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2024年3月30日土曜日

中国の天目茶碗は侮れない(;゚Д゚)


 また自分の趣味の話で申し訳ないですが、先日購入したこの天目茶碗にはまっています。

 天目茶碗とはその名の通り茶碗の一種ですが、この名前は日本ではなく中国が由来です。中国のお茶の産地でもある浙江省杭州市にある天目山周辺で成立した茶碗形態ということから「天目茶碗」と名付けられているのですが、いくつか種類があるものの、上の写真のようにまるでラミネートシートを張り付けたかのようなまばゆい光沢を持ったものが比較的ポピュラーです。

 この天目茶碗の中でも日本人にとってもっとも知名度が高いのは、国宝にもなっている曜変天目茶碗でしょう。この茶碗はすべて中国で作られたものですが欠けのない完品は三つしかなく、そのすべてが現在日本国内にあります。
 以前に何でも鑑定団で「四つ目の曜変天目茶碗」と鑑定された茶碗もありますが、こちらに関しては番組放送時より「本物じゃない」という異論もあり、現在も議論が続いています。

 話を戻すと、この天目茶碗の特徴は上記の通りに表面の光沢がまばゆかったり、弾けた様な文様を見せる点にあります。この特徴が生まれる秘訣は何かというと表面に塗る釉薬にあり、天目茶碗には鉄分を多く含んだ釉薬を用い、これが焼入れ工程時に弾けるように広がるため、魚の鱗みたいな斑模様ができるとされています。

お茶を入れた時はこんな感じ

 それで今回の天目茶碗ですが、実はこれまで中国の茶碗というか陶器には何の魅力も感じず、日本に比べレベルが低いとずっと考えていました。こう考えていた理由としては、まず中国では茶碗に対してあまり絵付けを施さず、非常に地味というかシンプルな茶碗ばかりだということ。次に形もあまり工夫しないというかつるんとしたりのっぺりとした形ばかりで、なおかつ土があまりよくないのか手触りや重さもぐっと来ないものばかりだったからです。
 もっとも中国人からしたら、日本の表面がざらざらした楽茶碗とかはあまり形が整っていないと思うそうですが。

 そんな感じで中国の茶碗に見向きもしなかった自分ですが、ふと上記の天目茶碗の由来を思い出し、現在の中国でも天目茶碗って作ってるのかなと思ってタオパオで検索かけたら、思っていた以上にたくさんの天目茶碗がヒットしてきました。しかもそのどれもが上記のように日本ではまずお目にかかれないような極端に眩しい光沢を持ったものばかりで、確かに日本の茶碗のような絵付けこそないものの、この光沢だけでも十分な個性があると感じる代物ばかりでした。
 それ以上に驚いたのが値段です。今回勝ったこの茶碗は何と80元(約1600円)と、自分が普段買うプラモより安い値段でした。ほかの天目茶碗も大体100元以下で、この値段でこの品物ならと思い早速購入して手に入れましたが、一回触ってみてすぐ気に入りました。

 釉薬の関係からか表面は金属質な触感をしており、また汲める水の量は120mlと非常に小さいサイズなのですが意外に重量があります。ただこのサイズで重みがあるのはかえって持ちやすく、ずっしりとした感覚が心地良いです。
 それよりも何よりもこの激しい光沢した見た目は非常に印象的で、写真を同僚に見せてみてもみんな驚くとともに、「高かったんでしょ(´・ω・)」と聞いてきます。でもって80元だと教えるとまたびっくりするΣ(・ω・ノ)ノ!

 前述の通り、自分はこれまで中国の陶器に対してあまり関心を持ってきませんでしたが、こと天目茶碗に関しては値段も安くてこれほど面白い品物があると今回初めて気が付き、その価値を一気に見直すに至っています。今後、値段も安いので人への土産物にこれを使っていこうとも思っており、いいもの見つけた気がします。
 問題は、いろんな種類の天目茶碗をこの際揃えたいところですが、もはや家の中にも尾を置くスペースがなくなっていることです。プラモだけでも数十体あり、置くとこないから靴箱の中にたくさん詰めてるくらいだし(;´・ω・)

2 件のコメント:

  1. 片倉(焼くとタイプ2024年3月31日 7:46

    曜変天目茶碗の完品はなぜか中国本土にはありません。 製造当時の中国では人気が
    なかったため輸出品として使われたという可能性がありますが、それにしては完成度
    が高すぎます。
    陶磁器といえば数年前アメリカで北宋時代の茶碗が見つかりました。フリマで300円
    程度で売られていた茶碗が北宋期の名品だとわかり約3億円の値がつきました。
    私もこの茶碗のような名品を手にしてみたいものです。 もっとも名品を手にしても
    最初にやる事は某ロボットアニメの軍の高官よろしく指で弾いて「いい音色だろ?」
    つぶやく事です。

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  2.  意外とこの手の文化というのは発祥地などでは徐々に廃れて消えていくのに対し、周辺部の方が後年においても残ったり、伝承されてたりすることが多く、言語学でも大昔の言語が遠くの地域で残っていることがよく見られます。そういう目線に立った場合、曜変天目茶碗の完品が日本に残ったり、マクベ好みの北宋の壺もアメリカに残ってたりするのも筋なわけです。
     まぁマクベも鑑定団に出たら、偽物判定されるかもしれませんが。
     以上の文化の伝承ですが日本も笑えないところがあり、葛飾北斎の浮世絵とか廃仏毀釈時に流出した仏像などは欧米に残ってたりします。対馬の韓国伝来の仏像とかもそうですが、文化財の流出は長い目で見たら保存に寄与することもあるので、一概に悪いというわけでもないですが。

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コメント、ありがとうございます。今後とも陽月秘話をよろしくお願いします。

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