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2016年12月1日木曜日
日本の霊能者
なんか歴史ネタ書いてないのですぐかけるオカルトを混ぜた話として、日本における著名な霊能力者を頭に浮かぶ傍から書いてこうと思います。
まず全体的な傾向として日本の霊能者は仏教関連に集中しており、著名な宗派の改組は多かれ少なかれ神秘体験じみた話を持っています。中でも日本屈指というか山岳信仰の開祖である役小角、陰陽道でお馴染みの安倍清明と並んで三大霊能力者に数えられている空海に至っては中国へ渡航するや真言宗の一番偉い人から、「お前を待っていた」と、真言宗の経典から秘儀まで全部伝授されました。この一件によって真言宗の本流は中国から日本に移ったわけですがこれ以外にも空海は敵対する宗派の人間と呪い合戦を繰り広げ、なかなか決着つかないから敢えて自分が死んだという噂を流して相手の気が緩んだスキに呪い殺して「してやったり」と言ってのけたという、宗教者としてそれでいいのかと思うエピソードまであります。
同じく仏教者で私が思い当たる人物としては鎌倉時代に華厳宗を盛り立てた明恵という人がおり、この人は潔癖な人で自分が欲望に負けやすいなどと打ちひしがれて決意の証に片耳を切ってしまうという熱情家でした。空海みたいにぶっ飛んだエピソードこそないものの、「入り口の水がめの中に虫が落ちたから救ってあげなさい」と弟子に行かせたら本当に虫が入ってたとか、自分の死期を正確に予想して当てて見せたというエピソードがあります。
同じく鎌倉時代で言えば日蓮を外すわけにはいかず、この人は行動も発言も過激ですが「国家に大難がやってきて法華経を大事にしない幕府は滅ぶ」という予言は残念ながら外してしまいました。そのかわり国政批判の門で斬首されかけたさいには辺り一円に雷が鳴り響いて刑を執行することが出来ずやむなく遠島に刑を変えられたという話はあり、多分探せばこの人はまだまだ出てくるでしょう。
仏教者以外で霊能者を挙げるとすれば戦国時代の果心居士が有名ですが自分はあまり好きじゃないし実在を疑うので省略します。それ以降の時代、江戸時代だと私の印象では女性に多く、大体が巫術系というか神様や霊を宿してイタコみたいに口寄せするという話が増えてきますが、大体こういう話に出てくる女性霊能力者は早死にすることが多く、大正時代に有名になった御船千鶴子を代表にみんな夭折しています。
西洋における霊能力者だとよく空中浮遊する話が伝わりますが、近現代はともかく近代以前の日本だとあんまりそういう系統の話は聞きません。私が思うに日本で空中浮遊するのは霊能力者ではなく忍者であるためそういった方面の能力開発を霊能力者はやってこなかったのだと思います。まぁ忍者が空飛ぶ能力開発してたか私も知りませんが。
逆に日本だとやはり呪殺とか千里眼系が多く、遠隔地にある出来事や人物を見たり知ったりするような話が霊能力者のエピソードに多いです。一方で物理的に何かを曲げたり発火させたりするような話はほとんどなく、やっぱりこちらも忍者の領域でしょう。
結論として何が言いたいのかと言うと、西洋における霊能力者は日本の霊能力者とはやや異なっているというか、むしろ忍者の概念に近いのではと言いたいわけです。西洋では曲げたり燃やしたり空飛ぶ力を神霊力と称しますが日本の場合は忍術というか修行の成果であって霊的な能力は一切皆無であり、神霊に頼るのはむしろ邪道で西洋の霊能力者はまだまだ修行が足りないのでしょう。
最後にどうでもいいことですが、奈良県の柳生の里近くに忍術学院というのがあり、ホームページは更新されていませんが前に近く言ったら看板があって近所の人曰く結構本格的だとのことで、なんか親父が親父の従弟と共にやってみようかと真剣に検討してました。
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