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2009年11月20日金曜日

これからの不動産購入について

 このところ不況の影響からか、住宅ローン破産を取り上げるニュースが増えてきました。このような特集で取り上げられる例は年二回のボーナス払いを行う住宅ローンを組んだものの、不況によって会社が倒産した、または倒産こそしていないもののボーナスが削減、見送りされたために年末のボーナス払いが行えなくなりやむなく住宅を売り払うといったケースです。

 私の友人によると、そもそもローンを組めばその分だけ原価に加えて金融機関に金利を払わねばならず、なおかつ住宅を保有してしまうと火災や地震の倒壊リスクを抱え込むことになるので、ローンまで組んで焦って住宅を買う奴が馬鹿なんだと常々申しておりました。私もこの友人ほど極端ではないものの、毎年増えていく金利に加えて火災、地震保険のランニングコストを考えるとまとまった金額が貯まるまでどうして賃貸で我慢しないのかと思ってしまいます。

 もっともこんな風に考えるのも私とその友人が根っからの貧乏性で、お互いに学生時代は家賃三万円以下の安アパートで起居していた経験があるからかもしれません。しかしそれを推しても、私は今後の日本の不動産市場はローンを組むだけ損をするという風に考えております。例外なのは今年と来年の一年間くらいで、それ以降に購入する場合はなるべく待てば待つほど購入する側が有利になって行くと思います。

 まず今年の不動産購入についてですが、今年は例のリーマンショックの影響を受けて不動産業界にとって最悪の年となりました。そのため中には会社を維持するために赤字覚悟でマンションなどを安値で売り出している所も多く、今現在で言えば不動産を購入するのにいい条件が揃っているかと思われます。
 しかしこの状況がさすがに来年以降も続くかといったらそれはまた微妙で、まだ来年一年くらいは不動産価値に対してそこそこ良い値で購入できるかもしれませんが、それでももう一つの要素である日本の人口減による影響を考えるとちょっと考え物です。

 今ここで出しましたが、私は今後の日本の不動産市場を考える上で最も重要な要素となるのが日本の人口が減っていくという点だと考えております。
 バブル期の日本の不動産は土地から建物にいたるまでどれもとんでもない額で取引されておりました。一体何故そんなとんでもない額が飛び回っていたかといえば当時の日本が成長の絶頂期にあったということもありましたが、それ以上に全国各地で住居が不足していたという理由が大きくありました。

 私なんかがまだ生まれてもいない高度経済成長期の本などを読んでいると、よく狭い住居に家族で住むのは大変だ、政治がもっとしっかりしなければ、などといったセリフ回しをよく見ます。実際に当時の社会問題を見ると核家族化の広まりによって全国的に住居が不足していて、住宅建築ブームというものがはっきりと起きていたそうです。
 このように日本はバブル期まで一貫として住居、ひいては土地といった不動産の需要が非常に高かったのですが、それらの需要を引き上げていたのは他の何よりも母数の増加こと人口の増加という要因でした。

 しかし少子化が叫ばれて久しいこの世の中、もはやバブル期以前ほど住居を新たに必要とする人間自体が大きく減少しました。当たり前といえば当たり前ですが、このまま少子化の傾向が続くのであれば不動産全体の需要も減っていくこととなり、恐らく東京の中心部を除いて今後は下がる事はあっても不動産価値が上がる事はまずよっぽどのことがない限りありえないと私は見ております。それはつまり、今後の日本の不動産は時とともに下落していく一方という事になります。

 それでも失われた十年の間は東京に人口が集まってきた関係もあってOLが都内のマンションを購入し、それを賃貸に回して利ざやを稼ぐという方法も通じましたが、どうもあちこちから話を聞いているとすでに東京都内の賃貸マンションの価格すらも下落し始めてきているそうです。これは東京への人口集中するのが止まったというよりは、人口集中以上に少子化の影響が強く出始めてきたのではないかとうちの親父は話しています。

 そのため私は今後日本で住宅などの不動産を購入する場合には、粘れば粘った者勝ちという傾向にあるのではないかと考えております。つまり購入するのを我慢して下落を待てば待つほど、先に購入した人間が支払う原価、金利分を上回る安値で購入出来るのではないかという事です。
 これを消費者全体で見るなら、それほど悪くない変化だと私は考えております。というのも日本の住宅価格は世界的にも以上な価格なために今起きているような不測の事態にローン破産をするものが出たり、その後の将来設計を大きく制限させられているからです。
 
 しかしこれが不動産市場で見ると、まぁ今まで明らかに需要以上に市場が大きくなりすぎていたきらいもありますが、今後の不動産市場は縮小していく一方という事になります。今まで異常だったのが元の鞘に戻るだけでごく健全なことなのですが、こういうことを知らずに不動産業界に学生が入っていくのを見るといろいろと不憫な気持ちになります。

  おまけ
 以前に知り合いの中国人が私に、「ライオンズマンションって会社はどう?」と聞いてきました。なんでも彼の友人がそこに就職する事になったそうなのですが、私はこの記事で書いてある話をして恐らくきついだけで将来はあまり明るくないと教えたところ、案の定そうだったらしく、就職した彼の友人は半年で辞めてしまったそうです。入社式をハワイでやったそうですが、こういう無駄なものに金をかけている時点で怪しいと思わなくちゃ。

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