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2021年6月1日火曜日

ダンバインのようなラリーカー

 なんか急に思い出して先ほどからアニメ「聖戦士ダンバイン」関連の動画を見まくってます。なおこの手の動画だと「農耕士コンバイン」が珠玉です。

 ダンバイン自体はスパロボ経由で知りアニメは初めて地上に出るところまではビデオ借りてみてましたが、なんか途中で見なくなってそれきりとなってしまいました。そういうわけで知識はかなり中途半端な作品なのですが、この作品というか設定の上手いところは前半の主役機である「ダンバイン」に関する設定だと思います。
 そのダンバインはごく初期に作られたロボット兵器(オーラバトラー)なのですが、初期型なためにエンジンというか動力が搭乗者のオーラ力に大きく左右されるという特徴があります。そのためオーラ力が半端なかった主人公のショウ・ザマが乗ると無双の活躍をする一方、オーラ力がない搭乗者だったらてんで動かず、下手すりゃ起動すらできないという代物でした。

 この設定の妙は何かというと、最初から登場する初期の機体ながら続々と出てくる新型機にも性能で負けないという根拠となる点です。逆に他のロボットアニメだと、初期型の機体が新型機に負けないくらい互角に戦えるというのは普通におかしく、パイロットの腕がいいといっても限度があります。
 実際この辺は非常に残酷というか、どんだけ腕のいいパイロットでも機体性能で劣れば実際の空戦でもほぼ全く勝てないと言われます。逆を言えば、性能で劣る機体で撃ち落とすことが優秀なパイロットの証明となるのですが。

 なおオーラバトラーの話に戻ると、初期のダンバインがそうした特徴から一般兵だと乗りこなせない代物だったため、後に出てくる新型機には搭乗者のオーラ力を引き上げるオーラコンバーターが搭載されます。しかしその結果、搭乗者のオーラ力にあまり左右されなくなり、オーラ力の高い搭乗者が乗っても飛躍的に性能が高まるということもなくなり、先のダンバイン無双にまたつながってきます。

 さてこのダンバインの設定ですが、これを見ていて地味に「ランチアかな」と少し思いました。ランチアというのは言うまでもありませんがイタリアの自動車メーカーで、初期のWRCではまだ一般的でなかった4WD仕様のラリーカーを投入し、圧倒的実力で他車をねじ伏せ続けたラリーカーにおける名門ブランドです。
 ただ当時の4WDは技術的にも低く、高いトラクションによる加速力を確保できた一方、カーブ時に動力をタイヤごとに分散させて回頭をアシストするLSDのような装備はつけられていませんでした。その結果、他のFRやFF車と比べて直線ではバリ早い一方でカーブ性能が極端に低く、直線ですっ飛ばして曲がりかごで大きく減速して曲がり、また直線でぶっ飛ばすというイノシシみたいな車になってました。

 そうした走行性能であったことから、もうカーブの曲がりの良さはあきらめて、直線を一気に飛ばすだけのパワーだけ追い詰めた結果、出来上がったのがランチア・デルタS4です。
 この車がどういう車かというと、馬力が456~650PSに対し、車重はわずか890kgしかないという恐ろしいスペックの車です。
 一体これがどれほど恐ろしいのか比較対象として現行のR-35GTRと比べると、こっちは馬力が480~600PSであるのに対し、車重は大体1700kg前後です。つまり、GTRの約半分の重量で馬力はほぼ同等がその上を行くというのがデルタS4でした。ちなみに他の車種の車重は

アルト:610~740kg
ヤリス:940~1180kg
N-BOX:890~1030kg

 と言ったところで、イメージ的には軽自動車の車重でGTR並のパワーといったところでしょう。

 はっきり言ってスペック見るだけでも恐ろしさこの上ない車ですが、実際に扱いの非常に難しい車だったと言われ、レースにおいてドライバーが事故死するなど重大事故を何度も起こしています。ただ実際の戦闘力は非常に高かったとされ、文字通り乗り手によっては無双してのけることも可能だったそうです。
 そうした経歴を見るにつけ、乗り手によっては無双もするがまともに動かなくもなるというダンバインを見るにつけ、このデルタS4のことが頭をよぎります。じゃあダンバインの後継機であるビルバイン的なものは何かってなると、4WDの完全熟成という意味ではやはりインプレッサWRX STIが来ると思います。ランエボだと、オーラコンバーター(AYC-アクティブヨーコントロール)的にやはり敵役のオーラバトラーでしょう。

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