都議選を控えた先月末から今月はじめより、東国原宮崎県知事の次期衆院選の総裁選出馬騒動ががどの局でも大きく取り上げられていました。私もこのブログにて騒動が起こった当初、「東国原知事の出馬要請に対する返答について」の記事にてこの騒動を取り上げていますが、私はその時点で東国原知事は敢えて無理難題ともいえる要求を自民党に言って遠回しに要請を断るつもりなのだろうと考えていたのですが、その後も古賀選対委員長(当時)が交渉を続け、また東国原知事の方も会談に応じるなどこの騒動はなかなか終わらずにいました。
結果からいうと私が当初に主張した「遠回しに断る」というのは間違いだったことになるのですが、多少の言い訳をすると東国原知事に最終的に出馬を断念させた北野たけし氏も当初は私と同じような見方をしており、問題だったのは総裁選に出させろという無理難題に対して古賀氏が思った以上に食いついてしまって交渉を続けたことだったと述べていました。おそらく北野氏の見方は、当初は東国原知事が遠回しに断ろうとしたところを自民党が思った以上に相手してくれたので、これならいけるかもしれないと色心を出したのが騒動が延々と続いた理由ではないのか、といったような見方で、終わってみれば私もそんな気がします。
しかしその一方、東国原知事が初めから今回の自民党の総裁選候補にさせるという要求が自民党に通ると思っていた節も一概に否めません。元々東国原知事はかねてより国政転身について言及しており、本人としたら知事で政治人生を終えるつもりがないのはほぼ間違いありません。折も折で自民党が下野する可能性を秘めて大きく政界再編が予想される現在、そんな混乱の折に一気に頂点まで上り詰められるかもしれないという野望を持ったのかもしれません。もしそうだとすると、東国原知事には大きな過信があるということになります。
東国原知事はこの騒動のさなかに何度も、「国民の信頼を得ているのは自分だ」とする発言を繰り返しており、それこそ要求すべてが通って自分が総裁になればまるで自民党が次回選挙にも勝てるかのような発言までしておりました。しかしこの騒動中の各種アンケートでは国政転身について任期途中で辞任させられる宮崎県内において反対が八割近くを閉めただけでなく、全国のアンケートでも「理解できない」とする回答がどこも過半数を占めていました。
こうした調査が公表されるにつれて露骨に東国原知事もトーンダウンしていき、最初の勢いはどこ吹く風とばかりに弱気になり、最後は北野たけし氏に出馬を引き止められたことを理由にして幕引きを図りました。
今回の騒動を見て私が感じたのは、思っていた以上に東国原知事は甘い見通しを持つのだなということでした。結果からいえばこの騒動が自民党の都議選に与えた影響は少なくなく、もしなければまだあと一人や二人は自民党出馬の候補が受かっていたように思えます。それほどまで国民から冷たい目で見られていたにもかかわらず本当にうまくいくと思ったのか、これまではそこそこ評価していましたが今後はちょっと考え直さざるを得ません。
政治家に限るわけじゃないですが、すこしちやほやされたことですぐに浮かれないというのは人間として大事な部分です。
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