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2012年8月16日木曜日

魚釣島上陸者逮捕に対する中国の反応

 昨日も中国ネタを書いたのにまた今日も書くことになるとは……。

中国外務省、14人の釈放要求を繰り返す(NNN)

 もはや説明するまでもないでしょうが、香港から出向し尖閣諸島こと魚釣島に上陸した中国人活動家を日本が逮捕した件で、こっちも昨日から大騒ぎになっています。昨日の新聞の一面はほぼすべてが連続殺人犯の射殺された死体でしたが、今日は今日で尖閣諸島関連の写真が経済誌を含めてトップを飾りました。なおちょっと面白い話を書いとくと、頼んでもないのに配達してくる中国版恐怖新聞こと人民日報だけは全く関係ない話題が一面トップでした。

 こちら側の反応ですが概ね日本でも報じられている通り、日本側の対応への非難と逮捕者の即時解放を要求するというもので特にこれと言って私から紹介するようなものはありません。なので中国側の意向と今後の展望について軽く書いておくことします。
 まず今後日本が取るべき対応ですが、やはりすぐにでも逮捕者を強制送還することに限るでしょう。弱腰だといわれるかもしれませんが日本も中国もこの問題で長々争って得することは何もありません。また以前の漁船衝突事故の場合は海保の船が損傷するなど刑事事件に発展せざるを得ませんでしたが、今回はあくまで上陸だけで不法入国だけです。以前の小泉政権時代も全く同じことが起こりましたが、その時もすぐに強制送還処置を取ることで大ごとにまで発展することはなく、今回もこの轍を踏むべきでしょう。

 中国側をかばうというわけではありませんが、私が見る限りだと向こうもそれほど大事にしたくはないというメッセージを出している気がします。まず今回の上陸船出航前には「あまり薦めない」としてやんわりですが制止をかけており、これを受けてか台湾で合流する予定だった活動家は今回参加しませんでした。また上記リンク先のニュースによれば北京にある日本大使館への抗議デモも当局が止めてくれているようです。こうした中国側のメッセージに対して日本もある程度応じるべきで、さっと返して早くお互いに忘れてしまうことが一番です。

 もちろん中国側がこういうメッセージを出していると鵜呑みにしてはならない、っていうかしてはいけない国なのですが、今の中国の状況を考えれば今回に限れば信じてもいいのではないかとみております。まず前にも記事を書きましたが中国は今年十月に党大会を控えて政権交代をする予定ですがこの直前の今の時期にあれこれ政治問題を起こしたくない、胡錦濤総書記にとっても晩節を汚したくないのではないかと予想されます。さらに中国の経済は未だに好調ではあるものの、これまでの成長率が半端じゃなかった反動からプラス成長を保っているものの、景気減速によって資金繰りに悩む企業が増加するなどちょっと今の経済は微妙な状態となっています。輸出成長率も先月は1%台だったし。
 今の状態で日本との貿易関係が悪化したら、恐らくダメージは日本側のが大きいでしょうが中国側も相当の物を覚悟せざるを得ません。特に最大の貿易相手先であるEUがあっぷあっぷしている最中で、ただでさえ日本やアメリカ、東南アジアとの取引を増やさなければいけない時期なだけに、尖閣問題で言い争っている場合じゃないと考えるのは自然じゃないかと思います。

 そんなわけで私個人としては現在報じられているように、明日にでも逮捕者を強制送還してもらいたいのが希望です。もし変な対応を取ったら中国側も国内世論を気にしなければならず、2010年のように通関を止めてくるということも場合によっては有り得ます。
 なお日本のメディアは中国側の反応として「環球時報」という中国の新聞をなんかあっちこっちで引用していますが、今日うちの上司とも話しましたけど、「あれ使うのはおかしいよね( ´゚д゚)(゚д゚` )ネー」ていうことで一致しました。というのも環球時報はタブロイド紙で、日本で言うなら夕刊フジみたいな感じで過激な意見を載せることで読者を取っている新聞で、中国の世論を反映しているかとなるとかなり微妙な新聞です。日本だって東スポの記事を日本人の意見として海外で紹介されたら困るだろうに。もっともこう言いながら、「一番過激な意見はこんな感じです」っていう具合で過去に日本の自治体に紹介したことは私もあるのですが。

 最後に話が脱線しますが、私は領土問題というか二国間関係では中国より韓国の方が今えらいことになっていると思います。多分これを読んでいる皆さんも知っているでしょうが任期間近の李明薄大統領が先日、天皇に謝罪要求(後に表現を訂正)をしましたが、滅多に怒らない日本人の逆鱗と呼べるのはかつてのBSEなど食品問題と天皇に関する事柄なだけに、今回の発言でヒビの入った日韓関係を修復するにはシャレ抜きで長い時間が必要になるかと思います。はっきり言わせてもらえばもう日本でコリアンエンターテイメントが活躍する余地は全くなく、すでに日テレが放送予定だった韓流ドラマを竹島関連で批判が高まっていることから放送延期を決めたそうですが、ほかの局も韓国関連のエンターテイメントを出せば視聴率どころか批判を集めることになるでしょう。
 更にこれは勝手な予想ですが、大抵の人間は「ここまで言ったらまずいよな」という悪口なり批判なりに自分なりのラインを持っていると思うのですが、一旦そのラインを越えてしまうとそれまでためらっていた発言内容をこれみよがしに繰り返すようになるとこれまでの経験則から私は感じます。これは即ち今回の天皇への謝罪要求を韓国は今後もためらわずに繰り返すようになるという予想で、そうなれば経済的な損失を無視しても日本人は国交関係を絶つのではないかと私は思います。それだけ日本において天皇という言葉はタブーであるという裏返しでもありますが。

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