具体的データを出すと、一番騒がれているのは輸出額です。今年上半期の中国の輸出額は税関の米ドル換算データで前年同期比3.2%減です。一見すると微減に見えますが、昨年の中国は3-5月に上海の完全ロックダウンを含め各地でロックダウンを行い、この間ほとんど生産活動が行われていなかった上に港湾なども閉鎖されて貿易活動がほとんど止められていたことを考えると、今年は二桁増くらいの数値が出ないとおかしいと指摘されていました。それがふたを開けると二桁増どころかマイナスで、6月単月に至っては前年同月比12.4%減と二桁減となっており、昨年後半はロックダウン措置が緩和されたことを考えると、下半期にかけて落ち幅はさらに拡大してくとみられます。
その他の指標もあんまよくないのばかりですが、自動車に関しては上半期は前年同期比9.8%増とそこそこのプラス値ですが、これに関しても去年のロックダウンに伴う比較対象基数が低いことが原因です。なお伸び幅の大半はEVであり、EVラインナップの少ない日系メーカーは軒並み前年割れしていて、川下の部品メーカーを含め結構業績が酷いことになっています。下手すりゃ、日系自動車産業の中国市場売上げはすでにピークを過ぎているかもしれません。
自分の見立てで述べると、中国政府としても上記のような製造業の不振は想定外だったのではないかと思います。コロナ対策の制限措置を緩和すれば景気は回復すると明らかに楽観視している節がありましたが、上記のような現実を前にしてどうするか。単純にインフラ投資を進めて建設業から巻き返しを図ると思いますが、それ以上に金の流れを抜本的に改革しないと真面目に厳しくなるように思えます。
来年以降に関してはさすがに予想できませんが、今年下半期に関しては中国は確実に指標上で景気が悪化し続けると断言できます。この辺も含め、このところの中国は90年代の日本とほんと被って見えてきます。
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