今年の夏に一回だけホラーゲームの特集をしたことがありましたが、あれは本来なら続編を書いてそこで本当に取り上げたかったゲームの詳しい紹介をと考えていたのですが、いかんせん書いた直後に思っていたより企画自体が面白くなくて中断させてしまいました。昨日も更新をサボりましたがちょっと今日も書こうと思う内容が浮かばないので、しょうがないからホラーゲーム単体での記事ということで「学校であった怖い話」についてちょっと書いてみようと思います。
この「学校であった怖い話」(通称:学怖)はスーパーファミコンとプレイステーションという二つのハードで出されましたが、一般的には私も遊んだスーパーファミコンのバージョンのがポピュラーです。このゲームはチュンソフトが出した「かまいたちの夜」に代表される選択肢を選びながら物語を読むサウンドノベルというジャンルのゲームなのですが、以前にどこかで見た評論にこんなのがありました。
「サウンドノベルは一見簡単に作れそうなジャンルだが実際にはプレイヤーに満足感を引き出させるためには膨大な量の選択肢とテキスト量が要求され、結局スーパーファミコン時代でこの二つの条件に見合う作品はチュンソフト製の「弟切草」と「かまいたちの夜」、そしてパンドラボックスの「学校であった怖い話」、「晦-つきこもり」の四作だけだった」
私としてもこの評論に同意する部分が多く、「かまいたちの夜」のヒット以降にいくつか他社からもサウンドノベルのゲームがいくつか出たもののそのどれもが分量が少ない上に選択肢の分岐展開も低く、お世辞にも満足できる代物はありませんでした。ちなみに一番頭に来たのはミステリー作家である赤川次郎原作の「魔女達の眠り」で、ゲーム自体はそこまでひどいものではなかったものの光栄が出していた攻略本に、「全EDを見るとおまけシナリオが見られる」と書いてあったものの、実際にはこれが全くのデマであり、うちの姉貴と何で見れないんだろうと子供の時分に深く頭を抱える事になりました。これが私に対する光栄の初めての裏切りでした。
それはさておき今日の本題の「学校であった怖い話」ですが、これは文句なしに私は名作だと考えています。まず文章量についてですが先発の「かまいたちの夜」をはるかに凌駕する分量で、なおかつ分岐による展開も一体いくつあるんだと呆れるくらいに幅広いものでした。その上でテキストもただ冗長なだけでなくどれも波乱に富んでいる上に登場人物のキャラクター性の高さと相まって技術が光り、このゲームの製作指揮をしたクリエイターはその後、史上最悪のクソゲーと呼ばれる「四八(仮)」を作るまではファンの間で一目置かれていました。
その上でこの「学校であった怖い話」の特徴を挙げるとすれば、豊富な文章量に加えて実によく出来た恐怖の演出に尽きると思います。ゲームの画質はスーパーファミコンなので今見るとちょっと荒いような印象を受けるかもしれませんが、かえってその荒い画質が恐怖をわきあがらせるにはちょうどよかったところがあります。そんな画質で出てくる登場人物は主に実写の高校生(に扮した人たち)なのですが、学校の怪談でおなじみの花子さんや逆さ女、宇宙人やら変なみの虫お化けなど恐怖系キャラも多岐に渡り、特に花子さんは登場の仕方があまりにもあれなのでリアルにゾクッとしますし今でも思い出すと夜トイレに行くのをためらうほどの印象を残しています。
現在このゲームはプレイステーション版の「学校であった怖い話S」がPSP、PS3のアーカイブスで600円でダウンロードできるので割りと入手しやすくなっております。私はプレイステーション版はやった事がないのでこの際入手するべきか悩んでいますが、どちらもやった事がなくてサウンドノベルが好きな方であればきっと満足するであろう作品なのでお手にとられることを強く勧めます。
ちなみにこのゲームの中で私が気に入っているシナリオをいくつか紹介すると、下記の通りになります。
・トイレの花子さん
学校の怪談における不動のエースなだけあってこのゲームでも特殊なシナリオ扱いとなっております。よく花子さんは小学生の女の子でかかれることが多いですが、高校生ともなるとその恐怖と猟奇性は格段に違うのだなと見せ付けられたシナリオでした。
・人形のいけにえ
単純に恐怖の度合いで言えばこのシナリオがダントツに怖い話でした。「徐々に追い詰められる→打開できるかも→そうはいくか(゚∀゚)」という恐怖演出の三段活用が実にうまく決まっており、底なしに震えさせられる内容です。ちなみにこのシナリオの話者は私の後輩の話し方によく似ているので友達との間では人気でした。
・美術室の自画像
よくあるシナリオといえばそれだけなのですが、それだけに単純に怖かった覚えがあります。画像が妙にグロい。
昔このゲームを友人に貸した所、主人公の名前が「歌 ウタオ」で帰って来ました。何か意図したい物があったのかもしれません。
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