前回書いたプレイステーションソフトの「ダブルキャスト」をようやく一通りクリアしました。キャラクター原画は後藤圭二氏という、原作者以上に原作に近いアニメ画を作るという有名な人で、今作でもキャラの書き分けがうまくなされていました。最近のギャルゲーなんか顔で区別つかないし。
ちなみに、この人が担当したアニメ作品は「幽々白書」、「機動戦艦ナデシコ」、「ゲートキーパーズ」などです。なぜか高知出身の知り合いがこの後藤圭二氏を知っていて、前にびっくりしたことがあったなぁ。
そのほかヒロインの声優は平松晶子氏で、この人はある特定のキャラのイメージが強いのですが、なかなかホラー色の強い今作のキャラをきちんと演じていました。ウィキペディアで見ても、このゲームのヒロインは「ヤンデレの典型」とまで書かれていますし。
と、簡単にレビューしましたが、この「ダブルキャスト」及び、士郎正宗も関わった「やるドラ」シリーズ、基本はサウンドノベルなのですがこれらが出たのは98年で、いわゆるゲーム業界最盛期です。この業界はこの年をピークに年々規模が小さくなり、現在はかつてのようにゲーム会社が乱立することなく、合併や倒産が続き、RPGの代表格を作っていたスクウェアとエニックスも現在では同じ会社です。
このほか98年には、「ファイナルファンタジー8」、「パラサイト・イヴ」、「バイオハザード2」と人気タイトルも多く、名実ともにゲームが華やかなりし時代でした。
この時代について個人で勝手に分析しているのですが、一言で言うとCGとアニメ画が混在していた時代だと思います。まず前者のCGですが、この時期辺りからソフト開発で3Dの使用が主流になり始めてきました。先ほどに挙げたタイトルなどはどれもふんだんに高画質のCGを取り入れて注目されたタイトルですし、実際にこれ以後の現在はCG、というより3Dがゲームの基本とすらなっています。あのパワプロだってそうなんだし。
その一方でこの時代は、今回私がやったような2D画のゲームが消え始めた時代でもありました。サターン、プレイステーションが出始めた頃はまだ3Dのソフト開発環境がよくなかったのもあり、デジタルコミックともとられかねないような画像をよくつかったゲームが多かったのですが、この頃になるとそれも下火になっていました。そういう意味では、この時代が2Dゲームのいわゆる終末期にあたり、それなりに質のよいのも結構あった気がします。というより、最近はこの手のゲームってないしな。
聞くところによると現在では開発環境は逆転し、昔のように2Dとまではいかずとも、ドット絵を使ったゲームなどの方が開発に手間が掛かるようです。その手の専門のクリエイター(栗絵痛ーといきなり変換した)がいなくなり、また3Dならば開発を海外に下請けに出せるというのがその理由だそうです。
実を言うと、この背後でアニメ業界にもこの時期辺りから大きな変化が起こっています。それまではセル画を用いたアナログでアニメを作っていたのが、大体2000年に入ると大部分のところで最初からコンピューター上で絵を描いたり、編集したりするデジタル化が進み始めました。いわば、ゲーム業界でアニメ画が使われなくなってきた背景に、当のアニメ業界が影響しているのではないかと邪推し、今日のところはおしまいです。
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