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2019年4月24日水曜日

隙間なき日本のマンション敷地

 今回日本に滞在していて改めて感じたこととして、マンション、特に築年数が浅い新築のものほど敷き詰めた設計をしているなと強く思いました。具体的にいうと敷地内目いっぱいに立体駐車場を含めた建物を建てており、空余地的な共有空間がほぼまったくないといったマンションです。はっきり言えばあまり住みたくはないと思うようなマンションです。
 空余地がないとどうなるかというと、まず第一に窓から眺めた景観が悪くなります。これは高層階ならまだカバー効くかもしれませんが、近くに同じような余裕のないマンションがあると低層階同様の結果となるでしょう。次に、こっちのほうが影響大きいかもしれませんが日当たりが確実に悪くなり、特に低層階は近くに同じようなマンションあると本当にごく短い時間しか日差しを期待できなくなるでしょう。

 なんとはなくですが、やはりデベロッパー側も余裕がないからこういうマンションをバンバン建てているのかなと推測しています。敷地目いっぱいに建物を置くことで1戸当たり部屋面積、戸数は稼げるというメリットはありますが、住心地という点では確実に低下するでしょう。ましてや、こういったマンションが最近バンバン立っていることから、どこもかしこも空余地のないマンションばかりが立ち並ぶ都市風景が広がりつつ有り、都市全体でみてもそれが見えづらく、あまり住んでて楽しくない世界が広がる気がします。この辺は中国とか香港いて普段から強く感じていますが。

 不思議なのは日本全体で人口が減っているにもかかわらず、こういった余裕のない設計をしたマンションが増えていることです。もう少しくらい満足度を高めるような設計をしてもいいのではと思うのですが、敷地を目一杯使うために建物の向きが道路などに合わせられず変に斜め向いたものとか見ると、時代に逆行しているような感じもします。
 やはり空余地があるかないかでは住環境は全然変わる上、街中でも敷き詰められた建物が並んでいるといくらか圧迫感を覚えます。

 すこし論点が変わりますが、近年はいわゆるタワマンことタワーマンションの売れ行きが伸びていますが、この背景としては相続税対策もあります。タワマン高層階は価格が下落しにくいことから、死ぬ間際の資産家が購入して、持ち家登録することで通常より割安な相続税で近親者に相続することができます。
 このためタワマンの活発な売れ行きは相続税対策という一面も持っているのですが、こうした事由、実際にはほとんど住まずに財テクとして用いられることが多いということも敷き詰められた設計での高層マンション続出に拍車をかけているのではとうがっています。

 なお上記のタワマン相続ですが、実行できるのは高所得の資産家に限られて且つそのメリットも非常に大きいことから高所得者優遇との見方もあり、規制すべきではないかという意見も聞かれます。私としては相続税に関してはどうでもいいですが、これほど敷き詰めた設計の高層マンションが増え続けると都市全体の住心地を低下させる恐れが高いと思うだけに、規制されるならされたほうがいいのではと考えています。

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