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2017年7月21日金曜日

求人倍率上昇に対する違和感

日銀の金融政策が景気拡大につながらなかった理由 企業マインドは国内投資より海外投資へ(NEWS PICKS)

 二度にわたって自分の記事の論評をやるのもどうかと思いますが、少し気になるというか激しい違和感が感じる点があるため語らざるを得ないでしょう。

 上のNEWS PICKSではなんかえらそうな先生方が私の記事についてあれこれ論評していますが、一見して私が感じたこととしてはなんか論点がずれたことを言う人が多いということでした。そもそも私は元の記事でアベノミクスについては一切触れておらず、あくまで金融緩和による投資促進効果はほとんどなく、むしろ資金の海外流出を招いている要素があるとだけ指摘したつもりでしたが、なんか記事を批判する方々は、「こいつはアベノミクスが失敗だと言っている!」という論調が多く、設備投資については何で触れないのかなというのが不思議に感じました。
 っていうか、真面目に全部読んでないのでは?「金融緩和」、「失敗」という見出しの単語だけ見て文句言われてるような気がしてなりません。

 その上で、現行の日銀政策とアベノミクスが成功していると主張する方々はその根拠をいろいろ挙げている中、強く違和感を感じたのは「アベノミクスで求人倍率は上昇し続けている」という意見でした。前々からこの求人倍率についてはどうして誰も指摘しないのか不思議でしたが、誇張ではなく本気で真面目に、この数字が上昇しているという意味について誰も違和感を感じないのでしょうか。自分だけがおかしいのか、日本にはまともな分析人材がいないのか、あまりうれしくない二者択一な気すらします。

求人倍率 バブル期超え 4月1.48倍、43年ぶり水準 (日経新聞)

 上のJBpressでは丁寧に書いたから上記のような反応が来たのかもしれず、中途半端に相手するのが良くないのかと思うので必要最低限で書くと、求人倍率がバブル期越えだというがなら何故バブル期並みに賃金は上昇しないのかと考えないのはおかしくないかと言いたいわけです。理由は言うのも馬鹿馬鹿しいですがで事業拡大に当たって人が足りないのではなく、今ある現状を維持するのにすら人(労働力)が足りていないからで、今の状態は景気がいいというより崖っぷちで労働力不足が経済の足を引っ張っていることを示すデータでしょう。
 もちろん失業者が世の中にあぶれるよりかは社会的にはいいでしょうが、この状態が続いても景気や経済や賃金は良くならず、むしろ求人倍率は今後も高まり続けて結構笑える事態になると予言します。多分その頃には、「雇用のミスマッチ」という単語で現状が糊塗されていることでしょう。このデータを見て経済が良くなっているとみるのは、まぁあれというか危険じゃないかってことです。

 皮肉な言い方をすると、狂人は一人でいいでしょう。今の日本が日本なら、自分はそれで構いません。

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