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2009年4月16日木曜日

若者の政治離れの連鎖現象

 このところNHKの番組を引用してばっかで今日もそうなのですが、一昨日のクローズアップ現代にて若者の政治離れが取り上げられていました。私もいちおう若者に属す側なので、他人事ではないということでひとつ黙って見てみました。

 まずその番組でなるほどと思ったのが、ゲストに来ていた片山善博慶応大教授の発言でした。その発言というのも、このところ若者が政治から離れて投票に行かないことで、政治家らも自分の票に結びつかないことから若者対策の政策を打ち出さなくなってきており、さらに若者の側もそうした政治家の行動から政治から何の恩恵も得られないと感じてますます政治から離れるという、まさに一種の負の連鎖現象が起きているという内容でしたが、なかなか言われることごもっともです。

 ちょっと詳しいデータが手元にありませんが、選挙における若者の投票率は毎回壮年層、老年層と比べて非常に低くなる傾向があると言われております。そうした若者らは決まった政治思想を持たない浮動票であることが多いため、これまで得票を期待して若者に対して選挙で強くアピールする政治家もいましたがそのどれもが最終的には敗北しています。私がはっきりとこの目で見てきたそのような例は大分前の大阪府知事選に出馬した江本猛紀氏の例で、江本氏はこれという地盤を持たなかったために浮動票を狙って若者らに強くアピールして街頭でもよく握手とかしていましたが結果は太田房江氏に大敗し、政治評論家たちも若者を中心に支持者を取り込もうとしたことが一つの敗因だったと指摘していました。

 では何故若者は上の世代と比べて投票に行かないのでしょうか。これは私の例ですが、実は私は現在20代の半ばですが今年になって初めて地方選挙の投票に行ってきました。別にこの一年で急激に政治に目覚めたわけでなければ(14歳の頃から政治に興味はあった)投票にもこれまで何度も早く行きたいと考えていたものの、これまでは大学に通うために住民票がある実家から離れて下宿で生活していたので、学期間中に選挙が行われる際には投票することが出来ずにいました。そんでもって夏休みに選挙があるからこれで投票できると思っていたら、選挙日の前に中国留学へ出発したし……。
 都市部ならともかく、地方出身の学生はこういうパターンの人がそれなりにいるでしょう。

 ただこうした物理的な面より周りの同年代の人間を見ていると、やっぱり候補者の履歴や打ち出している政策が全くわからないという、政治的無関心というよりは政治的無知によるものが投票に行かない一番大きな理由だと思います。これなんか何度かこのブログで書いているのですが、やっぱり後輩などの話を聞いていると政治がどんな風に行われ今何が必要で何が議論されているのかがわからず、興味はあるもののどのように投票したり行動すればいいのかがわからないというのが非常に多いです。
 実際に政治はある程度基礎的な知識を身につけなければ入り込みづらい領域であるため、こうした若者が出てくるのはある程度仕方が無いとは思います。そんな若者たちに一定の知識や解説を行うという目的を含んでこのブログと全然更新していない「陽月旦」私は立ち上げたのですが、やはり文字だけで教えるよりはマンツーマンであれこれ細かく教えた方が効率がいいのかもと思う時もあります。

 とはいえ現在の若者が置かれている現状は不安定な雇用や多大な社会保障負担などと、ここ数十年で最もといっていい位に厳しい状況下にある世代だと言えます。この状況下で若者が投票に行かず上の世代だけが投票に行くとしたら、ますます若者へと負担が押し付けられる政策が通りやすくなるのは予想に難くありません。まぁ私としたら投票に行かない人間よりは投票に行く人間が政治的に厚遇されて然るべきだと思っているのでそれはそれでありだと思いますが、不平不満を言ったりヤケ起こして犯罪を行うくらいであればもっと若者らも投票行動を起こし、強く自分らの主張を訴えるべきでしょう。
 しかし投票に行くにしてもどの政治家が自分らの味方になるのか、どんな政策を支持すれば自分たちにも日が当たるのかがわからないと、下手をすれば自分たちの敵となる人間を議場へ送ってしまうこともあるやもしれません。

 そうしたことを考慮して私は差し当たり、若者内である程度の投票集団を組織することが手っ取り早くて効果が見込めると考えています。これは思想信条が合う者同士で集まってその中から政治について学んでいたりある程度知識のある人をリーダーに決め、選挙時にそのリーダーの指示する政党や候補者に投票する一種の組織票集団を作ることにより、組織票として政治家達にも強い主張を行えるようになるし集団内で政治について教えあうことで知識の向上を図ることがねらいですが、大体100人ほどの集団になればそれなりにいろいろなことができると思います。ま、自分で言うのなんだけど自分らの世代ってまとまりが無いからむずかしいだろうけどね。

  おまけ
 仮に若者が投票に行くようになっても世代別人口では上の世代の方が多いから政策に結びつかないのではとこれまで私は考えていたのですが、総務省の平成17年のデータで調べてみたら以下のような人口比でした。

・20~39歳:34,121,285人
・40~59歳:34,858,120人
・60~80歳:27,877,537人


 という結果で、確かに40~80歳と比べると若者層と私が見ている20~39歳層は人数で見劣りしますが、思ったよりは少なくありませんでした。これだったらきちんと投票行動を行えばいろいろ反映できるとは思うのですが。

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