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2010年11月12日金曜日

前原誠二への中国の関心

 昨日の晩に友人からリクエストというか質問を受けたので、自分としても書く気満々の内容であったので早速記事にしようと思います。
 確か先々週辺りだったと思いますが、日本のネットニュースにて中国の環球時報という新聞が一面を使って日本の前原誠二外相を激しく批判する内容を載せたという情報が載っていました。昨晩の友人の質問はこれが本当だったのかという質問だったのですが実はたまたま私もこのネットニュースを見ていたこともあり、当時直接環球時報のサイトへ行って確認をしていました。

 結果から言うと、この情報は本当でした。環球時報時報の社説欄にて前原氏一人を取り上げて、私の見た印象だと日本のネットニュースの表現(外交ではタカ派で要注意人物と書かれていた)以上に強い調子で以って、批判を通り越して非難を行っていたように思えます。覚えている内容を抜粋すると、

「(前原外相は)尖閣諸島問題について日本に領土問題はないと否定した」
「かねてから中国の軍事拡大を批判している」
「彼一人の行動と発言によって日中は会談や関係発展が阻害されている」

 といった所でした。個人的には三番目の点についてこの前の東アジアサミットの日中首脳会談を中国がドタキャンした際に、「日本側が雰囲気を壊した」などと、夢見る女子高生みたいな理由を話したのはどっちだよとちょっと思いましたが。

 ただこの環球時報に限らず、中国の政府側が前原外相に対して良くも悪くも注目しているのは確かなようです。実は中国滞在中のある日の朝、たまたまテレビをつけていたら世界事情を取り上げるニュース番組にて前原外相を単独で取り上げる特集が組まれていました。内容は前原氏のこれまでの経歴から外交姿勢までを解説したのですが見ていて驚いたのは実に細かい情報まで逐一取り上げている事で、特に経歴については京都大学卒で松下政経塾を出ており、さらには鉄道オタクであることまで鉄道博物館訪問時の映像つきで紹介していました。その上で一時は民主党の代表を務めるなど要職を歴任し、これまでに何度も中国脅威論を唱えてきた人物であるといった具合でまとめられていました。

 ここから私の情報ですが前原外相は確かにかなり昔から中国脅威論を唱えており、今の日本の政治家の中でも中国に対して厳しい発言をする第一人者であることは間違いありません。特に軍事費の拡大については度々言及しており、中国を牽制する上でも自衛隊の拡充や運用について法整備すべしと主張するなど、外相としては中国にとって最も厄介な人物であるのは間違いありません。
 ただ個人的に一つ気になる発言として、小泉時代に前原氏が民主党の代表をしていた際に代表者質問でこんな発言がありました。

「米側に日中の接近を妨害するような、わざと関係を悪化させるような動きがあるのでは」

 さすがに外相となった今にこんな発言をしたらとんでもないでしょうが、なかなかに太平洋地域外交を考える上で重要な発言なので五年も前の発言ですがここで書いとこうと思います。
 米国側からしたら確かに日中が仲良くなるのは思わしくなく、露骨な事はしてませんが日中関係が悪化して欲しいと内心では願っていると私も思います。だからといって日本は中国と組んだ方がいいかとなるとそれも難しく、現時点では私はやはり日本は米国と共同して生きてくべきだとは思いますが、日中関係を考える際に米国を抜くことはありえないという意味ではこの前原氏の発言は含蓄深いものがあります。

 とにもかくにもこんな感じで中国は前原氏に良くも悪くもかなり注目しています。私としては外交というものは無関心であるよりは憎み合っている方がまだ関心が持てていいのではないかと思っており、小泉時代も散々日中で言い合いをしましたがあの過程を経てお互いの勘なりツボなりをそれなりに知り合えたのではないかと考えてるため、かえって前原氏が外相でいる方がこうして互いに特集組めるので日中関係的にはいいんじゃないかと思います。

 ただ前原氏は中国脅威論の第一人者であるものの、感情的な批判をしないからまだ安心して見てられます(その分脇が甘いけど)。中国が嫌いな日本人を挙げると石原慎太郎都知事などがいますが、この人なんか理屈とかそういうの抜きで感情的な発言を全然関係ないところで突然ぶちかますから、もう影響力なんて全然ないけど出来ればこのまま表舞台から去ってもらいたいのが私の本音です。逆に非常に理論立って批判するけどその批判振りが激しいのになると櫻井よしこ氏がいますが、中国は櫻井氏の特集は組まないのかな。

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