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2021年11月3日水曜日

元SEALDsへの朝日のインタビュー記事への違和感

元SEALDsが思う、今の政治との距離 「若者も、もがいている」(朝日新聞)

 ちょっと古いニュースですが一目見て何これと思ったのでずっと記憶に残していました。
 この記事は見出しでわかる通りに安保関連法案の審議中に無駄に騒いでいたシールズという学生反対団体に所属していた方へのインタビュー記事ですが、一体何を考えて朝日はこんな記事を出したのか、一目見て正気を疑いました。一体なんでそんな風に感じたのかというと、元シールズのこの女性に対し、安保関連法案について何一つ聞いていないからです。

 敢えて例えるなら、ラーメン屋(自民党)のラーメン(安保関連法案)がマズイと過去に散々文句言っていたクレーマー(シールズ)に対し、最近のチャーハン(SNS)についてどう思うかと聞いているような具合です。なんでラーメンについて一切触れずにひたすらチャーハンについて聞いてんだよこのボケ!と言いたくなるような内容です。
 もし自分がデスクでこの原稿を部下が持ってきたら、絶対に紙面には載せません。政治とSNSについては別にシールズじゃなくても聞ける話題ですし、なんだったら自称ネトウヨのような人へのインタビューの方がむしろ価値が出るトピックです。でもって書いてきた奴には「森へお帰り」と言って、窓開けるくらいはします。

 やはり元シールズという相手へのインタビューであれば、審議当時を振り返る話でもいいですが、それ以上に現在においてあの活動に意味はあったのか、また年数が経過した今の状態で安保関連法をどう思うかくらいは最低限、聞くべきでしょう。まぁ聞いたところで、十中八九「興味ない」、「わからない」としか答えないでしょうが、それはそれで意味があるし報道する価値ある発言だと私は思います。
 当時のブログ記事にも書いていますが、シールズに参加していた人は9割超は安保関連法案の中身を一切把握していなかったでしょう。彼らの発言どころか当時の報道を見ていても中身については誰も一切触れずに、「安保」という言葉だけが独り歩きして安保に対し是か非かしか言っていませんでした。当時自分は専門的に解説している人のサイトなど見て、正直自分も完全に把握しているとはいいがたい立場ですが、やっぱ言い合っている連中に深い理解の溝があると強く感じていました。

 話を戻すと、安保関連法案について一切聞かずに政治とSNSについて若者に聞いているだけの記事ですが、見出しにシールズってついていることは、ぶっちゃけそれ以外価値がないってことを言っているようなもんでしょう。別にインタビューに答えた女性を悪く言うつもりはありませんが、元シールズでなければあなたの発言は誰も取り上げないし見ないということくらいは最低限自覚しているはずでしょう。自覚がないのならそれまでですが、私だったらこの内容のインタビューを紙面に載せるってんなら、「別に元シールズって書かなくていいよな」って相手に言います。それくらいの恥は理解しているつもりです。

 その上で朝日の政治記者については、本気で頭大丈夫かと心配になってきます。上に書いている通り自分が編集に携わってたら絶対こんな記事載せないし、出してきた奴殴ってます。それくらい異常さを感じる記事です。
 大手紙の政治記事はこの10年間でびっくりするくらい質が悪くなっており、今やスクープなら文春、解説なら西日本新聞が一番よくなっており、逆に大手紙の記事は読んでてかえって情勢を見誤らせるようなミスリードさせる記事が多いです。こんな記事がしれっと出る辺り、少なくとも朝日の政治部の記者の凋落は未だ止まってないなという印象があります。

 前にも書いたけど、検事長が賭け麻雀をやっているという最高のネタを目の前で見ながら報じようとしない、記者にあるまじき人間を飼ってる辺り、社員教育できてないんだなと思えてなりません。

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