恐らく漫画界への影響度で言えば、鳥山明はオリジネーターともいうべき手塚治虫に匹敵する立場ではないかと思います。ほかに伍す人となれば藤子不二雄くらいですが、鳥山明の場合は欧米でも非常に高い人気を得ているだけに、世界全体への影響力で見た場合は間違いなく歴代トップになってくるでしょう。それだけに中国でも今回の逝去は大きく報じられ、その死を惜しむ声は絶えず、まさか政府広報官の毛寧まで言及するとは思いませんでした。
漫画ばかりではなく、ゲーム業界への影響度も言うに及びません。ドラクエのキャラデザでおなじみですが、明らかにドラクエの前後でゲームキャラクターの造形は変化しています。それまでの魔物とくればおどろおどろしいのしかなかったのに対し、ドラクエ以降はかわいらしさやユーモアを持ったキャラクターが生まれ、後進への影響度なら鳥山明と、ストリートファイターの安田朗からなる「ダブルアキラ」が最も強いように見えます。
このほかには鳥山明については他の方も書いているようなことしか書けないので特に言及しませんが、今回の逝去で一番感じたこととして、自分の中で初めて平成が終わった気がしました。
平成は上皇もまだご存命とあり、元号が令和となった現在においても何となく地続きというか時代の区切り感を覚えてきませんでした。一応、令和となってすぐにコロナが流行しましたが、これは「令和の始まり」であって平成の終わりを感じるイベントではありませんでした。
それが今回の鳥山明の逝去で、あの平成期、特に自分が小学生時代において最も熱狂したコンテンツはドラクエ、ドラゴンボール、ガンダムの3つであり、このうち二つを担っていた鳥山明が亡くなったことで、平成という時代はもう帰ってこないということを強く意識させられ、あの時代が終わったとなんか踏ん切りがついた気がします。時代の終わりを象徴する上でも、やはりドラゴンボールは偉大だったと感じさせられます。
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