すでにあちこちで報道されていますが、四川省で大地震が起こり、甚大な被害が報告されています。自分が見た報道の中でも何度か紹介されていましたが、意外に中国は大地震がよく起こっており、三十年位前には北京から割と近いところで起こった唐山(タンシャン)大地震が起こり二十四万人もの人が亡くなったといわれ、これは地震の被害としては現在に至るまでもっとも大きな被害として記録されています。ちなみに、以前に見た「胡同のひまわり」という中国映画でも、この唐山地震の描写がありました。
それでこの地震の報道についてですが、本当は昨日辺りに書きたかったのですが、いくつか気になる点があります。まず今朝のみのもんたの「朝ズバッ」でですが、中国政府が日本政府の人的支援派遣を断ったというニュースを紹介した後、「ミャンマーといい中国といい、どうしてこう断るのでしょうかねぇ」とみのもんたが言っていましたが、私個人的に言わせてもらうと、ミャンマーと一緒にするべき問題ではないと思います。というのも、今回中国政府もこの日本からの人的支援を断る際、現在被災地では交通を初めライフラインが非常に混乱していることを理由に挙げていました。
日本からだと想像しづらいかもしれませんが、被災地である四川省というのは本当に奥地も奥地で、周りも山、山、山、ヘリコプターですらなかなか着陸できないような険しい地域です。昨日の「報道ステーション」でも中国通といわれている加藤千尋氏が、あそこは三国志の蜀の国で、当時から険しい場所であったとコメントしています。恐らく、中国側のこの発表は変な誇張が含まれてなく、実際に支援部隊が到着しても彼らを運搬する手段がないと判断したのが断った理由でしょう。
また、以前に私自身が災害の専門家から聞いた話ですが、現場はボランティアなどの人員に対して、せっかく来てもらっているのだからまず連中の食事を用意しなければならない。その上、彼らを運搬、組織して使うのは彼らの労働力を考慮に入れても非常に大きなコストになるらしいです。実際に、最近だとこういった事実が伝わってきたのか、ネット上でも災害が起こるたびに役にも立たないエセボランティアが被災地に集まっていると非難する声も出てきました。そのせいか先ほどの専門家は災害が起きた際に一般人にやってもらいたい事は、ただお金を送金するだけだと言っていました。ヘタに身一つで被災地に来るより、ただお金を送金してもらう方がずっと現場は助かるそうです。
もっとも、今回日本政府が派遣しようとしたのは専門の救助隊ですから、いても邪魔になることはないでしょう。ただ現場の混乱と情報収集のために中国は今回一時的に断り、軍事政権の独裁から断ったミャンマーとは大違いだと私は考えています。なにもこの「朝ズバッ」に限らず、一部のメディアがさも中国政府が何かしら意図を持って支援を拒否したかのように見せており、内心むかむかした気持ちを覚えました。
そして今日夕方、そういった向こうの事情がある程度解消されたのか、日本の救助隊の受け入れを表明し、早速東京都の消防隊員らが成田から出発していきました。私が思うに、もうすこしメディアの方々は向こうの様子を見てから、今回の人的支援受け入れ拒否のニュースを報道すべきだったと思います。そこまで中国政府を悪人にしなくたってねぇ……悪人の集まりではあるけどさ。
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