何気に、その昨夜書いていたロボティアの記事は東芝のウエスチングハウス買収に絡んだ内容でした。東芝にしろシャープにしろ、たった1件の投資案件でその身を亡ぼす結果となった点で共通しており、あまりの偶然もあってか書き途中の記事の末尾にシャープの液晶投資破綻についても書きこんでしまいました。
シャープ堺工場についてはもはやあれこれ言及するまでもないですが、真面目にこの工場一つないだけで、シャープは少なくとも鴻海に買収されることはなかったと断言できます。もっとも液晶以降、シャープは何も新しい事業や成長を生み出しておらず、現在は黒字を出してはいる複合機事業も今後は事業が先細ることはほぼ確実なだけに、東芝と違って堺工場がなくてもいずれ会社規模の縮小は避けられなかったとは思いますが。
ちなみにシャープが次の主力事業として力を入れていたロボホンですが、この前知人との会話で出てきましたが、一応まだ続けているようです。続けるんだったらもうちょい何かアップデートすりゃいいのに、何もてこ入れしていないあたりもうやる気を失っているのでしょう。
話を戻すと、東芝にしろシャープにしろ何故一度にあんな巨額の投資を行ったのか。投資規模が3分の1くらいであれば全然話は違ったのですが、何気に東芝もシャープも00年代中盤にあのやらかし投資をやらかしている点で共通しています。
当時は郵政選挙後で景気が一時上昇していた時期です。しかしその後の2008年にリーマンショックが起き、特に家電はその後のエコポイント制度による需要の先食いにより国内市場が大きくゆがんだこともあり、完全に立ち行かなくなりましたが、このリーマンショック直前の好景気感が両社を身の丈を超えた投資に駆り立てた一因であるような気もしないでもないです。でもって両社とも、「無謀すぎる」という批判が当時からなされていただけに、なんかその辺の慎重さを欠いたがゆえに互いに身を滅ぼしたように思います。
この辺、ソニーなんかは強かに立ち回って現在も強勢を維持しており、日立やパナソニックもそれぞれの生きる道を見つけて大手企業としての地位を保っています。特にパナソニックに関してはプラズマテレビでシャープに敗北してはいるものの、そのプラズマテレビを約10年前にあきらめている点で、シャープよりも経営感覚はしっかりしていたように思えます。
その上でシャープについていえば、もし仮に堺ではなく中国とかの新興国に最新の巨大工場を作っていたら、なんていうシナリオを考えずにはいられません。投資額はもとより、あの時期に日本国内に大工場を作ったというのがなんか失敗だったように思え、後の祭りですがいろいろ思うものがあります。
そういえば、堺工場計画が立った時に「話が違う!」と言われた亀山工場のある亀山市とはその後どうなったのかが気になります。パッと調べたところまだ操業しているようだけど、堺工場を売るなら亀山工場も売却することになりそう。
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