先日、最近炭水化物ダイエットに取り組んでいるツッコミの鋭い後輩と食事中に共通の知人について私が「あの人は地に足がついていないから」といったところ、「花園さんがそれいいます?」とまたすぐ突っ込まれました(´;ω;`)
話は本題に入りますが、既に投票は終わりましたが今月の文芸春秋では総選挙特集が組まれており、その中には作家の橘玲氏も寄稿した記事も入っています。内容はほの一般的なライターと違ってやや斜めな視点で各種選挙要因を分析していて面白く、中でも年代別の政党に対する意識の分析は見事だと思いますが。
その分析は具体的にどのようなものかというと、一言で言えば「共産党は熟年層では革新、若年層では保守とみられている」というものです。
現実的な目線で見るならば、この場合は若年層の見方の方が正しいと言って間違いありません。もはや滅亡状態にある社民党を除けば、結党当初からの護憲を叫び続けているのは共産党です。一方、憲法改正はもとより各種新規政策の導入に意欲的な自民党については若年層は革新、熟年層は保守という風に見ており、こちらも言葉通りに解釈するならば、やはり若年層の見方の方が正しいでしょう。
では何故、実際に主張としては完全な保守である共産党を熟年層は革新勢力とみなすのか。結論から言えば「昔からそういい続けてきたから」というのが大きいように思え、いわば、「保守は自民、革新は社民、共産」という価値観に固まったまま動いていないだけでしょう。その上で共産党を支持する熟年層は、自らを革新勢力と考えているかもしれませんが実際には既得権益維持を目指す保守なのかもしれません。
また、同じ記事では若年層の政治意識について明確に、「自民への支持意識が高い」と指摘しています。理由は何故かというと、若年層からしたら政治に期待することは自らの就職が最も強く、近年の実体はともかくとしてアベノミクスによる求人増加は彼らの願望に適っており、むしろ他の政党に政権を引き渡すことで雇用が不安定化することを恐れていると分析しています。
この分析については私も完全に同感で、またどこかは忘れましたが選挙中にも全く同じ指摘をする記事が出ており、若年層は上記の理由から「革新=自民」を応援していて、SEALDsなどはむしろ少数派でしょう。こうした若者の自民支持について以前はネット右翼などという言葉とともに若者の意識の右傾化と説明する人が多くいましたが、実態としては経済的な損得勘定の方が大きかったとみるべきでしょう。
以前、っていうかこのブログを始めた当初私は、「もはや右翼、左翼という対立構造は現代では成立しない」と主張し、あれから数年、っていうかもう10年経っていますがむしろあの時より現代の方がこうした傾向は強まってきています。今回の選挙にしたって共産と自民であれば保守対革新という構図はまだ通じますが、他の野党と自民であれば争点らしい政治的主張はほとんどなく、どっちかと言えば暴言で問題となった豊田真由子議員(他を差し置いて落選速報がもう出てる)など、議員個人の人格が信用できるかどうかの方が政治的主張や観念よりも重きが置かれた選挙だったような気がします。
小池都知事率いる希望の党も当初でこそ争点を作ろうと、小泉元首相と会った上で「反原発」を掲げましたが、それ以外の政策はほぼ無きに等しく、昨日の記事に書いたように自民も希望も立憲も「子供手当は拡充する」という、全会一致なら早くやれよと言いたくなるような争いのない選挙だった気がします。なもんだから希望と立憲は安倍首相の人格批判、自民と立憲は小池都知事の人格批判をやってただけにも見え、なんていうか「このハゲー」的に不毛でした。いっそのこと、「不毛選挙」と呼んでもありかもしれません。
それにしても豊田議員については選挙中もしょっちゅう取り上げられていて、あの発言のインパクトはやはり凄かったのだと再確認させられました。今年の流行語に「忖度」ともども確実に入ると思いますが、授賞式には来てくれるのだろうか?
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