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2009年8月28日金曜日

今回の選挙を振り返って

 現在行われている衆議院総選挙も明後日の投票日を迎えることで終了するので、今日は今回の選挙で私が感じた各党の戦略や国民の反応をまとめようかと思います。

 まず今回の選挙で最も特徴的だったといえるのが戦後最長となった四十日間にも及ぶ選挙期間です。八月の間に大勢が帰省するお盆を挟む事から多少は仕方のない日程ではあったものの、こうして選挙日程が消化してみるとやっぱり随分と長かったように私も感じます。このブログでも、一体何度選挙関係の記事を書いた事やら。
 この長い選挙期間は先ほどに言ったお盆を挟むという日程上の原因もさることながら、私はやはり解散と選挙日を決めた自民党上層部の戦略もあって決定されたものだと見ております。恐らく自民党幹部らはサミットも終わったために早く解散をしなければ国民からの批判が日増しに強くなっていくものの、当時の低い支持率では迂闊に選挙が出来ないと踏んで、選挙期間を長く持つことで期間中に逆転を狙っていたのではないかと私は考えております。

 仮にこの戦略を自民党が持っていたとしたら、結論から言えばその目論見は少なくとも成功するには至らなかったことになります。内閣、政党支持率はこの選挙期間中にいろんなところがそれこそ毎週のように調査、公表しておりましたが、私の見たところどれも大きな変動は示さず、七月の解散時点からいえば無支持の層が投票態度を固めて自民、民主それぞれの政党支持率がわずかに上昇したに過ぎませんでした。

 では自民党は選挙運動で民主に対して逆転しようとしたのかですが、はっきり言って非常にお粗末な手法ともいえるネガティブキャンペーンを取ってしまったのが大きな失敗だったと私は見ています。これについては私も以前の記事で取り上げましたが、明らかに民主党代表の鳩山由紀夫氏に似せたキャラクターを使った動画を作ったり、街中の演説でも選挙後に自民党が行おうといる自党の政策説明以上に民主党への批判ばかりをしていたように思えます。
 前にも書きましたが日本人は国民性ゆえか、このネガティブキャンペーンが広告として成功した例はほとんどありません。こうした選挙活動をするくらいなら自民党は、初めにやっていたように麻生首相がしおらしくお詫び行脚をしていた方がまだ被害を最小限に食い止められたのではないかと思います。最近はなんだか、このお詫びも全くしなくなったそうですけど。

 それに対して民主党はどうだったかというと、もちろん自民党のこれまでの定額給付金などといった失政批判もやっていましたが、それ以上にワンフレーズポリティクスこと、「政権交代」をひたすら何度も連呼する作戦で選挙活動を行っていたように思えます。今のような表現を使えば恐らく分る思いますがこの手法は小泉元首相が郵政選挙でひたすら「郵政民営化」を叫んだ手法と全く一緒で、小泉元首相もその点を理解しているのかこの前地方の演説会において今回の選挙における民主党の選挙運動方法を誉めておりました。多少皮肉が混ざっているでしょうが。

 そういった各党の選挙方法を見ている国民はどうだったかというと、私の見方ではあまり何にも影響されなかったのではないかと思います。これは言い換えるなら、七月の解散時点からほとんど国民の投票意思は変わらなかったのではないかということです。こう考えるのも先ほども言ったとおり、政党支持率は解散以降はほとんど変動せず、またテレビのインタビューに答える市民もどことなくこの選挙戦に冷めているように見えたからです。

 何故そのように国民は今回の選挙に対して冷めているかというと、一つに両党の提唱している政策双方に期待していないからだと思います。民主党の政策は実現できたらありがたいけど財源の確保がないとわかっており、対するその民主党の財源問題を指摘して批判する自民党もあまり自分たちの具体的な政策の説明はしない。しかも両党ともに選挙後に取ろうとする政策はどっちもほとんど同じバラマキ政策で、政策における対立点がほとんど見えず明確な比較が出来なかったのも強かったと思います。仮に自民党が選挙前に議論になったように、国会議員の世襲禁止といった目立つ独自の政策案を盛り込んでいたらこの辺はまだ違っていたでしょう。

 そうなるとどんな点を見て国民は投票先を決めたのかといえば、減点法というべきか、これまでそれぞれの政党がどれだけ失態をかましてきたかで判断したと思います。民主党側は私はそれほど問題だとは思っていないものの小沢前代表の西松建設献金問題と逆にこっちは私も問題視している鳩山現代表の故人献金疑惑、それに対して自民党はすでに三人も首相が中途で交代している上に中川元財務省の泥酔会見、相次ぐ首相の失言、なかなか選挙に移らない態度の曖昧さなどが主な減点の対象でしょう。こうした減点対象の中身と多さから、消去法的に民主党への支持が選挙前に固まったままこの四十日間が過ぎたというのが私の今回の選挙の見方です。

 私は明日にでも期日前投票をするつもりですが、同じ毒ならまだ飲んだことのない毒を飲みたいので民主党に小選挙区も比例も入れるつもりです。本当は何度か講演会にも行ったことのある地元の自民党候補に小選挙区は投票しようかと思っていたのですが、五月に「よかったら選挙をボランティアで手伝うよ」と言って「助かる」という返事も受け取っていたたのに見事に無視されたので、小選挙区でも今回は民主党に入れることにしました。

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