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2009年2月12日木曜日

郵政見直し論争と今後の政局

「笑っちゃうくらいあきれた」=郵政見直し発言、首相を批判-自民・小泉氏(YAHOOニュース)

 ここ数日の麻生首相の郵政民営化の見直しとも否定とも取れる一連の発言に、とうとう民営化の立役者である小泉元首相が口を開いてその思いを語ったのが、リンクに貼ったニュース記事の内容です。
 この小泉元首相の発言について私の感想を述べると、小泉首相はかねてより「首相を引退したものは老害になりやすく、あまり後進に影響力を行使してはならない」と、自らが煮え湯を飲まされ続けた田中角栄元首相へのアンチテーゼを常々語ってきており、記者に聞かれるがままに当たり前のことをぺらぺらしゃべる森本首相とは一線を画して安倍、福田、麻生の三政権で発言を控えてきていました。その小泉元首相がはっきりと、しかもこれほどまでに攻撃的な発言をしたというのは相当腹に据えかねていたというべきか、実際の会見も私もテレビで見ましたがやっぱり表情が明らかにいつもと違っており、相当な覚悟を持って発言したことが伺えます。発言者が発言者なだけに、明日の自民党関係者のコメントが今からとても楽しみです。

 さてこの郵政民営化見直しについてですが、事の発端は鳩山邦夫総務大臣の「かんぽの宿」の売却見直し発言から始まりました。この発言が出た当初に私が気になったのは朝日新聞の社説で、隔日ではありましたが二回にもわたって鳩山総務大臣を批判し、もはや不良債権となっているかんぽの宿は値段がいくら安いからといってもとっとと売り払うべきだなどと、どっちかというと朝日新聞は鳩山総務相の肩を持って見直しを支持するかと思っていただけに意外でした。死刑論争が前にあったからでしょうかね。
 それはともかく、私も当初は朝日新聞同様に不良債権を早く処理すべしという立場でしたが、最終入札には売却先のオリックスしか参加していなかったという事実や、またある郵政施設が一万円で売られたところ六千万円で転売されたとの報道を受け、現在はもう少し様子を見るべきかと徐々に態度を変えてきています。

 しかし、これと郵政民営化の見直しの必要性は全く別問題でしょう。また仮に見直しをやるにしても、今この時期にそんな議論が本当に必要なのか非常に疑問です。
 かねがね麻生首相が自分で言っていたように、現在の経済状況は一国の猶予もないような状況です。そんな状況だからこそどんな経済対策が必要なのか、また議論次第にそれをすぐに実行しなくてはいけないにもかかわらず、郵政民営化についてあれこれ議論を蒸し返して無駄に時間を費やすなど愚の骨頂です。かんぽの宿問題は事実究明ということで議論と並行をして調査することも出来、また確かに無視できない一面があるものの、郵政解散時に賛成であったとか賛成でなかったとか、四分社化が本当にいいのかどうかというのは現状で優先度が高い議題とはとても思えません。いろいろと今になって見直すところがあるというのは私もよくわかりますが、やるのならもう少し落ち着いた頃にやるべきではないでしょうか。

 ここで私が自民党、民主党に言いたいのは、優先度の高い問題から議論せよということです。民主党もしつこく食い下がらずに経済問題に集中し、自民党もこれ以上の内輪もめはひとまずやめるべきでしょう。そして何より、わけのわからない発言で今回の郵政民営化の是非の議論を蒸し返してしまった麻生首相には相当の反省が必要であるとともに、定額給付金についても使うとか使わないとかころころ発言を変えたりせず、もっと背骨の通った態度を示してもらいたいと思います。

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