社会主義者や共産主義者は理由のない事柄に対する説明口上としてよく、「マルクス主義的には」、「共産主義的には」という言い回しを多用していたように私は思います。何故なら説明する本人らも理由なく無理矢理押し切るためにこうした文句を知らず知らず使っていた節があり、更に言えば彼らからすればマルクス主義は深奥なる概念であって言葉でやすやすと説明できるほど簡単なものじゃないから、「よくわからないけど正しい」という風に理解……この場合は曲解とすべきかもしれませんが、とにもかくにも概念も理由もわからないままこじつけに使っていたと思えます。
これは最近知人に教えてもらった内容ですが、概して社会主義者的思想の持ち主は一度作った結論を梃子でも動かさず、その結論に対してどれだけ合理的に疑義を呈したり修正を求めようものなら何が何でもそれを叩き潰し、初期の結論を維持したまま突き進もうとするところがあるとのことで、私もこれには深く同感します。彼らにとっては合理的な説明や状況分析などよりも最初に作った結論を堅持することが重要で、それが正しいか間違っているかは些末な問題とみえます。
そういう意味では、無意味な理由づけに「マルクス主義的には」とつけるのも、インスピレーション重視って点であながち間違ってないかもしれません。
こんにちはです~(^_^)/
返信削除またまた本の受け売りですが、最近ある育児書を読みまして、著者は育児相談で、なかなか自分の考えが良いと固執して変われない母親に「今までさんざんAをしてきてA'という結果だった。Aを続けても良いのですが、A→A'という結果で、B→B’という結果です。どうです?BやCも試してみませんか?」と言うのです。なるほど、私ももっと柔軟にならないと、と思いました。
あと、ニセ科学やニセ医学を暴く!みたいな本も好きなのですが、よく出来てる突っ込みどころの少ないイデオロギーに縛られて、真実の発見が邪魔されるということもよくあります。
頭でっかちになって、これはいい!と信じ込まないことも大切ですよね。
永田弘子じゃなくて、洋子さんですね。
すごい情熱的な人だったんでしょうね。口では、さすがの花園さんも勝てなかったでしょうね。(勝とうとすると知らず知らず山岳ベースに行っちゃうから、スルーがベスト)
なんか読み返してて違和感あるなと思っていたら、名前の漢字を間違えていたとは……。折角だから紀念にこのままにしておきます。
削除最近になって自分もよく感じるのですが、割と論理的にわかりやすく説明すると逆に怒りだす人の方が多い気がします。それこそ論理的ではないけど単純な説明の方が受け入れやすく、数学でいうなら三次方程式使うより間違っているけどなんちゃって二次方程式でいう方が周囲は信じるみたいな感じで、戦前の頃からあんま変わってないなと少しさびしい気持ちを覚えます。
永田洋子とは口で言い合っても勝てる気しないですね。多分自分はすぐ反抗するから、仲間にすら入れてもらえず山にはいかなかったでしょうね。
「概して社会主義者的思想の持ち主は一度作った結論を梃子でも動かさず、その結論に対してどれだけ合理的に疑義を呈したり修正を求めようものなら何が何でもそれを叩き潰し、初期の結論を維持したまま突き進もうとする」ってまんま中国共産党ですね。
返信削除中国の場合、マルクス主義から離れて「中国特色社会主義」というちゃんぽんになりましたが。
非常に恰好なモデルの紹介ありがとうございます。でも鄧小平の、「社会主義に、市場があってもいいんじゃない?」っていう改革・開放宣言ほどぶっちゃけトークは世界にも類がなく、やっぱこの辺で中国は侮れない国だとつくづく思います。
削除