こんなこと言いながらだと信じてくれないでしょうが、彼の記事は昔読んだときはその迫力の強さに驚き、ライターとしては間違いなくとんでもない実力者だとかねてから感じていました。しかし一個人として見た場合、特に彼のプロ野球界で行ってきた行為を振り返るとそのすべての方針なり施策は日本のプロ野球人気を落とし続け、自前の巨人ですら人気を貶めていたとすら感じます。そもそも記者が書いた記事によってではなくそうした活動で名前が知られること自体が本末転倒だと私は思っています。
振り返ると平成初期から中期にかけて、Jリーグ発足によるサッカー人気に食われたという点もあるものの、この時期に日本のプロ野球人気、市場規模は右肩下がりでした。この間にオーナーという立場で好き勝手やってきたのがまさにこのナベツネで、特に逆指名制度こと希望入団枠の導入は廃止した今になって誰も再興を望まないあたり、完全な失敗だったように思えます。
また20年目の節目ということでこのところよく取り上げられている2004年の近鉄球団売却に伴うプロ野球再編騒動においても、ナベツネは10球団1リーグ制を主張していますが、現在のパリーグの隆盛ぶりを見るにつけ先見の明がない方針だったと言わざるを得ません。
なおその再編騒動において当時選手会長の古田氏への「たかが選手発言」に関して、これがナベツネの失墜要因になったという声をたまに見ますが、私自身は当時を思い出すにつけかねてから暴言の多い人物だっただけに何も驚かなかったし、元から反感も持っていたので新たに反感を覚えることもなかったです。
むしろ同年に発覚した一場事件こと学生選手への栄養費を渡していた事件の方が、野球界におけるナベツネの影響力低下で大きな役割を果たした気がします。ちなみに当時に各球団が一場氏に出した金額は、
チーム | 金額 |
---|---|
巨人 | 2,000,000円 |
横浜 | 600,000円 |
阪神 | 250,000円 |
広島 | 2,000円 |
という、広島の桁違いの金額ぶりに逆に驚いてました。
話を戻すと、昭和の若いころの活動はあまり知りませんがこと平成期においてはナベツネはプロ野球界のガンそのもので、彼がいなくなってからというものパリーグ人気は高まり、黒字球団は巨人と阪神しかなかったのが今やほとんどの球団が当たり前のように黒字化を達成するようになり、そして選手もまた米国代表にすら負けないしメジャーでも活躍する選手を何人も排出できるようになるなど、あらゆる方面で拡大を続けています。別にナベツネ一人の責任だと私も思ってるわけじゃないですが、プロ野球界にとってはいない方が絶対マシだった人物ではあると断言できます。
そういや書いてて思いだしたけど、第一次政権の原を追放したのもナベツネだったな。最終的にはその後の、「加藤の乱」と並ぶ平成二大反乱に勝手に入れている「清武の乱」で完全に止め刺されましたが。
ちなみに自分はよく「いい人ほど早く死に、悪い人ほど長生きする」と話してますが、この例にナベツネをよく使ってましたが、これからはまた別の人間探さないといけません。
おっしゃる通り。
返信削除コメントありがとうございます。
削除ちょっと自分でも批判が強すぎるかなとも感じましたが、2004年ごろに友人がナベツネに対して、「少なくとも、今現在において彼は日本のプロ野球界にとってマイナスとなることしかやっていない」と言っており、あれから20年経た今もその評価が適当だと思え、余計な配慮なしに一気に書き上げました。
彼の政治記者としての活躍は平成初期までで、平成中期以降はぶっちゃけ野球以外にはあまり社会とかかわってないだけに、直近20年だけで評価するとなるとやはり厳しい言い方にならざるを得ない気がします。
全く言われる通り!
返信削除死者に鞭打つつもりは全く無いが、何故あんなに周囲が気を遣っていたのか全く分かりません!
正に「目の上のタンコブ」、無くなってせいせいされてる人(口に出して言えないかも知れないが)多いんじゃ無い?
マスコミが何であんなに怖がってたのか意味分からん!!
これで読売グループも巨人軍も、はたまた自民党も少しはせいせいするんじゃないですか?
コメントありがとうございます。
削除この記事でも書いていますが「清武の乱」の際も読売新聞社外からは権力の乱用を指摘されながら一撃で清武氏を飛ばしたあたり、読売社内では隠然たる実力を最後まで持ち続けていたんでしょうね。
とはいえ今の読売の山口社長はナベツネに比べれば新聞メディアに対するこだわりも強くないだけに、「目の上のタンコブ」がとれで今後は色々改革を実施してくるかもしれず、人知れず期待してたりします。