話は本題で、ゴルゴ13の単行本が今度で201巻となり、こち亀を追い抜くそうです。こち亀の記録も誰も破れないと思っていたら、あっさりと、しかも同じ日本の漫画に追い抜かれてなかなかすごいこっちゃと思います。と同時に、このコロナ時代においてゴルゴ13はどうやって生計を立てているのかが気になってきました。
コロナのせいで現在、ほぼすべての国で渡航制限が敷かれており、国境間の移動は非常に困難です。これはワールドワイドで働くゴルゴにとって極めて深刻な問題であり、海外で暗殺の依頼があって駆けつけることすらできません。よしんば移動できたとしても2週間の隔離生活はかなりのロスで、単純な業務処理量で言えば大幅ダウンは免れません。業務が業務なだけに、リモートワークもまず無理でしょうし。
対策としては、暗殺以来の多い国に滞在してその国の範囲で活動する、または暗殺以外の業務で食いつなぐしかないのではと考えたら、マジで後者になってました。
上記リンク先に書かれているように、なんか堺市のポスターに出演していたようです。何もこれに限らず、さいとうプロは結構安めのパテント量で素材使わせてくれるそうなのであちこちでゴルゴの絵が使われていますが、仕事とあらば褌を履くことをも厭わないキティーちゃん並に仕事選んでない気がします。
また外務省では以前に自分も取り上げた、海外安全対策の指導で出動しています。どうもコロナの時代において、暗殺以上にコロナ予防対策活動の仕事を増やしているようです。
なおその仕事についてですが、地味にゴルゴ13の作品を通してのテーマは「仕事に対する責任」じゃないのかと最近思います。金はいくらでもあるのに何故か命の危険のある仕事をゴルゴはやり続けており、時には依頼人が先に殺されることがあっても既に受けた依頼を完遂するなど、徹底した仕事意識を強く見せます。
今日の記事にも書いていましたが、ゴルゴはこの前コロナで初めて休載したことを除けば一切休載はなく、また締め切りも必ず守って提出されるそうです。こうした作者のさいとうたかを氏の仕事意識が作品に出されているのではないかと思います。
ついでに書くと、自分がさいとうたかを氏を凄いと感じたのはあるインタビュー記事で、漫画かデビュー間もないころに担当編集者に「どんな人が僕の漫画を読んでいるのですか?」と聞いたそうです。それに対し編集は、「そりゃ貸本屋に来る客だろ」としか答えなかったそうですが、昭和の中盤の時点で既に、顧客目線のマーケティングを意識していたそうです。
日本の漫画の開拓者は手塚治虫、白土三平氏、水木しげるなどですが、こと漫画家という仕事方式であれば分業制による量産体制を確立させたさいとうたかを氏こそがオリジネーターであるでしょう。そういう意味では案外、数百年後も日本文化史ににおいて「ゴルゴ13の作者」として語り継がれているかもしれません。
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