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2016年7月9日土曜日

ヒールの品格

 今日さっき日本料理屋で同僚と飯を食ってる最中、「だからシャープは駄目なんだよ!」っていつものように吠えてたら対面の席に座っていた同僚が店を出た後で、「花園さんがシャープの名前を出した瞬間、後ろの席にいた二人がばっと振り返ってこっち見てましたよ」と親切にも教えてくれました。偶然って面白いなと思うと同時に、ネット弁慶ではないのはわかったがどこでもかしこでも吠え過ぎかなとちょっと思いました。

 話は本題に入りますが今日何気なく琴欧洲のウィキペディアを読んでいたら、現役中は母国のブルガリアでも相撲中継が放映されて故郷の人たちも琴欧洲を応援しながら見ていたそうですが、日系メディアが取材に行ったところ現地の人たちは、「朝青龍は悪い奴だ」といって、周囲の人もうんうんと頷いていたそうです。
 これを見て思い出したのが私の留学中、相部屋だったルーマニア人です。彼も私が寮で相撲中継を見ていたら自然と一緒に見るようになっていったのですが、何故か彼も朝青龍を嫌っていました(贔屓にしていたのは安馬時代の日馬富士)。一体何故、日本でのスキャンダルが報じられるわけでもなく、ましてや中継の日本語解説もわからないにもかかわらず朝青龍は嫌われるのか、一言でいえば彼のヒールとしての品格がそうさせたのではないかと今思います。

 ヒールの品格とは何か。言い換えるならヒールの条件というかヒールとしてふさわしい特徴みたいなもんですが、仮に朝青龍を手本にするなら以下のようなものがそれに当たるのではないかと思います。

A、ふてぶてしさ
B、反省のない態度
C、粗野な物言い
D、圧倒的な強さ

 AからCについては言わずもがなですが、一番重要なのはやっぱりDでしょう。「憎らしいくらいに強い」とはいったもんですが、現役時代の朝青龍なんかまさにこれでした。どれだけ粗野な態度であろうと弱っちかったらヒールとしては成立せず、やはり「どうすれば倒せるんだよこんなの」と言わんばかりの強さが何よりもヒールを際立たせる気がします。同時に、ヒールは弱気な態度を見せてしまうと一発でイメージが瓦解する恐れもあり、どんなときであろうと無駄に強気を保つことも大事です。

 それにしても改めて思うに、朝青龍は稀代のヒールと呼ぶにふさわしい人物で彼がいた頃は大相撲もほんとに面白かったです。プロレスじゃないですが興行においてやっぱりヒールはいた方がいいと思えるくらいの活躍ぶりでしたが、そんな朝青龍の最大のライバルは魁皇でも琴欧州でも白鵬でもなく、横綱審議委員会の内館牧子氏だったというのも見逃せない点です。でも今の相撲界上層部を見てると、内館氏は厳しい態度取っててしっかりしてたなぁという気もしてきます。

 このヒールの概念をほかのスポーツに向けると、野球界ならやっぱり巨人がヒーローでもありヒールである気がします。ただ最近は一番肝心な圧倒的な強さという者が感じられず、そっちの方で行ったらパリーグのソフトバンクの方がこの要素を満たしています。もっともソフトバンクは野球賭博をしてはいませんが。

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