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2022年7月10日日曜日

安倍元総理銃撃事件はテロか?

 今日の上海は日中の気温が40度を超え、本当に生命の危機を感じるような暑さでした。自宅の電気代がもったいないのと、このところの激務の疲れを癒すためにも午前中に仕事した後で極楽湯に行きましたが、正直湯の中に使ってる方が外で立ってるより体感温度的に楽な感じがしました。


 さて本題ですが結論から述べると上の記事にある姜尚中氏の意見に全く同感で、自分の言いたいことをきちんと言ってくれたという胸のすく思いがします。逆を言えば、他の人は何故同じことを言わないのかという点で、メディアを中心に疑問を覚えます。

 報道されている限り、今回の安倍元総理銃撃事件の犯人は動機について、かつて母親が特定宗教にハマって家庭崩壊したことを恨んでおり、安倍元総理がその宗教の関係者と考え襲撃したと話しているようです。安倍元総理に宗教、それもトラブルと言ったら実質的に統一教会しかほぼ出てこないのですが、事件や選挙の影響を考えてかメディアは当初はこの統一教会の名前を出しませんでしたが、週刊誌メディアが報じてからは段々と活字にするようになってきました。
 こういう横並びなところが、日本のメディアの本当に悪いところだと思う。

 話を戻しますが、犯人はあくまでその宗教絡みの恨みで政治的信条による犯行ではないと述べており、また犯人の少年時代を知る関係者らも宗教トラブルについて言及していることから、動機については犯人が話している通りでほぼ間違いないと思われます。仮にその通りであった場合、今回の反抗理由はあくまで宗教団体及びその関係者らへの怨恨であり、何かしらの政治的信条に根差した(=個人への恨みはない)テロとは一線を画すべき事件だと思います。むしろこの事件をテロと呼ぶことは、本質を見失ってしまいかねない見方であるようにも思います。

 極端な例えを使うと、ある政治的要人に見捨てられた元愛人が恨みに感じて、その要人を刺殺した場合、それを「テロ」と呼ぶかといったら呼ぶわけありません。むしろそんな言い方をしようものなら、愚かこの上ない人間だと言われても仕方ないでしょう。
 ここまで極端ではなく、また今回は選挙戦の最中であったということはありますが、若干逆恨みによるものではあるものの、あくまでその犯行は怨恨に根差す行為であり、政治・思想的目的は何もはらんでいないとみられます。要人が殺されることすべてをテロと定義するのは、やはり強引な見方でしょう。

 むしろ、過去の歴史を振り返ると本当に些細な理由での殺人や破壊事件を「テロ」と定義し、特定集団の弾圧や支配の強化の口実に使われた例は多数あります。実際のテロ事件とかならテロ判事抑止のためそうした統制強化はまだ理解できなくもないですが、何でもかんでもテロと定義する、社会の統制を無駄に強めるきっかけにもなりかねないだけに、今回の銃撃事件に関してはテロと報じるのは正直どうかという思いがします。

 もっとも、仮に犯人が統一教会から過去に何も被害を被っておらず、ネットで邪悪な宗教だと言われているのを見て信じ、今回の犯行のような攻撃をした場合は、テロ行為になるのかなとは思います。この辺、自分でもやや細かいこと言うなという気がしますが、テロという言葉だと明確に「パブリックエネミー」認定となり、特定の人物や団体に対する社会的排他意識が高まるだけに、軽々に扱うべきではないという考えからこのように記事書いています。

5 件のコメント:

  1. 先の記事で私はコメントした際、「仮に統一教会本部や一般信徒を標的としたテロが〜」、「安倍氏の殺害〜」という文言を使い、テロと殺人の区別を無意識のうちにしていたことに気づきました。
    ここで、本事件が社会の修正を目的とするテロに当たるのか、単なる個人的怨恨に基づく殺人に当たるのかを考える際に、私は犯人の主観的事実と、世論が見る客観的事実を分けるべきと考えます。
    犯人の主観的事実では、統一教会という社会悪の是正=統一教会とつながる大物政治家の粛清であり、それがそのまま犯行の動機になっています。つまり、犯人の供述に従えば、本件は紛れもないテロです。
    しかし、安倍氏が統一教会にどれほどの影響力を持ち、国政を支配してきたかは定かでありません。犯人の妄想に基づいて行われた犯行は、逆恨みでしかなく、思想なき殺人です。
    現時点で私が思うに、本件は統一教会を標的としたテロに安倍さんが巻き込まれた形であると見ています。本人曰く、自身の政治思想と安倍氏のそれとは近しく、個人的恨みはないとしています。安倍氏の殺害が統一教会への攻撃につながると犯人が本気で信じていたならば、少なくとも犯人の頭の中ではテロに当たるでしょう。
    もっとも、未だ犯人の詳しい供述が得られていない中で、事実を決めつけるのは杜撰であり、テロかそうでないかを判断するのは早計であるという花園さんと姜尚中氏のご意見はごもっともです。

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  2. それと付け加えると、今回の犯罪で世論が統一教会に注目し、統一教会がパブリックエネミー認定されれば、それこそ犯人の思惑通りであり、それを狙っていたんじゃないかと思える節もあります(テロの対象は同情を浴び、却って支持が高まることを犯人が知っていたなら)。安倍氏の殺害によって犯人が支持する安倍氏自身と自民党は世論の支持を高め、かわいそうな安倍さんが殺される原因となった統一教会にヘイトが高まる、といった流れになるとすればです。
    ここまでくると私の妄想になりつつありますが、新宗教の規制と政府による家庭問題の積極的介入について、今回の事件を機に議論が深まればいいと思います。

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    1.  よく自分の主張を理解してくれてるなと感じるコメントでありがとうございます(´∀`*)ウフフ
       おっしゃられている通り、見方によって犯人か統一教会がパブリックエネミーに認定される可能性がある事件だと自分も思います。まぁ統一教会についてはネット界隈だと今更感ですが。
       個人的にちょっと気になっているのは、確かに統一教会に関する批判は、安倍氏が総理に就任した2000年代後半あたりからそれ以前と比べやや薄くなったという印象を私も持っています。これが安倍氏の威光によるものか、単純な勢力喪失によるものなのかが気になっており、今回の事件を機に、今の統一教会の勢力とその行為はどんなものかという報道がなされたらいいなと他力本願的に見ています。

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  3. 片倉(焼くとタイプ)2022年7月10日 22:38

    今回の私の書き込みは すべて私の推測です。
    犯人が中学生の時に オウム真理教の事件が起きています。そのため
    その後しばらく新興宗教を信じている人間はあぶない人間だと
    みなされる風潮がありました。 犯人は 母親が特定宗教を信じて
    いるせいで 友人や先生と交流を深める事が出来なかったと思って
    いたのかもしれません。 母親が特定宗教の信者だと周りに知れ
    たら、友人たちからは変な目で見られます。それは多感な中学生
    にとってはつらい事です。
    犯人は特定宗教によって家庭どころか、青春時代まで破壊された、
    そしてそんな特定宗教と仲良くしている安倍元総理が許せない
    と思ったのかもしれません。

    さて、話は変わりますが、日本でも暑く気温の高い日が続いて
    おります。 そして熱中症による高齢者の緊急搬送も起きてい
    います。高齢者の方は室内では熱中症は起きないと思い込んで
    いたり、エアコンを贅沢品と思って使用しない人もいます。

    「室内でも熱中症になる恐れがあります」という表現では、熱中症
    の危険性が伝わらないので 宏光MINI記事の時のように
    「室内はファラリスの雄牛のようになります」というふうに
    表現を変えた方がいいかもしれません

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    1.  現代と比べても、オウム事件直後における日本の宗教忌避観は本当に際立ったものだったと思います。なんか漫画でもカルト教団が黒幕って話が多かったし。
       先日、同僚と仕事中のチャットで暑い暑いと言ってたら、「上海ガニみたく茹でられた状態」と言われました。中国人的には「茹でガエル」の様に「茹でカニ」という表現が使われるのかもしれません。
       自分も若干、冷房は贅沢だと思ってはいるものの、マジでこのところは突けないとやばいと思って積極的につけてます。その分、冬場は一切エアコン使いませんが┐(´д`)┌ヤレヤレ

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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