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2018年12月18日火曜日

ハリウッドの黒人男優らについて

 ハリウッド映画における黒人俳優を敢えて言い表すなら、代表的マイノリティとするべきなのかなと個人的に思っています。人種的、配役的にはマイノリティに属すものの、現実としては日本人を含むアジア系や中東系の人種と比べれば人数、配役ともに恵まれており、ハリウッド映画において優秀な俳優を供給し続けています。

 そんな黒人俳優、特に男優についてですが、以前と比べればややその傾向ハウス待って来たかなとは思うものの、私が子供だった頃から黒人男優と言ったら「面白黒人」とも言うべきポジションが多く、具体的には「おしゃべり」、「冗談好き」、「でかい」の三拍子が揃っているのがお約束でした。なお戦争映画ではたまに寡黙な黒人俳優も出てきますが、大体がどれも上記の三拍子が揃ってて、あとでかくて画面映えすることから割と善戦して倒れるようなキャラも多かったような。
 そうした「面白黒人」というポジションはいつから確立したのかと言われれば定かではありませんが、個人的にその代表格として多くの人間に認知されているのは間違いなく、「ビバリーヒルズコップ」等で有名なエディ・マーフィーでしょう。コメディアン出身という背景に加え、徐々にキャリアの中で演技力を高めていったことから代表的黒人俳優として認知されており、私の中でもハリウッド映画における黒人俳優のポジションを固めた最大の人物だとみています。

 そんなエディ・マーフィーに、「あいつは42歳でブレイクしたんだぜ」と、かつて自分が主演する映画に端役として出演していながら、現在は自分を大きく上回るようになった相手への高度な皮肉を吐かせたのは、サミュエル・L・ジャクソンです。エディ・マーフィーの言う通りにキャリアとしてはかなりの遅咲きですが、現在国人男優の中でもキャリア、ギャラ等の面で最高峰にいるのは間違いなくこの人でしょう。
 主な出演としては「スターウォーズ」のメイス・ウィンドウや「アベンジャーズ」のニック・フューリー等ですが、どれも威厳のある大物感があるキャラばかりで、実際にその表情、特に眼力は画面的にも印象が強く、演技力も申し分ないことから現在の地位にも深く納得します。個人的には、「パルプフィクション」で演じたギャング役のセリフの言い回しが一番好きですが。

 そんな上記の二人とはやや趣が異なり、どちらかと言えば前線よりも後ろから暖かく見守る系の大物国人男優としてはモーガン・フリーマンがいます。多くの出演作の中でも個人的に一番印象が強いのは「セブン」でブラッド・ピットと組む定年間際の刑事役ですが、黒人キャラは割と荒々しいキャラが多い中、非常に知的なその演技はなかなか他の人では見られません。

 以上の三人が私が見る中で最大級の黒人大御所俳優三人衆ですが、これに次ぐスターに挙がってくるのはウィル・スミスでしょう。この人は「メン・イン・ブラック」などのキャリア序盤でこそ典型的な面白黒人でしたが、近年は重厚感のある演技もできるようになり、何より度の出演作でもヒットを飛ばすというのは実力の賜物でしょう。
 そんなウィル・スミスからやや遅れてブレイクしてきたものの、現在は「アベンジャーズ」のジェームズ・ローズ役でお子様の間でもすっかり有名となってきたのがドン・チードルです。この人はどの映画でもあまり面白黒人っぽいキャラは見せず、むしろなんでか知らないけどやたら忍耐を求められ顔全体で大汗かくようなキャラばかり演じている気がします。特に「ホテル・ルワンダ」の主演では、汗かいてないシーンなんてないんじゃないかっていうくらいでしたが、逆を言えばそういう緊迫感を伴う中で責任感を示す俳優と言ったら今この人が一番ではないかとすら思わせられます。

 同じく、「アベンジャーズ」出演組だとブラック・パンサー役のチャドウィック・ボーズマンがいます。この人の場合は何気にアベンジャーズに出る前の、米メジャーリーグ史上初の黒人選手であるジャッキー・ロビンソンを描いた「42」も観ていますが、この映画の時点で類まれな演技力と画面映えする仕草から売れるだろうなという感触を覚えていました。ブラック・パンサーではまだ若さ故の暴走っぽいシーンをよく見せられはしますが、42での演技は先のドン・チードル同様に忍耐を誇示する場面が多く、なんとなくですがこの辺りから黒人ときたら「面白黒人」というものではなく、「我慢に我慢を重ね責任を果たす」というような忍耐系のキャラが増えてきたように思えました。近年の黒人キャラの描かれ方も、なんとなくそういうのが増えてきているような気がするし。

 このほか有名どころを挙げると、「ラッシュ・アワー」シリーズのクリス・タッカーは一時期めっちゃビッグになってましたが、最近はなんか見ないなと思ってたら全然映画に出演していなかったようです。なぜやろう。
 あとダニー・グレッグという「プレデター2」で主演を演じた人もいますが、この人は後に「ソウ」という有名ホラー(スプラッター?)映画でもプレデターの時みたいに刑事役を演じてますが、こちらでは犯人のジグソウの罠にかかって相棒同様にあっさりやられちゃいます。このシーンは見ていて、「なんでプレデターには勝てるのにジグソウなんかに負けちゃうんだよ」と、個人的にやや不満でした。

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