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2008年3月8日土曜日

伊達の読みとは是如何に?

 歴史関係の記事が少ないので補給します。
 さて皆さん、伊達政宗はご存知でしょうか。言わずと知れた東北の戦国大名で、ゲームの信長の野望は判官贔屓とばかりに能力値が高めに設定されています。その伊達氏でありますが、この「伊達」という漢字、なんて読んでいますか? 恐らく「だて」と読む方がほとんどと思いますが、どうもこの政宗がいた時代にはなんと、「いだて」と読まれていたそうです。

 これは通説なのかなと私も思っていましたが、ネットで調べてみるとなんと政宗がローマ法王に遣った支倉常長が法王に渡した政宗直筆の書簡にも、「Idate Masamune」と書かれていたそうで、どうやらこっちの方がマジらしいです。「だて」という読み方はなんでも、近畿地方から広まって江戸時代に徐々に「いだて」と混在し、現在ではこの「だて」のが主流になったというのが真相だそうです。確か「伊達男」という言葉が流行だしたのも、江戸時代頃だった気がします。

 それにしても不思議なものです。本来備わっていた読み方が時代を経ることによって変わってしまうという、漢字ならではなの変化です。実はこの音の変化は東洋言語学を探る上で大きな障害になっています。西洋の言語はアルファベットを用いているので、そのつづりの変遷を辿る事によって各時代の音や言葉の変遷が辿れるのですが、中国語や日本語では使っている漢字が同じなため、読み方が変わっても全くわからないそうです。それでも辿る方法があるのか、以前の教わった中国語の先生は李白の時代に彼らの詩はどういう風に読まれていたか、唐時代の発音を研究していました。

 このような音の変化はなにも昔だけでなく、現在においても進んでいるといわれています。たとえば最も顕著なのは中国語です。向こうではこれまで各地方でそれぞれの方言でもって、それぞれの子女達に言葉を教えていたのですが、1958年に中国政府がそれぞれの漢字の正しい読み方として「拼音(ピンイン)」を作って言語の統一化を図ったために、年代によって地方では言語の隔絶があるそうです。実際に私も若い中国人となら中国語で討論もできますが、年配の中国人となるとそれも難しくなります。

 日本語も同様で、たとえば「彼氏」という言葉もアクセントのポイントがここ十数年で変化しているそうです。と、ちょっと夕食の準備が出来たので続きはまた今度。

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