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2023年7月19日水曜日

ガシャ商法は誰が発明したのか?

 最近このブログでもずっと書いていますが、「アクション対魔忍」をまだ遊んでいます。使用キャラは、

    秋山凛子→桃地凪→甲河アスカ

 という風に変遷していますが、お嬢様ルックな髪型して必殺技がミサイルや正拳突きなどとやたらとごつい設定な甲河アスカは稀有なキャラクターだなと密かに感じています。このキャラが人気出るのもなんかわかる気がします。

 それはさておきこの「アクション対魔忍」はジャンルでいえばいわゆるソーシャルゲームに属します。ソーシャルゲームの定義は恐らくいくつか分かれるものがあると思いますが、比較的幅広く許容される定義となれば以下の条件が当てはまるゲームを指すと思います。

・SNSなどウェブブラウザ上で動作する
・プレイすること自体は基本的に無料(=買い切り型ではない)
・ゲーム内のアイテムなどを有料で販売(=課金)することで売上を得る
・プレイヤー同士の交流要素(対戦、ポイント付与、アイテム交換など)が含まれている。

 以上の条件が基本ですが、これに加えるとしたらやはり主要な課金手段である「ガチャ」も、ソーシャルゲームの絶対条件に含んでもいいと思います。

 このソーシャルゲームにおける「ガチャ」とは何かですが、自分の言葉で言えば「ゲーム内で得られるポイントまたは料金を支払うことでゲーム内で使用できるアイテムなどを取得するくじを引く行為」となります。
 ちなみに中国語だと「盲盒(マンフー、見えないカプセル)」と呼びます。

 基本無料のソーシャルゲームにおいてガチャは、運営側が売上を得る主要な手段となるだけに、ゲームにおいても非常に重要な要素です。それだけに運営側としてはあの手この手でプレイヤーにガチャを引かせようとするのですが、そうした誘導が露骨過ぎればユーザー離れを引き起こすことにもなります。有名なのだと「課金へのこだわり」というパワーワードを出した「ブレスオブファイア」だと勝手に思っています。
 一方、ユーザー側としてはなるべくこのガチャで出費せずにゲームを有利に運ばせたいと思うのが心情です。こうした両者の価値観ギャップをどう埋めるのかが、運営の腕の見せ所でしょう。

 話を「アクション対魔忍」に戻すと、ソーシャルゲームらしくこのゲームでも武器やサポーターキャラがアイテムとなっていて、基本的にガチャを通して入手するようにできています。このガチャの仕組みについては漫画で今度ドラマ化する「トリリオンゲーム」でも取り上げられているのですが、如何にしてユーザーからお金を取るか、いろいろ考えられています。

 具体的には、「期間限定キャンペーン」みたいに期限を定めて通常より安く多くのアイテムを得られるキャンペーンを度々打つ。また欲しいものがなかなか取れない人のために、一定回数以上引いた人にはいいアイテムを無償で提供する。このほか、ゲーム攻略上で不足しているアイテムを優先的に取得できるように確率を操作するなど、いろいろ手口があるそうです。

 そうした前知識を持って「アクション対魔忍」を遊んでいると、上記の定石通りなガチャ商法がまさに展開されており、ユーザーにお金使ってもらうためにいろんな工夫をしているんだなと改めて感じます。

 なおソーシャルゲームは過去に「パズドラ」をやっていましたが、当時は完全無課金を通してランク200まで行きました。それ以降は一次大戦後のドイツみたく無限にインフレが続くと感じたため、スパっとやめました。今回の「アクション対魔忍」ではそこそこゲームしてて満足感もあるだけに、運営へのリターンとして1000円以下の範囲でたまに課金して遊んでいます。
 実際に課金してみて思うのは、やはり「得したなぁ」という満足感を得られるかが非常に重要だと感じました。前述のタイムセールみたく同じ特典でも時間限定にすることで満足感は跳ね上がり、また「トリリオンゲーム」でも書かれていましたが、最も障壁が高いのは最初の1回目の課金であり、そこを克服してもらうためにも大盤振る舞いなセールというのは非常に効果が高いというかこの商法において必須だと思います。

 実際自分も300円くらいの時間限定の課金オプションを見て「それくらいならいっか(´・ω・)」と課金してから、一気に心のハードルが下がり、その後もちょくちょく課金するようになりました。

 こうした経験を経て、改めてこのガチャを含むソシャゲの課金商法というビジネスモデルは奥が深いと思うとともに、ゲームの歴史においても非常に革命的な一打であったと感じるようになってきました。これがなければ今のようなソシャゲの隆盛はまずなかったと言えるだけに、一体誰が発明したのかと思い調べてみました。


 ガチャ成立過程について上の記事が非常にきれいにまとめてくれているのですが、それによるとガチャ商法を最初に打ち出したのは2007年にグリーが出した「釣り★スタ」からだったそうで、課金してアイテムを得られる仕組みだったそうです。さすが「任天堂の倒し方」を知っているだけある。
 その後、DeNAが「怪盗ロワイヤル」で「課金+対戦要素」で爆発的ヒットを飛ばすと、このビジネスモデルは一気に普及し、同時に重課金という課金し過ぎてお金が無くなる人が出るといった社会問題も出始めるようになりました。

 そこへきて、ついにガチャ商法を初めて搭載したのが2010年に出た「ドラゴンコレクション」だったそうです。ここに至り、ソシャゲのビジネスモデルはほぼ完成したと言っていいでしょう。
 ただ「ドラコレ」を含む当時のガチャには「コンプリートガチャ」と言って、「特定のレアアイテムを揃えて初めて新たなレアアイテムが取得できる」という、ユーザーに多大な出費を強いるシステムが含まれており、「ガチャ倒れ」が社会問題化する中、このコンプリートガチャについては後に行政からの指導もあって現在はほぼ禁止されています。

 とはいえ、ゲームそのものではなくゲーム内のコンテンツにお金を支払わせるというビジネスモデルは、むしろ今のゲーム業界においては主流です。買い切り型のゲームにおいても同じように追加コンテンツを別料金で販売するのも当たり前となっており、真面目に課金というビジネスモデルはゲームの歴史を変えたと言っていいでしょう。
 まぁ買い切り型のゲームの課金要素、特にアンロック形式については内心どうかと思いますが。

 そういう意味では課金、そしてガチャを発明した人はまじめに名前を残してもいいような気もするのですが、具体名はあんま世の中に出ていない気がします。世間体的なものもあるでしょうが、今後十年間はまだまだこのビジネスモデルがゲーム業界で主流であり続けるでしょう。

2 件のコメント:

  1. 個人的にガチャ商法で思うことは、せめて世界観を考えてくれということですね。
    最初の怪盗ロワイヤルの頃は、一応カードゲームという体裁だったので、パックを買ってダブりが出たりレアが含まれているのは当然でしたが、例えばドラクエなんかはナンバリング作品なら武器屋で買える武器がソシャゲになると基本的に福引きでしか手に入らず、なんでアイテムが常に運でしか手に入らないんだと思ってしまいます。
    ポケモンGOは普通に定価でアイテムを購入できる仕組みですし、何が何でもガチャにするんだという発想はやめてもらいたいなと思っています。
    人気のあるグラブルなんか、キャラも装備も召喚獣もその装備も全て別々のガチャだったりしたので、早々にリタイアしたものです。

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  2.  地味ですがそういう世界観とのマッチングは大事ですよね、武器がふくびきでしか手に入らないなんて、ドラクエ以前におかしな世界でしょう。
     逆を言えば、うまく世界観に落とし込めるのならこの手の課金要素はプレイヤーにより高い満足度を与えられる気がします。ぱっと思い浮かぶと「お布施」みたいな感じで、捧げれば捧げるほど神様に優遇してもらえるようなシステムだったら「まぁしょうがねぇか( ゚Д゚)」みたいな感じでお金出せそうです。そういう意味ではアイドル系のゲームはソシャゲと相性よさそうです。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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