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2010年10月19日火曜日

インドから見た日本

 日本人からするとカレーとダルシム(ヨガ)のイメージが強いインドですが、近年にわかに日中関係から日本における存在感が高まっているのではないかと勝手に思っています。一体インドが何故日中関係に影響するのかというと単純に中国とめちゃくちゃインドは仲が悪く、地理の授業でもカシミール地方で中国とインドとの間で領土問題が起こっていると教えられるくらい仲が悪い国だからです。

 そんなインドに対して中国はこの前の尖閣諸島で見せたいつも通りに強引な主張をこのカシミール問題でもやっていることでしょうが、その裏ではしたたかな外交戦術というべきか、「敵の敵は味方だ」と言わんばかりに最近はだいぶマシになったけどこれまたインドと仲の悪いパキスタンとの外交関係を強化しております。
 これはいわば中国伝統の遠交近攻策で、オセロゲームのように敵を自国と味方で囲い込むことで攻めていくやり方なのですが、このオセロの範囲を広げるとちょうどインドと日本の間に中国を当て込むことも可能で、今後中国の領土拡張政策を抑えるためにも中国を囲む周辺国で一致して行動し、そのためにもインドは日本の重要なパートナーになるであろうという意見を主張する人も少なくありません。

 ではそんなインドは日本に対してどんなイメージを持っているかですが、まず前情報として企業進出の話をします。インドに出ている日本企業の中でも代表的なのは自動車、バイクのメーカーであるスズキで、ここは早くからインドに進出して現地での生産、販売を幅広く手掛けてきた甲斐あって現地の人間なら知らないものはまずいないというほどの認知度を獲得しております。ただ進出した際はやっぱり大変だったそうで、日本の「同じ釜の飯を食う」という発想の社員食堂を作ったところ、「下のカーストの連中と一緒には食べれない」という文句が来たりしたそうです。

 スズキ以外の日系企業となると、私自身があまり詳しくはないのもありますがやはり自動車関連のメーカーがいくつか出ているのを除くとまだそれほど多くないような気がします。90年代にIT化を進めようと日本が言い出した際、インド人技術者には率先して就労ビザを出そうといいながらもほとんど出さなかったくらいなので民間交流はそれほど多くないと言えるでしょう。

 では単純にイメージではどうかですが、実は私がインドに旅行中に直接インド人ガイドに尋ねたことがありました。そのガイドは私の質問に対し、

「インド人は日本人に対してそれほど悪い感情を持ってはいませんが、核のことについてとやかく言われたくないと思っています」

 そうだった。インドは核保有国だった。
 このガイドの話を聞いた直後の私の感想はまさにこれでした。インドは隣国パキスタンとの軍拡競争の中で核爆弾の製造と実験を行い、NPTから脱退した上で核保有国となりました。そして世界唯一の被爆国である日本は当時に強くインドとパキスタンを非難しました。

 もっともインドの核実験が行われてもう大分経つので向こうも気にしてないかもしれませんし、これまでも日本はアメリカの核の傘に効果があったないかは別として守られてきたのは事実なのであまり気にせずに中国を封じ込めるために共同歩調を取ることに問題はないかと思います。私としても先日の何も食べずとも行き続けられるおじいちゃんを始めとするビックリ人間が大量にいるインドは子供のころから大好きな国なので、日印で仲良くしてくれたらなぁという勝手な願いがあります。たとえそれが中国との関係を悪化させるとしても。

  おまけ
 今日の中国の報道で、この前日本に来て天皇会見問題に関係した中国の習近平氏が軍事責任者第二位に就任することが発表され、事実上胡錦濤氏の後継となることになりました。私はなんだかんだいって胡錦濤氏は日中関係に努力してくれて、今回の尖閣諸島問題でも何故かテレビでこの問題に言及することがなかったので名残惜しい気持ちがして、次の習近平氏はなんか冷たい感じがするのでまたやりづらくなるような気がします。

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