「そうだ、インドへ行こう」
何故か二十歳の時にこう思い立って、本当にインドに旅行したことがあります。
昨日、地元の友人から前から気になっていた「聖お兄さん」というマンガを借りて読んだのですが、マンガの中で出てくるブッダを見て私もインドを思い出したので、今日はちょっとその時のインド旅行の思い出を書いてみようと思います。
まず何でインドに行こうかと思ったかですが、前にも書いたことがありますが今でも続いている人気テレビ番組の「世界丸見え特捜部」という番組を私は子供の頃によく見ており、その番組では体中に針を刺したりとか頭突きで釘を打つなどといったトンデモ超人がよく紹介されていましたが、それら超人の大抵はインド人か中国人と決まっていました。基本的に不可思議なこと、奇妙なものへの興味は強く、このような番組を見ているうちにインドや中国に対して興味を持ったのがこの時に旅行を決心させたのだと思います。
またもう一つインドに行ってみたいと思うきっかけとして、幻の名マンガ「うめぼしの謎」というギャグ四コママンガにて、作者がインドに行った話を書いていたのを見ていたのも大きかったです。なおこのマンガはその作者のインド旅行の話が書かれた後すぐに打ち切りに合ってしまい、連載していた雑誌の「ギャグ王」もその後すぐ廃刊となってしまいました。
そんなわけで早速旅行代理店などを探してみると一週間ガイド付きで約八万円というプランがあったので、ほぼ即決でそのプランに応募することにしました。当初は自分ひとりでインドに行くつもりでしたが、近々インドに旅行することを友人のK君に伝えると何故か、「俺も行く」とか言ってきたので、二人で行くことになりました。ちなみにそのK君という友人は例えるならスタミナだけが取り柄のピッチャーのようなキャラクターで、敗戦処理を任せれば天下一品というような友人です……もちろん、冗談ですが。
という具合で話が進み、出発日に空港へ行ってエア・インディア航空の飛行機に乗って一路インドへと向かいました。後で知り合いに聞いた話ですがこの時に乗ったエア・インディア航空は通称「空飛ぶ棺桶」とまで呼ばれるほどしょっちゅう問題を起こしていることで有名な航空会社だったそうなのですが、行きの便についてはなにも問題ありませんでした。ただK君が以前に歯の治療を中途半端に終えていたのか、飛行機が着陸する直前に室内の気圧が変動するのを受けて猛烈に歯の痛みを訴えだし、横目にも非常に辛そうでした。私もいちおう「頑張って」と励ますのですが、「頑張れへん……」といってマジな顔されたのは今でもよく覚えています。
そうこうして飛行機はインドのニューデリー空港に夜に到着し、そこで待っていた現地ガイドのスレーシュ・ギリさんと合流し、その日は一路ニューデリー市内のホテルに向かってそのまま一夜を明かしました。
次の日は早朝にスレーシュさんと合流してデリー市内の観光をしたのですが、まずデリーの感想を一言で言うとその人の多さと市内のカオスっぷりに驚きました。人の多さは北京も似たようなものですがデリーの場合は北京より古い建物が多くて雑然とした環境で言えば遥かに北京を上回り、また普通に道路の真ん中を牛が横切っていたり(インドで牛は神聖な動物として、普通に野良牛とかそこら辺にいる)、ちょっとわき道に入れば野良犬もそこら中にいて、見るものすべてがいろんな意味で新鮮でした。
デリー市内で観光をした場所はちょっと記憶が曖昧になっていますが、フランスの凱旋門にそっくり、というかそのままなインド門やガネーシャ神の寺院、それに古城で、夕方まで一通り観光するとそのまま鉄道の駅へと向かい、早くもその日のうちに次の目的地のベナレス(現地では「バラーナスィー」という発音)行きの夜行列車に乗りました。ちなみにその鉄道の駅にて私たちを見つけたバックパッカーの日本人が、その人の持ってきる切符の列車はどれかと尋ねてきたのですが私たちにそんなのわかるわけないので、ガイドのスレーシュさんを呼んで対応してもらいました。
ここで簡単にスレーシュさんの経歴を話すと、彼は大学にて日本語を専攻してそのまま観光ガイドの職についたようです。タクシーで移動中にちょっとしたことからインドの歴史について話をしたところ、何でも彼の出身は向こうでの武士階級に属する「クシャトリヤ」だったそうで、そうしたカースト制度についてもいろいろと聞かせてもらいました。
話は夜行列車に戻りますが、インドは中国同様に国土が広いということで都市間の移動にはこちらも中国とおなじく長距離列車がよく使われております。列車自体は個人寝室ごとにカーテンがないだけで見た感じは普通の二段式寝台車で、物を盗まれないように防犯用チェーンを荷物につけて寝るのが普通です。
なおこの時に自分たちは二等客室でしたが、一等客室には政府高官が乗っていたのか時折社内の廊下をマシンガンを持った「ブラックキャット」と呼ばれる軍人が巡回していました。スレーシュさんによると、こういうことはよくあることだそうです。
またこの時に同じツアーに参加している従兄弟同士の女性らとも合流し、次の行き先のベナレスでは一緒に行動しようと決め合ったのですが、その女性らはデリーでの観光の際にインドの民族衣装のサリーを買ってその時も着ていたのですが、なんでも彼女らのガイドと同行せずに行ったらしく、変な店で偽物をつかまされていたのかサリーの色が汗だけですでに落ち始めていました。別にサリーに限るわけじゃないですが、私の所感だと中国なんかより素性のよくない商品をつかまされる確立がインドでは高かった気がします。それだけインド人の商魂がたくましいことでもあるんだけど。
そうして次のベナレスへと行くのですが、続きはまた次回に。明日は熱が下がっているといいな。
体調大丈夫ですか?僕も以前から体調を崩していたのですが、最近やっと治りました。
返信削除インドの話非常に面白かったです。K君ネタも面白かったのですが、兵士がマシンガンを持ってうろつくところも面白かったです。そんなんじゃ、安心して眠れませんよね笑
おかげさまで今日の体調は大分調子がいいです。ただなんか世の中の見方が悲観的に見えてしまいます、何かに影響を受けたかな。
返信削除あまり日本じゃ報道されていませんがインドは今でも大臣クラスがやられる暗殺がよく起こっており、またイスラム教徒も非常に多くいるためにテロの潜在的危険性も高い国です。行ってみないとわからないということも多いのですが、特にアジア国はそういう面が強い気がします。