なんか自分のブラウザだと下記リンク先のフラッシュが起動しませんがそれは置いといて、前回記事で取り上げた「ユグドラ・ユニオン」というゲームの事実上の続編である「ブレイズ・ユニオン」というゲームについて今日は取り上げます。
・ブレイズ・ユニオン(STING)
先にも述べたとおりにこのゲームは「ユグドラ・ユニオン」の続編にあたる作品で、ゲームの基本的なシステムは共通しています。もっともシミュレーションRPGとして「変態的」とまで言われるほど複雑なシステムしてるんですが、やってるうちに慣れるけど。
ゲームの流れは面クリア型のシミュレーションRPGで、ゲームとしての骨格は前作のユグドラ・ユニオン同様に非常によくできてて弄りがいがあり、また明らかに難しすぎると思うくらいの難易度だったユグドラ・ユニオンに比べればやや抑えられててユーザーフレンドリーに作られており、実際ゲームで遊ぶとアイテムコンプリートなどこだわりさえなければサクサク進むような内容になっています。
そんなブレイズ・ユニオンですが、私の中の評価は他の人にも是非お勧めしたい前作のユグドラ・ユニオンと比べると悪い、というよりむしろユグドラ・ユニオンを遊んだことのある人にはあんま勧めたくないような出来で、結論から言えば「失敗した続編」という評価を下さざるを得ません。何がダメなのかというと、ゲームシステムと難易度に関しては既に述べた通りにやりこみ性も高く文句はないのですが、それらをすべて台無しにするくらいストーリーが悪いです。
何度も繰り返す通りブレイズ・ユニオンはユグドラ・ユニオンの続編ですが、ストーリーとしてはユグドラ・ユニオンの前日譚に当たり、ユグドラ・ユニオンにて敵役となりユグドラの王国を攻め滅ぼした皇帝ガルガーサが一傭兵から皇帝となるまでの活躍を描いた作品です。
ちなみにやったことがある人には早いですが、ユグドラ・ユニオンにて敵キャラとして出てくるガルガーサは半端なく強く、真面目に初回プレイした際は「あれ、これ強制負けイベント?」と思ったくらいの無双っぷりで、そのあまりの強さに恐怖を覚えた人間は多数いたようです。っていうか初回は必ずこいつ一人にゲームオーバーへ追い込まれる。
このガルガーサ自体はやはりその強さなどから前作でも印象に残っていただけにこのブレイズ・ユニオンで主役を張ると聞いて結構楽しみにしていたのですが、皇帝になる以前の話ということもありますが、この作品におけるガルガーサはユグドラ・ユニオンのガルガーサとはまるで重ならず、はっきり言って別人としか思えないキャラになっています。またそのガルガーサの部下達についても、前作ユグドラ・ユニオンで敵ながら印象に残るキャラが多数出ていただけに実際にプレイヤーキャラとなるならどんな活躍するのだろうと思って期待していましたが、前作キャラは出るには出るもののアイギナとネシアというキャラクターを除きその大半がチョイ役程度の出演にとどまり、ストーリーにもそれほど絡んできません。
おまけに一部キャラクターに至っては、途中にあるステージセレクトで特定の面を選ばないと登場すらしない冷遇ぶりです。一方、主軸となるのはブレイズ・ユニオンで始めて出演するキャラクターたちで、決してこうしたキャラがつまらないというわけではないものの、せっかくの続編なのだからもう少し前作に出たキャラクターを活躍させてほしかったというのが私の本音です。
こうしたキャラクターの出演だけでなく、途中にあるステージセレクトもどうしてこの仕様にしたのかと疑問に感じる内容です。ある程度ゲームを進めると次の戦闘に出るステージを複数から選ぶのですが、実はどのステージを選ぶかによって仲間になるキャラクターが変わってきて、さらには最終的なシナリオ分岐にも影響してそれによってエンディングが変わります。ただ、そのステージを選ぶとどのシナリオに進むかは明示されていないというかマスクデータで管理されており、はっきり言って攻略サイトを見ない限りは進みたいシナリオには思った通りいけないというやや不満を感じる仕様になっています。
最後に、私が最も不満だったのはメインシナリオのストーリー展開とラスボスの描き方です。先に述べた通りにこのゲームは主人公のガルガーサが荒廃した帝国の一傭兵から皇帝になるまでの活躍を描いた作品なのですが、後半のシナリオ展開はものすごいハイピッチで、直前までパトロンとなる貴族配下の一傭兵だったのが突然反乱軍の盟主となり、そのまま皇帝も殺害して帝国を乗っ取るという異様な展開へと進みます。
しかもこの時に倒される皇帝ですが、暴政を尽くしたことから国内が荒廃しそれによって反乱が各地で相次いでいるというストーリ背景にはなっているものの、ゲーム中では彼が何か暴政を犯していたり国民を虐げるような描写は一切なく、それどころか周囲からは深く尊敬されて最後まで忠実に付き従う忠臣も多くいることから、ゲームをプレイしている側からすると、「なんでこの人は下剋上されなきゃいけないの?」という疑問すら湧いてきます。そもそも、皇帝という立場の敵役にしては一昔前のビジュアル系みたいにピッチリ系タイツ履いた優男という外見をしており、なんというか威厳にも欠けるし攻略していて複雑な気持ちにさせられました。
聞くところによると、このブレイズ・ユニオンはシナリオに関してはメーカーのスティング社内ではなく外注によって制作されたそうですが、はっきり言って「こんなクソみたいなシナリオを外注してどうする?」と私は思いました。真面目に、こんな内容に金払っちゃだめだと思う。
誉められる点としては前作同様にBGMは文句のつけようがないくらいにどれも素晴らしいのと、声優陣がやたら豪華でどれもイメージに合うといったところです。シミュレーションとしての攻略の楽しみも悪くはありませんが、やっぱユグドラ・ユニオンと比べると劣ってしまうというのが残念なところです。
なおこのブレイズ・ユニオンの後、同じシステムを使った「グロリア・ユニオン」というゲームも発売されておりますが、現在私は既に購入済みであるもののまだ遊んでいません。理由はつい先月に購入したものの、まず「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」を遊び(裏ボス、隠しボスも撃破済み)、現在は「討鬼伝 極」を必死で遊んでいるからで、手が回らないからです。聞くところによるとグロリア・ユニオンはどうも味方キャラが強すぎるのとシナリオが明るすぎるという点が批判されているようです。
ブレイズ・ユニオンについては決して駄作ではないものの、やはり前作のユグドラ・ユニオンが名作過ぎるため、どうしても見劣りしてしまうというのが私の評価です。システム面でも上記の通りやや問題があり、もう少し煮詰められればと思うと惜しい作品に思えます。
おまけ
ちらっと書きましたが、「ルフランの地下迷宮と魔女の旅団」は真面目に凄い名作だと思うので興味ある方はぜひ遊んでほしい作品です。ジャンルはダンジョンRPGで、最大で40人のパーティを組めるという構成ながら戦闘を含めゲームテンポは非常にスピーディであり、厄災の魔女フルーラ、夕闇の魔女ドロニア、ドロニアの見習い魔女ルカという三人の魔女がそれぞれ主役となって広げられるストーリーはショッキング且つ感動的で、二周してようやく内容が分かってくる深いシナリオになっています。
なおルカというキャラの「ギャー」という声は非常に癖になります。
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