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2017年3月15日水曜日

再配達関連記事の反応を見て

 最近も―忙しくて家帰ってくるのもいつも夜遅くです。仕事が忙しいののはともかく、連夜で会合があったせいというのが何より大きいのですが。

「再配達地獄」を解決するシンプルで効果的な方法(JBpress)

 そういうわけでもはや恒例となった自分で書いた記事に対する自分のリファレンスです。上記記事は今週月曜に配信された記事で、普段中国に住んでるくせして何故だか日本の物流業界について語ってます。一応、中国的要素も含まれていますが。
 記事内容は読んでもらった方が早いですが最近何かと話題の再配達問題について、中国のネット通販では基本的に自宅ではなく職場で荷物受け取るから再配達ないよとこちらの物流事情を紹介してます。その上で日本だと公私混同と受け取られて反発を招くだろうが、そんなの価値観次第の話だからそういう余計なのを改めて、日本でも職場配達を普及させればノーコスト、ノーニュープランで再配達を大部分減らせられる可能性があると主張しています。

 この記事の内容ですが元々はJBプレスの記事に書く予定はなく、ブログでササッと書いて終わらせようと考えていた内容です。ただ執筆前に友人へ簡単にプロットを説明した所、「その発想はなかった。絶対JBプレスで書くべきだ」と猛プッシュに遭い、たまたま編集長も上海に来て会った頃だったので「こんなん書いて載せてええ?」と聞いたら即OKだったので書くことにしました。
 書いてみた感想としては正直何の取材もいらず構文さえ組み立てればいいだけだったので非常に楽でした。そんなラクラクに書いた記事で当日JBプレスサイト公開記事でアクセス数1位(久々)を取った上、2ちゃんねるにもスレ立てられるというのだから、つくづく世論というのはわからないものです。

 一応というか国の再配達に対する調査や対策案など資料をあらかた調べてはいるのですが、対策検討会では記事中にも書いていますが宅配ボックスとコンビニ受取りの二案しか提唱されておらず、さらに両プランのデメリットには触れられておらずはっきり言えば既定路線を歩むだけの検討会なのではという疑念がよぎりました。私が紹介した職場受取りなんて海外の物流事情を調べれば一発でわかる内容だというのに指一本触れられておらず、先ほどの友人ともども急に宅配ボックス設置に補助金出すとか政府も言い出していることから、何か裏があるのではとこれまた疑念がよぎってきています。

 で、この記事は例によってYahooにも配信されてそっちの方の記事ではコメントもたくさんついています。コメント読んでて思ったけどまさかこういう記事書いてる奴が昨年末に上海大江戸温泉について取材記事書いた奴だとは思わないだろうな。
 そのYahoo記事のコメントについてまた先程の友人とも二晩に渡って議論したのですが、友人ともども気になったのはなんかやたらと細かい理由を挙げてはこの職場受取り案を全否定する人間が多いという点でした。実際にコメントの方を見てもらえばわかるでしょうが、やれ重たい荷物なら持って帰れない、日本は電車通勤だから無理、宅配ボックスで十分などと、なんでこんな日本はネガティブな思考の連中が多いんだと正直思いました。

 職場受取りを否定する理由として、「日系企業はこうした行為を公私混同と捉えいい目で見ないだろう」という意見を上げている方らについては私も記事中で触れており、至極真っ当な反論だと思います。しかしさっき上げた三つに関してははっきり言うと「記事全部読んでないだろ」と言いたくなる意見で、記事中である程度あらかじめ潰しておいた反論意見だっただけにいくらか言う奴はいるだろうと思いつつもその多さをみて、たまたま前夜に日本の子供の読解力が落ちているという日経の英語講座聞いてたから大人も結構深刻なんじゃないかと思いました。

 まず重たい荷物は持ち帰れないという意見について、これは記事中で「大きい荷物ならともかく~」と書いて、かなり明示的に除外しています。家電やお米など重たいものは自宅に届けさせるのは仕方ないとして、職場で受け取れるものは職場でっていうのがこの記事のスタンスなんですが、あれ以上さらに詳しく言わないとわからないのかと軽くショック受けました。
 次の電車通勤だから無理というのも上と少し被りますが、書籍や化粧品、雑貨程度の荷物も電車通勤なら持って帰れないものなのか。やや大きめの手提げ紙袋でもあれば10×25×30くらいのパッケージは持って帰れると私は思うし、そもそも既に職場受取りが一般的な中国では上海や北京だと普通に電車通勤です。これは読解力というか想像力の問題かもしれませんが。
 そして最後の宅配ボックスで十分という意見については、これも記事中で収容能力に限界があるのと設置に当たり投資がかかるというデメリットを強調しています。だからと言って宅配ボックスを全否定する気は私にはさらさらありませんが、持って帰れるような荷物なら職場で受け取った方が社会全体のコスト的にプラスじゃないのかというのが一番の記事の骨子なのにそれを無視してこういう発言来るのかなぁと見ていて言いたくなりました。

 このほか見ていてうーんと唸ったのは、見られて恥ずかしい物を買ったのが職場にばれるなどという意見で、「俺はいちいちこういう意見に対しても記事中で除外を明示しなきゃならんのか」と、本当に口から出てきましたこういう文句が。
 そうした個人的に納得いかないコメントばかりの中、「可能な職場で、可能な荷物だけそうするだけでも、それなりの効果はあるんだろうから。別に全面否定する必要はないでしょ。」、というコメントしてくれている人がいて、誇張ではなくこのコメントにマジ救われました。やれる範囲で導入して社会全体の負担を下げると提唱しているのに頭ごなしに、しかもあらかじめ潰している反論意見で頭ごなしに否定する人が多い中でこうしたちゃんとメッセージを受け取ってくれる人がいたのは至上の幸いでした。

 結論としては、いくらか反論は出るだろうと予想はしていたものの、合理性の比較をする前からなんかくだらない理由で頭ごなしに否定する人間が想定以上に多く、日本社会はなんてネガティブなんだと驚いたことが一番の発見でした。なおコメント見ている最中、USJ復活の立役者である森岡毅氏がバックライドを初めて提案した際に社内から反論が出て、「やってもないうちに出来ないなんて言うな!」と言ったというエピソードがずっと頭に浮かんでました。

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