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2025年5月18日日曜日

J-10C型のプラモ


 例によって中国の軍事力を研究するため、もとい中国生活の暇つぶしのため、先日の印パ紛争であのフランスのラファールを撃ち落としたといわれる中国の殲10ことJ-10のC型のプラモを入手し、その構造を分析するため今日組み立てました。
 このJ-10については以前に前バージョンのB型も作ってはいるのですが、面倒なキットでいまいちうまく作り切れなかった敗北感があり、前からJ-10はもう一回作ってみたいと思っていました。そこへ先日の戦果報告があり興味を持っている最中に作るべきだと思って今回購入しましたが、話題となっていたことからいつも買うプラモ屋でも注文が集中したのか、いつもは翌日に配送されるところを今回は三日くらいかかりました。それでも早い。

 今回のキットは中国メーカーのトランぺッター製のキットですが、正直ここのキットはあまり買っていません。何故かというと結構凝った作りしてるのと、他社と比べてバリが多くてライナーから切り離した後も何度もバリを取り除かなければならないからです。自分としてはそこまで組み立てにこだわる方じゃなく、簡単に組上がればいいと思うのでタミヤと韓国のアカデミーのキットを好むのですが、トランぺッターに関してはほかでは出されていない中国機を作るときしか購入しません。

胴体の内部構造

貼り合わせるとこんな感じ

 ただこのトランぺッターも悪いところばかりじゃなく、上の写真のように胴体内部のエアインテーク構造はほかのキットでもきちんと再現されています。エアインテークからどのようにエンジンにつながるのかは非常にわかりやすいし立体感を感じられ、このJ-10のキットでもその点は非常によくできてます。左右の胴体の貼り合わせ精度も良好だったし。

エアインテーク入口にある空気流入速度を調整する丸いでっぱりも再現


 そんな誉田でおこうして出来上がり、ミサイルなどは付けんのが面倒だったのと機体本体のプロポーションを堪能したかったため付けませんでしたが、上の写真の胴体下部にあるレーダー妨害装置はすぐ付けられるのと、今流行りの兵装のため敢えて付けました。


 前にも少し話しましたが、このJ-10は元々はイスラエルで開発が進められていた機体ですが、イスラエルがF-16を採用することとなって計画が放棄されたところ、中国が研修者ごと引き取って完成、運用することとなった機体です。
 経緯が経緯ですがこうして世に出ることとなったのは紛れもなく中国の努力の結果で、中国オリジナルの機体と言っても差し支えはないと思います。もっとも、中国政府は公式には上の経緯には触れず、自分たちが一から開発したんだと中国人すら真に受けない主張を展開していますが。

 なおこのほかに現在中国が運用している機体はロシアから輸入したフランカーシリーズのJ-11やJ-15、J-16、米国のF-22をパクったJ-20、F-35をパクったJ-35が主です。これらと比較するならJ-10の独自性は強く、またF-16を意識したオープンデルタ(前尾翼)な形状とあって私自身はこの機体が中国機の中では一番好きだったりします。


 以前に機体前方にある空中給油用プロープを美少女キャラの「アホ毛」に例える人がいましたが、非常に言い得て妙だと思います。その例ではラファールに使われており、落ち着いた佇まいの姉(ミラージュ2000)に対し活発なアホ毛妹キャラとして紹介されてました。
 このJ-10も上の写真のようにアホ毛が付いていますが、もし擬人化するならイスラエルでの経緯を踏まえ、元々は王位継承者として生まれるはずだったのが簒奪を受けて中国に亡命し、デカ女(フランカー)にいびられながらマーボー豆腐屋でこき使われる薄幸少女みたいなキャラになる気がします。ひっさつわざはマーボーファイヤー。


 前回のB型で一番失敗したのが主脚で、なんか変にはめ込みづらい上に固定の弱い形状してて、片方の足をきちんとまっすぐ立たせることができませんでした。伝統的にトランぺッターのキットはこの主脚が脆いのですが今回のC型も、っていうか恐らくB型の金型を少し整備しただけで基本的に同じキットなためか今回も主脚が弱く苦労しました。
 ただ頑張った甲斐あって今回は完璧に組み立てることができ、足回りは完璧に仕上げられました。

手前がB型、奥がC型

今度は手前がC型、奥がB型

 改めて昔作ったB型も引っ張り出して並べてみましたが、基本的にやはり同じ形状というかほぼ違いがありませんでした。強いて言えば、現物はそうでないのかもしれませんが胴体尾部の尾翼の付け根付近の胴体が、B型に比べC型の方がやや細くなっているような気がしました。それ以外はキットにおいてはほぼ同じで、エアインテークの形状もほとんど同一でした。
 実際、C型のバージョンアップは電子性能付近だと聞きます。今回の印パ紛争でもレーダー能力とミサイル性能が勝敗を分けたといわれ、ウクライナでの戦闘でも基本視界外(BVR)戦闘が繰り広げられていることから、もはや戦闘機に旋回能力や最高速度性能は求められず、優秀な兵装を使えるソフトウェアと、レーダーの捕捉、妨害能力の方がますます重要になってくるかもしれません。

 最後に今回昔作ったB型を引っ張り出して比較したところ、接合部とかが今と比べて荒く、今の自分がどれだけ組み立てるのがうまくなったのかを強く感じさせられる出来栄えでした。やっぱこういうのはドラテクと同じで、使ったガソリン代(プラモ代)の分だけテクニックが上がるものだと感じます。

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