前回に引き続き、また私の留学中のルームメイトのドゥーフェイの話です。
さて前回では主に彼の母国であるルーマニアを含む東欧を取り巻く状況について書きましたが、今日はルーマニアという国自体について彼が話していた事を書こうと思います。
まずルーマニアと来ると日本人は何を想像するかですが、もう世代にも寄ってしまいますが、恐らく比較的年齢が高い世代だとまず第一にチャウシェスクが出てくると思います。このチャウシェスクについて分からない方のために説明しておくと要は旧ソ連時代にルーマニアを支配していた独裁者で、旧ソ連が崩壊する間際、ゴルバチョフのペレストロイカ政策によって次々と東欧諸国が民主化していく中で起こったルーマニア革命時に捕縛後、独裁時代に国民の生活を省みなかったとして婦人とともに公開処刑されております。
しかし処刑後、当時にルーマニアの政治を取り仕切っていたのは高級官僚たちでチャウシェスク自身は国内がどんな状況にあるか全く知らない裸の王様だったのではないかと言われております。またそうした声を受けてか革命後の国内調査でも、市場経済化によって失業者が増え、最低限のパンは配給されていた共産主義時代が懐かしいと国民の六割が答えたそうです。
何気にタイムリーな事に、この前ベルリンの壁崩壊から二十周年記念がベルリンで行われていましたが、その際のインタビューにて元東ドイツ住民が似た様な事を言っていました。
このチャウシェスクの次に有名なルーマニア人と来ると、こちらも大分古い人物ですがナディア・コマネチが来て、その次辺りには女子マラソンでいつも二位だったリディア・シモンがいます。
そんなルーマニアの現在の状況ですが、ドゥーフェイによるとやはり貧しい国だそうです。首都のブカレストはまだしも、農村に行くと未だに農業機械が全くないために牛や馬が中心の農業が営まれており、身内への贈答品にはなるべく大きな動物ほど喜ばれるそうです。
そして先ほどのチャウシェスク関連になりますが、共産主義時代と今とを比べてどうかと尋ねたところ、彼の場合は率直に今の時代の方が良いと即答しました。恐らく彼がこう答えた背景には彼がルーマニアの国民の中でも比較的裕福な出身による影響が大きいと私は見ていますが、彼が今の時代の方が良いという理由について語った中に、以前はお金があっても何も手に入れることが出来なかったが今ではお金があれば何でも買うことが出来るというのがありました。そのような今なら手に入れられるものの代表格として彼が挙げたものの一つに、意外なことに蜜柑が真っ先に挙げられました。
なんでも共産主義時代は西側との貿易が許されず、蜜柑などといった柑橘系の果物が一切入ってこなかったそうです。これまた元東ドイツの話になりますが、ちょっと前の東ドイツの若者は電車の中だろうと街中だろうとみんなバナナを手に持って食べ歩いていたそうなのですが、彼らが子供だった旧東ドイツ時代はバナナを一切触ることすら出来ず、その反動で元東ドイツで子供時代をすごした現代のドイツの若者は今貪り食うようになったと言います。話を聞く限りだとルーマニアでもほぼ同じ状況だったそうで、ドゥーフェイ自身も暇さえあれば蜜柑を買って食べていました。
私自身、行った事もなければ勉強したこともありませんが、東欧諸国というのはこのように貧しく、また厳しい生活環境にある国が多いそうで、自殺率のランキングも上位をこの東欧諸国がほとんど占めます。もし機会があればそれこそこのルーマニアやウクライナなんかに私も出向いてみたいのですが、何時になることやら。
さて次回はドゥーフェイの個人的な話を紹介します。今日はまだ短くまとめられた。
インフルエンザは治りましたでしょうか?予防接種はまったく無意味だとたかじんの番組で言われていたのですが、本当でしょうか?
返信削除東欧は貧しいのですね。いまだに農業機械を持っていないなんて信じられないですね。自殺率も高いのですね。周りに裕福な国があると、比較してしまうのかもしれませんね。
僕は東欧と言えば、ホステルというスロバキアが描かれていた映画を観たのですが、スロバキアにいった若者が惨殺されると作品でスロバキアは死の国だと思わされましたよ(笑)。
ガジェット通信に取り上げてもらえたそうですね。おめでとうございます。自覚しておられると思いますが、花園さんの記事は面白いですよ。
インフルエンザの予防接種の話は特に聞いた事はないですね。この辺は専門家の話を聞かないと迂闊に素人が口出しする領分でもないので、ちょっと自分で調べられる範囲で調べてみます。それにしても、たかじんの番組は何で関東ではやらないのだろう。
返信削除東欧もいろいろ調べてみるとかえって面白いかも知れません。あまり日本では取り上げられる事が少ない国ですし、いつか自分でも行ってみたい所です。自殺が本当に多いんだけどさ。