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2019年1月25日金曜日

The bad news flood of SUBARU

 見出しは最初、「スバルはどうした?」とかにしようかと思いましたが、なんか週刊誌の見出しっぽい感じがしたので……今書いてたら部屋の壁にコオロギ張り付いていることに気が付いたので、塵取りで外に追い出しました。


 そんなわけでスバルですが、なんか堰を切ったかのようにバッドニュースが一斉に溢れ出ています。上記記事は朝日新聞が23日に報じた内容ですが、当日この記事を見て大いに唸らされ、「さすがはスクープの朝日か」と非常に感心させられました。
 何故かというと記事自体は23日に出ているものの、16日からスバルの群馬工場が停産しているという事実をどこよりも早く報じているからです。尚且つパワーステアリングの不具合という停産理由も突き止めており、恐らくは停産自体はもっと早くに掴んでいたものの、裏付けをきちんととった上で報じたのではないかと見ます。この朝日の報道を受けて他のメディアも一斉に後追いしましたが、新規に出てきた情報というのも私が見る限りでは問題となったパワステは日立製だという日系の報道ぐらいで、それくらいこの朝日の第一報の時点で報道が完成されていたということです。

 ちなみに余談を挟むと、自動車メーカーは基本、工場の停産情報は発表しませんし、取材で聞かれたとしても濁して認めようとはしません。私も2012年の反日デモの際にトヨタの中国工場が停産しているという情報を得てトヨタ広報部に確認しましたが、「常に需要に応じて工場の稼働率は流動的に変動するものであり、現在もそのような方針で運営している。個別の状況については流動的過ぎるので答えられない」という回答で、記事にできませんでした。
 さすがにこの返答をそのまま持ち帰ると編集長にどやされることはわかっていたので、なんとか同年度の目標販売台数の達成の見込みはどうなったかと絞り出して、「いや、さすがにこの状況では厳しいだろう」という一言をもぎ取って記事は仕立てることが出来ましたが。

 話は戻しますが、この停産ニュース自体、原因がパワステで尚且つ未だ原因がはっきりしないから停産という事実から見て実質的にリコール案件という大きなものです。これだけでも十分なのになんか相前後してスバルでは悪いニュースが立て続けに出ており、具体的には以下のニュースです。


 上司のパワハラで社員が自殺しており、事件化したことで当局が査察したら残業代未払いがばれるという芋づる式な内容となっています。また昨年を振り返ると、スバルは日産同様に検査不正事件も起こしています。
 この検査不正事件について自動車業界誌のベストカーはスバルを擁護する特集記事まで出して、「スバルは真面目過ぎるから完成車検査不正が起きたのだ」と結論付けていましたが、その後対策を終えたと発表したスバルは再び品質検査不正事件を起こしており、しかもその内容は長期的且つ組織だった不正で擁護のしようの無い内容でした。言っては何ですが、ベストカーのメンツを思い切り潰したというか、ベストカーが擁護し過ぎたというべきか。

 ただベストカーに限らず、自動車業界関係者に話を聞くとスバルの姿勢を誉める人は明らかに多いです。自分の知り合いも、「真面目な会社ですよあそこは」と話し、検査不正事件についても批判的に見てはいませんでした。

 私自身、割とスバル車は好きというか初代のGC型インプレッサは好きな車トップ5(1位ストーリア、2位FTO、3位R34型GTR)に確実に入ります。なおどうでもいいですが、この前会社が親子デーで、職場を見せるため子連れでやってくる社員が多かった中、私がデスクに置いてあるR34GTRのプラモに目を付けた男の子がこれを触りまくってめっちゃはらはらしました。意外と丈夫に作ってたのか、壊されることがなくホッとしましたが。
 もっかい繰り返しますがスバル車は割と好きですが、今回のニュース、特にパワハラと残業代に関しては正直、「やっぱり」という印象を覚えました。というのもスバル系列のサプライヤーには異常なブラック企業が明らかに多いからです。

 具体名は明かしませんがある1次サプライヤーに関しては、社員があまりのブラックっぷりに退職を申し出たところ、「お前の前に辞めたい奴が3人つっかえてるから今は無理だ」というわけのわからない返答が返ってきて、辞めさせてもらえなかったそうです。
 こんな具合に割と想像を超えるブラック企業がスバルの周辺にはおり、多くのブラック企業をサプライヤーに抱えている、つまり下請けのそうした違法な労働行為を実質黙認しているだけに、スバル自体もそうした風土があるのではないかと前から見ていました。今回のニュースで報じられた未払残業代は7.7億円ですが、これは直近2年間の金額に過ぎず、今後さらに遡って調査が進めば倍の金額にまでは確実に跳ね上がるだろうと私は見ています。

 このところスバルは米国市場などで絶好調でしたが、だからこそ規模の拡大に追いつけずこういう問題が頻出したとみることもできます。逆を言えば経営の対応が悪い、特に2回目の検査不正に関しては省みる大きなチャンスが1回目の発覚時にあったにもかかわらず起こしてしまっただけに、内部統制面が惰弱な経営としか言いようがありません。まぁそれを言ったら三菱はどうなのかって話ですが。

 私自身は先ほどにも述べた通り、スバルの労働環境はどうなっているのかが非常に気になっています。今のところ報道されている自殺者は一人ですが、本当にこの人だけなのか、もっといるのではないかという懸念が強くあるとともに、パワハラなどの問題行為も発覚してないだけではないかとも疑っています。それだけに、スバル本体のみならず先ほど挙げた問題あるサプライヤーを含め、今後労働管理をきちんと行えるかが割と見物な気がします。
 まぁこうは言うけど、こういうのって立て続けに悪いニュースがガンガン出てくるから、来月あたりにもまたなんか出るのではっていう気がしてならないのですが。

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