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2019年8月18日日曜日

日韓外交の落とし所


 このところずっと悪化し続けている日韓外交関係ですが、一部の人間から安倍首相の外交方針について、「悪化させるだけ悪化させて、落とし所を用意していない」という批判が見られます。これは具体的にどういうことかと言うと、圧力をかけて相手に譲歩を促すとしたら、相手が受け入れられやすいポイント(落とし所)を用意して置かなければならないのに、そうした余地が全く見られずこのまま行ってもずっと悪化するだけで何の進展もない、というような見解だと思われます。ただ一方的に譲歩などを要求するだけでなく、こちらも「こうしてくれたらこうしてあげるよ」的な態度や提案が必要と言いたいのでしょう。
 私個人の見解では、もうそういう段階ではなく、このまま距離を置くのが何よりです。

 色々意見はあるでしょうが、昨年からの韓国の対日外交は日韓基本条約を根底から否定する行為以外の何物でもなく、慰安婦財団の一方的解散を含め、条約など外交的約束の拘束力はもはや期待できません。先日にも書きましたが、何故国家間で約束を結ぶのかと言うと、約束事を互いにきちんと履行することが前提になります。しかしあらゆる、それも根底的な約束事を果たさない相手に対しては約束を結ぶという行為自体が不毛であり、はっきり言えば結ばないほうがずっとマシでしょう。

 とは言え、貿易取引や人的交流を始め近距離にあることからこういった関わりを完全に排除することは出来ないし、そのような行為もするべきではありません。となればどうするかと言ったら、こうした最低限の交流に関しては向こうの出方に気をつけつつも最低限の範囲で付き合い、それ以外に関してはなるべく関わらないようにすることが無難です。三菱重工などへの徴用工賠償判決を考慮するとこうした経済交流も十分危ういこともあり、最低限の部分だけ付き合い、必要以上の部分に関しては徐々に距離をおいて、関わらないようにするほうが日韓にとってはいいのではないかとすら私には思います。

 特に距離を置くべき部分としては、やはり軍事協力面でしょう。レーザー照射問題とその後の韓国の対応を考えると、韓国との軍事協力はむしろ自衛隊や日本の国防を危険に晒す可能性があり、内心、機密情報遅漏にもつながるのではないかという懸念すらあります。米国の手前、勝手に日本で話をすすめるわけにも行きませんが、GSOMIAも韓国が破棄するならもうそれでいいんじゃないかという気がします。ミサイル情報の分析も、日本側の分析のほうがしっかりしていると聞きますし。

 その上で最初の日本外交への批判に戻すと、落とし所なんて最初から探していないのではないかというのが私の見方です。日本政府も基本的な外交条件の履行を韓国に求めていると言うよりかはもはや諦めに近いような感情を持っているように見え、国交断絶するわけには行かないまでもともかく韓国とは距離を置く、少なくともムンジェイン政権が終わるまではもうなるべく関わらないようにするような方針を取っているように見えます。そういう意味では落とし所云々言ってる時点でお門違いな気がして、こうした批判をする人に対しては何を持って交渉して落とそうとして言う構想があるのか、逆に聞きたいです。

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