昨日の報道で確かみたつもりですが、今回のコロナウイルスが与える経済影響は2008年のリーマンショック(世界的には「金融危機」と表記。「リーマン」とつくのは日本だけ)ほどではないと麻生財務大臣が言ったことですが、まぁ所詮は麻生の言うことで何の意味もないでしょう。結論から言えば、リーマン以上の影響になると私自身は思っています。こう考える根拠はただ一つ、リーマンと違って現実の人や物の移動がウイルス流行によって完全にストップしたからです。
リーマンの時は金融が大きな負債を抱えて金の巡りが悪くなり、それにより資金繰りが悪化してそれまで黒字だった資産を売却するようになって、また中小企業が潰れていったりして生産消費活動が滞っていくようにして、徐々にその影響が広がっていきました。
一方、今回のコロナでは金融から現実経済へ徐々に影響が波及していったのではなく、いきなり現実の経済活動がストップしました。最初に影響を受けたのは旅行や観光業、次に客が来なくなった飲食や小売業、その後工場の生産稼働が止まってサプライチェーンが寸断された製造業と物流業という感じで影響が広がっていきました。この後は言わずもがなですが、現在は巡り巡って金融業が大打撃を受けており、この流れは見てわかる通り、リーマンとはまるで逆です。リーマンの時は金融という、ある意味川上の最上部から影響が広がりましたが、今回のコロナはそれとは真逆に川下も川下の、最末端の現場から遡上するように川上へと影響が広がっていきました。
この川上と川下の流れですが、どちらがその影響を食い止めやすいかと言ったら私の見方としては断然川上です。というのも川上であれば、そのまま水の流れで例えるとしたら水量が減ったとたとえられ、減った分だけ水をどっかから汲んで流すことで川下への影響を減らすことができます。この水汲みはそのまま政府などによる財政出動で、実際にあちこちの国でゼロ金利政策が取られるなどして資金を市場に大量に流通させることでリーマンの影響を克服しました。
中国なんかその典型で、すぐさま100兆円くらいボンと放り込んでましたし。
一方、今回の場合は何度も言う通り川下からの影響です。楽観的シナリオで言えばこのウイルス禍は今年だけで夏には終息するという見方ですが、個人的な見方で言うと、ワクチンなどの完成、量産といった治療法の確立まで一程度の時間を要することから、最低でも来年冬も一部地域で一定度流行するのではと私は見ています。仮にそうであれば来年冬も世界各地で防疫対策のために外出抑制や隔離措置等が取られることを意味し、今年ほどでなくても同じようなインパクトが来ると言えます。
このように実際の現場での経済活動がストップすることによって、例え融資が保障されていたとしても飲食店などでは客が来なければ売り上げは増えず、そのほかの運営コストだけがどんどん嵩んでいく行く一方です。融資によって運営を維持したとしてもその後客が戻ってきて返済するほどの売上げが立てられるかと言ったら可能性は高くなく、前述の通り来年にも同じようなインパクトが来ると予想するなら、経営を維持したところで借金が増えるだけで終わる可能性もあります。
何が言いたいのかというと、財政出動や金利抑制によって融資を増やしたところで、川下からの経済活動ストップにはそこまで効果を発揮できないのではということです。じゃあどうすればいいのかって、外出しなくても経済活動が回るようライフスタイルそのものを変えるしかないのではというのが正直な見方です。具体的には食品ケータリング、オンライン教育、リモートオフィスの普及促進ですが、まぁどうなることやら。
そもそも財政出動しようにも金融にも影響が広がっている中ではファンドなどの融資機関も資金がショートし始めるわけで、恐らく日本では今後、完全な意味での国有企業が増えてく気がします。まぁそれも時代の趨勢かなと思って、いちいち批判とかする気もしませんが。
コロナウイルスのおかげで「働き方改革」は進みましたね。政府がオリンピックのために時差出勤やテレワークをやれと言っても全然進まなかったのに、この1ヶ月で一気に浸透しましたから。
返信削除経済活動も、労働人口が経るのだから規模を小さくすればいいだけなのに、規模を維持しようとして外国人を雇ったり女性を働かせたりしようとしていましたが、これで必然的に小さくせざるを得なくなるかもしれないなぁと思ったりもします。
日本は仕組みをなかなか変えようとしない国ですが、非常時になると急に変える国でもあるので、結果的にはこれが大きな契機にはなりそうです。
コロナ対策ってことにすればあらゆる無駄な会議や会食を辞められているのがほんと笑えます。
おっしゃる通りで働き方改革にはコロナは大きく貢献していますね。あとは上手く定着するかどうかですが。
削除会議や会食といった無駄な催し物が減って何よりではあるのですが、残業させずすぐ帰らせるため、自分の会社では夜食の配給が止まってしまい密かに涙目となっています(´;ω;`)ウッ…