話は本題に入りますがここ数日、少年漫画雑誌の雄こと週刊少年ジャンプの発行部数がとうとう200万部を割ったなどという報道が出ています。この分野については私も以前に個人的に調べたことがあるので多少なりとも感が動くのですが、ほかの雑誌と比べるとジャンプはまだ部数減少を抑えている方であったものの、それでも未だに減少に歯止めはかからず、V字回復も遠い状態にあるようです。
そんな少年ジャンプに対する今後の見解を敢えて述べると、私はこれからしばらくはこれまで以前より急角度で部数現象が続くと予想します。根拠は以下のインタビュー記事からです。
・人気連載次々終了!『週刊少年ジャンプ』が抱えた苦境と打開策(創ブログ)
私自身は漫画雑誌の編集に関わったことのない門外漢ですがそれでも敢えて素人の立場から述べさせてもらうと、上記インタビューでジャンプ編集者は今後の巻き返し策として、今現在連載している漫画(コンテンツ)が今後どれだけ伸びそうかという話しかしていなかったからです。いわば連載作品しか触れておらず、ほかにはジャンプ関連のイベントにも触れてはいるものの、雑誌全体でどのような形にしていくかなどといった方針については何も触れられていません。
個人的な意見ですが、やはり漫画雑誌というのはプロ野球チームと同じで、エースだけでは雑誌として成立しないと思います。それこそ好打者だけ集めたチームや先発だけ充実した野球チームが実際はあんま強くならないのと同じで、適材適所に必要な選手こと連載作品を組み合わせて初めて「強い雑誌」というものが出来上がるのではないかと思います。
具体的に言えば今のジャンプのメイン連載はワンピースでしょうが、問題なのはその脇を固めるサブの連載作品にどのようなジャンルを集め組み合わせるかでしょう。それこそ中高生男子のゾーンに限定して高い人気がある作品だけ集めるとこのゾーンしか雑誌を購入しなくなるわけで、猛烈な支持を受けたとしても売上げにはつながりません。
もちろん一番いいのは性別や年齢層を問わずに万人に受け入れられて大人気となる作品を連載させることでしょうが、そんな作品はこの世に存在するわけなく、かつてのドラゴンボールですら女性にはやや敷居が高い作品でした。
となるとどうすればいいかですが、女性人気が出やすい作品や、往年のファン層に支持されやすい作品、小学生に受け入れられやすい作品などを連載に組み込んだりするほか、大人気とはならないものの、雑誌に掲載されていたら誰もがとりあえず一緒に読むような作品なども置いておくと読者としては手に取りやすくなります。
これらはターゲットとなる読者層に着目した素人的意見ですが、やはりこういったターゲッティングなり雑誌構成に関する話が先ほどのインタビューでは全く見られず、ただ人気の出る連載作品を探して並べようとしているだけにしか見えなかったため、当事者である編集者ですらこれなんだから少年ジャンプはまだまだ落ちるなと思ったわけです。
やはり私が子供だった頃はメイン連載の高い人気ぶりはもとより、その脇で一話完結物の作品や女性受けする作品も一緒に掲載されており、逆に小学生だった自分からすれば読みづらいようなやや高い年齢層向けの漫画もあったりとバラエティに富んでいました。今現在私はジャンプを購読していませんが、ざっと話を聞いている限りだとなんか高い年齢層、具体的に言えばジャンプ全盛期に子供だったが今は成人となっている男性向けの連載作品が多いのではと思えます。対s化にこのゾーンは金持ってるし人口もあるのでボリュームゾーンであって、小学生なんかは少子化で減っているのだからという切り捨て案という風にも考えられますが、果たして雑誌単体としてはそれでいいのかと疑問です。
それこそ上記の観点からみて失敗した例を挙げれば、かつて少年マガジンが萌え系漫画をものすごい大量投入したことがありましたが、結果的には萌えブームとともにマガジンの人気もガクッと落ちました。なんか聞くところによると最近はデスゲームに持ってくという展開がマガジンには多いそうですが、あんまこういうこと考えないのかな。
同じく失敗例だと少年ガンガンも、なんか知りませんが女性読者受けを狙った連載を大量投入して自滅したことがありました。ここは発行部数が3万部を切って「月間住職」という逆に気になるタイトルの雑誌にすら負けていると一時期言われましたが、ここの最新号の見出しは、
・亡き住職の後継者選定で紛糾した責任役員と檀家総代の任期切れ大問題
・24時間対応の冷蔵「霊安室」を新設した住職のいのちの伝道力
・新連載 新米住職のワーキングプア記〔1〕
などが並んでおり、個人的に読んでみたくなるような興味をそそられる見出しが並んでたりします。
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