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2018年1月11日木曜日

日東電工の中国蘇州工場に関する騒動について

 結論から書くと、日系メディアはほとんど報じていませんが今中国では日東電工の蘇州工場が何やら騒がしくなっています。最初に書いとくと、取材もしてないので報道以上の内容は私もわかりません。

中国江蘇省の日東電工工場で従業員デモ(時事通信)

 今週初めから突然従業員に対し工場を閉鎖するため雇止め(解雇)を申し渡したとして、これに反発した従業員がデモを起こしたとこっちでは報じられています。しかしこの件について日東電工本社は、これまでのところ何の発表もしていません。
 奇妙なのは日東電工は黙して語らないのに、何故か中国商務部(経済産業省のような省庁)がこの件に関して言及していることです。報道官によると、日東電工は一部部門の事業譲渡を行うだけで蘇州工場は存続するとのことですが、具体的にどこへ譲渡するのか、日東電工の他の系列会社なのか無関係な会社なのか、日系なのか中国系なのかについては何も語っていません。

 また一番よく取材できてると思う澎湃新聞の記事では、直接現地の工場に行っていろいろ書いています。この記事によると同工場ではプリント基板と液晶用偏光板を生産しているとのことで、今回槍玉に挙がっているのは偏光板部門だそうです。この分野で日東電工は世界トップシェアを持っており、記事ではそれだけに一体何故このまま生産を続けないのかと疑問を投げかけています。私自身も、液晶の世界最大の消費市場である中国の工場なのだから、事業譲渡や事業再編のどちらであるとしても実行する必要性について何故なのかという疑問がもたげます。

 現場の状況としては偏光板部門らしき工場棟こそ閉まっていたものの、プリント基板部門の従業員は普通に勤務しており、出入りも自由な感じだったそうです。今週初めに出た記事では「恥知らずの小日本、従業員をだますな!」的なでかい横断幕とともに入り口付近に多くの従業員がたむろする写真が出ていたのですが、こうしたデモは最初の時事通信の報道通りに既に終息済みだと思われます。
 事業部門の譲渡に伴い解雇される従業員についてもこの記事では書かれてあり、当日に退職手続きを行った従業員にも話を聞いています。対象となる従業員には通常以上の退職金が提示されており、納得した人間は既にサインしているものの、リストを見る限りではまだ多くの従業員は応じていないそうです。

 あと気になることとしては労働保障局関係者が、持分譲渡交渉がまだ完了していない、と話していることが報じられています。この持分というのはこの工場、つまり日東電工(蘇州)有限公司の持分だと思われ、その譲渡を巡って交渉が行われているとのことになります。しかも上の関係者の話が事実であれば、交渉が完了していないにもかかわらず従業員の整理手続きが始まっているということにもなり、やはりこの動きには奇妙さを感じます。仮に系列会社同士の事業再編であれば、果たしてこうなるのかなと不思議に思えてなりません。
 まぁ澎湃新聞によるとさ、偏光板の生産設備は日東電工の新しい深圳工場に移して、残ったプリント基板部門は同業大手の日本メクトロンの、同じ蘇州の工業園区にある生産会社へ売る方針だと従業員らが話しているそうです。よく調べてるよなぁここの記者。
 報道が真実となるかどうかは今後のお楽しみですが、現状としては確かに怪しさ満点の動きをしていることは間違いありません。そして旧正月を目前に控えていきなり解雇通知っていうのも、もう少し考えてあげてほしいなと一個人としては思います。

2 件のコメント:

  1. 日東電工は中国の企業に買収されるのでしょうか?
    アリババ社とか?

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    1.  アリババなら買えるけど日本政府が許さない。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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