ページ

2016年5月17日火曜日

北(朝鮮)の国から~丹東旅行記 一日目


 先週土曜から昨日までの三日間、中国東北部にある遼寧省丹東市へ友人とともに旅行していました。この街は一体どんな街かというと、よく日本のテレビニュースとかで「北朝鮮との国境沿いにある中国の街では今何が起きているのだろう?」というナレーションと共に紹介されるあの街で、鴨緑江を挟んで北朝鮮と国境を接する場所です。なんでこんなとこ来たのかっていうと、上海人の友人が「どうしても行きたい!」と去年くらいからずっとねだってたからで、私の方から行きたくていったわけではありません。興味はあったけど。

 ホテルから望む北朝鮮側の風景

 上記写真のアップ

 上海市から青島を経由して約5時間かけて飛行機で丹東市に降り立ちました。上海からの直行便はなく、また上記の経由便も早朝六時のフライトであったため昼前に丹東に着いたとはいえ眠くてフラフラでしたが、ホテル側の送迎車に載せられてホテルについてチェックインし、最初に取ったのが上の二枚の写真です。
 このブログにアップする写真は基本的に携帯電話のカメラで撮影することが多いものの、今回の旅行では自慢の富士フイルム製デジカメ「F770EXR」を使用しており、コンパクトデジカメでありながら20倍までズームする性能をいかんなく発揮してくれました。真面目な話、100m程度の距離であれば窓の中だってこれ一つで覗けます。

 左側が北朝鮮、右側が中国

 あまりいい対比になっていませんが、中国側には高層ビルがいくつもそびえたつのに対して北朝鮮側にはビルはおろか建物すら見えません。同じ社会主義国家でありながら、指導者ひとつでこの差です。

 観光地でもある鴨緑江にかかる橋の手前

 改めて写真見直してたら左のおばちゃんがめっちゃこっち見てた

 泊まったホテルは「新安東大酒店」というホテルですぐ目の前に中朝国境の鴨緑江という河が流れる場所で、そのまま徒歩で観光客が集まる鴨緑江橋まで行けました。この橋周辺には天気が悪かったにもかかわらずこの日もたくさんの観光客と土産物売りが集まっており、恐らく修学旅行と思われる大連の高校生集団も来ていました。



 手前の橋は観光用の橋で、後ろのは鉄道用の橋です。手前の橋を建てたのは何気に戦前の日本でしたが、朝鮮戦争の折に米軍によって爆撃され(中国側の主張)、今に至っても北朝鮮側の半分が途切れたままとなっています。


 橋を見終わった後、すぐ近くにあった北朝鮮レストランに昼食のため訪れました。上の写真はその昼食の最中に予告なしで行われた店員による余興ですが、ぶっちゃけ上手な歌ではありませんでした。また昔の中国みたいに北朝鮮人店員にはサービス精神が全くなく、店内でずっと大声でしゃべるは、オーダーは取りに来ないわ、そもそもメニューはなく上の写真の後ろにある料理の写真を見て注文するという斬新なシステムで友人とともに呆れてました。
 でもって頼んだ料理も、野菜炒めは全く味がせず、豆腐の鉄板焼きはやばいくらい塩辛く、まるで味付けがなっていないひどい代物だったため結局ほとんど食わずに残して出ていきました。同じ北朝鮮レストランでも、上海のだったらまだ食べられる物を持ってくるというのに。


 昼食後、再び鴨緑江に戻って河岸から出ているフェリーに乗って北朝鮮国境へと近づきました。鴨緑江は中朝の共同管理河川であるためこの河自体が文字通りの「国境線」なのですが、北朝鮮へと近づくこのフェリーには中国人も大量に乗り込んでみんなしてカメラを構えるなど立派な観光スポットとして機能しているように見受けられました。


 北朝鮮側ではあまり人の姿が見られませんでしたが、ある一角に集中してたむろしていたところを捉えたのがこの写真です。写真だとかなり近づいているように見えますが実際はかなり距離が離れている所をズームを活用し、揺れる船の上で撮影しています。


 北朝鮮側にある観覧車らしき物体。近くにはウォータースライダーらしきものもありましたが、この観覧車は滞在中には回転するところを一度も見ることがありませんでした。

 なおこの鴨緑江は場所にもよりますがそれほど川幅の広い河ではなく、感覚的には関東の利根川に近い印象を覚えます。そのためそれこそ夜などであれば人目を忍んで泳ぎ渡ることもそれほど難しくないように思え、中国側も北朝鮮側も川幅が狭い所でなければ河岸にフェンスすらないので脱北自体は極端に難しくはない気がします。もっとも、亡命するには中国側に渡った後が大変だと聞くので渡るだけではどうにもならないのでしょうが。

 この日はフェリーに乗った後はホテルに戻り、仮眠を取った後でホテル内のレストランで飯食いました。ホテルの詳細についてはまた明日にも詳しく書きますが、ホテル内のテレビでは日本のNHKだけでなく北朝鮮のテレビ番組も視聴することが出来ましたが、見ていてつまらなかったのですぐに切りました。
 ホテル内のレストランでは友人の要望もあり海鮮系のメニューを多めに頼みましたが、昼間の北朝鮮レストランとは違ってこちらの料理はどれもおいしかったです。さすがに海に近いだけあって素材はどれもよく、海鮮料理を食べに来るだけでも観光地としては成立する気がします。

 なお、会計の際に私が中国語を話したらチマ・チョゴリをきた女性店員がやけにびっくりしてました。っていうかこの北朝鮮人店員、全くしゃべろうともせず物凄い無愛想でしたが、多分客としゃべるなと言い含められてたんだと思います。ということで、続きはまた次回に。

2 件のコメント:

  1. 北朝鮮側には余計な建物が無く、キレイだと思います。因みに、写真中の北朝鮮女性店員が可愛いですわ。中国から北朝鮮に亡命する人間がいますか?

    返信削除
    返信
    1.  何や急に自然派的な意見言い出しおったな。北朝鮮の女の子をやけに気に入ってたけど、俺の方はというとそれほど好みじゃなかった。北朝鮮への亡命より、アメリカ大使館への亡命に中国はもっと気を付けるべきだと思う。

      削除

コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

注:ブラウザが「Safari」ですとコメントを投稿してもエラーが起こり反映されない例が報告されています。コメントを残される際はなるべく別のブラウザを使うなどご注意ください。