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2025年8月14日木曜日

その死に衝撃を受けた財界人(西川善文)

 お盆だし誰が読んでるかわからないこの一連の死亡記事ですが、政治家、漫画家と続いて財界人という枠で考えた際、真っ先に浮かんできたのは三井住友銀行の初代頭取で且つ郵政公社トップを務めた、ラストバンカーこと西川善文でした。

 彼については以前にもこのブログでその著書の「ラストバンカー」の紹介などで触れていますが、2020年の逝去の際は人知れず衝撃を受けていました。かねてよりアルツハイマーで表舞台から遠ざかっていたとはいえ、自民党内部の守旧派による巻き返しのあおりを食らう形で放逐された顛末は知っており、放逐した自民党の議員ら(鳩山邦夫や亀井静香)たちからも「悪いことした(でも反省しない)」と口にするほどの不幸っぷりもあって、以前からも同情心を覚えていました。

 私が彼の名前を初めて覚えたのは郵政公社社長就任時でしたが、ちゃんと興味を持つようになったのはたしか田原総一郎氏の講演会でした。その講演会で田原氏が、「ヤクザ相手に取り立てをやってきたような昔ながらの銀行家」として西川氏を語っており、当時は銀行と闇社会の関係がいまいち取れず、なんで銀行員がヤクザ相手にするんだろうとマジで疑問に思うとともに、「公権力横領捜査官 中坊林太郎」のワンシーンでそれらしいのがあったのを思い出したりしました。
 この話を聞いてから昭和から平成、特に銀行再編期にあたる90年代について興味を持つようになって調べたのですが、当時はまだそこまで詳しく調べるには至らず、むしろ西川氏の訃報を聞いてからますます興味を持って「金融腐蝕列島」シリーズを読むなどちゃんと調べるようになりました。

 話を戻すと、政治や社会の見方を覚えたころからみていた人物の訃報であり、また最後の郵政公社の改革半ばでの追放劇への同情もあって、逝去報道は自分にとって結構衝撃的でした。ほかの人物にも当てはまりますが、一時期活躍しながら晩年の頃に不幸や落ち込みの激しい人生を送った人物ほど自分はその訃報を感じ入る傾向があり、同様にダイエーの中内功、パナソニックの中村邦夫などもその訃報の扱いのあまりの小ささに思うところがありました。西川に加えこの二人についても、もっと現代の評価は高くてもいいと思うのですが、晩年だけで評価されがちな現代の見方にちょっと反逆心を持ってたりします。

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