「中国の会計士の七、八割方は女性だ」
先日、このような情報を知人からキャッチしました。
会計士というと日本では司法試験などと並ぶ文系最難関資格の一つとされ、一時期は監査法人の採用が減って不遇の時代もありましたが現在は社会での需要の高まりと共に同資格保有者の求人も増加しており、高級職の一角に食い込む職業であります。こうした事情は中国でも同じで会計士資格の保有者となるとどの会社でも歓迎されますし、普段の生活でも「あの人会計士なんだって」という具合でちやほやされること間違いなしです。
ただ、日本とは少し事情が異なるというか冒頭で上げたように、中国では会計士は女性がやっていることの方が多いとのことです。日本で会計士というと想像される姿はやっぱりスーツ着た男性で、女性もいないことはいないだろうけど検事や弁護士同様にやはり男性がメインというイメージの方が強いです。それだけにこの話を最初聞いた時は少し疑ったというか確認する必要があるように思え、早速監査法人に務めている知り合いがいる中国人の友人に連絡を取って真偽を確かめました。
確認を取ったところ、確かに中国の会計士は女性の方が多いというか大半であるというのは事実だそうです。一体何故女性が会計士やることが多いのかとさらに尋ねたところ、経理や監査といった細かい数字を見たり確認したりする仕事は女性の方が向いているという概念が中国にはあるそうで、その延長で「会計士は女性の仕事」と考えられているそうです。もっとも、監査法人のトップに立つような会計士はほぼ男性が占めており、影響力的には男性の会計士の方がやっぱり上に出るとのことです。
確かに日本でも経理業務は女性職員が多いような気はしますし、また女性の方が金の出し入れや金額の確認業務は向いているのではというのも納得できます。しかし会計士の大半が女性だというのは私からすると素直に驚きで、逆になんで日本では男ばっかなのかと逆方向の疑問すら湧いてきます。
ただこの方面の中国事情についてもう少し述べると、地味に日本よりも経理や監査や財務申告は中国の方が進んでいるなと思う節があります。不正腐敗のエレクトリカルパレードの中国で何を言うかと思われるかもしれませんが、中国では社会主義国家なだけあって会計基準や税率税法の適用などについて統一した管理を敷きながら細かく当局が指導、強制しており、特筆すべきは一部領収書の書式が全国統一の同じ仕様で、領収書の印刷機も政府公認の物しか使えないようになっています。
また間接税も日本の消費税に対して増値税方式で、日本よりも明らかに管理しやすい形になってますし、なにより一番大きく異なるのは経理業務の担当者は経理関係の資格保有者に限定していることです。日本にも一応、簿記資格はありますが通常の経理業務を行うに当たっては求められませんが、中国ではその辺りが厳しくて、税務申告に当たっても領収書の添付が必ず義務付けられます。
中国に駐在経験がある人ならわかるでしょうが中国の領収書添付の厳格さは日本が緩すぎやしないかと思うくらいで、「他はいい加減なのになんでここだけ厳しいんだ」とよく駐在員同士で愚痴り合うのはこちらの常です。もっとも、それでも不正やらかしたり資金隠したりする人間が後を絶たないというのですから、別な意味でも中国人は会計業務に長けているといえるかもしれません。
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